ネットショップにはトップページがありますが、お客さんは必ずしもトップページから入ってくるとは限らないのはご存知の通り。
商品カテゴリーのページだったり、ブログだったり、あるいは、特定商取引法のページかもしれません。
この「入ってくる」という行動を英語でランディングと言います。
で、お客さんは、入ってきた瞬間に「そのページに探している情報や商品があるかどうか」を一瞬で判断します。
その時間は3秒とも言われています。
その3秒間で「ツカミOK」という状態を作らないと、すぐにで出ていってしまいます。
すぐに帰ることから「直帰(ちょっき)」という言葉が使われます。
そして、入ってきたお客さんを一旦引き止めたけど、商品の写真が1枚しかなくて 「この商品よくわからないね。どんな感じかわからない。」ということで途中で出ていくことがあります。
このように一旦訪問してくれたお客さんをできるだけ逃さないように、商品を買ってもらえるようページの調整をすることを、ランディングページ最適化(LPO)と言います。
今回は、よくあるランディングページではなくLPOの考えを取り入れたネットショップの商品ページの構成という感じです。
リンク元とランディングページの内容は完全一致
広告などを出すときに必ず行う基本事項は、リンク元とランディングページ(LDP)の内容の完全一致です。大原則と言ってもよいほど重要なことです。
「青森のリンゴが送料無料!」という広告を出した場合、ランディングページは「青森のリンゴを送料無料で販売しているページ」でないといけない、ということです。
「おいしい愛媛のみかん!」というページではダメということです。
簡単な話でしょ?
以前、動くバナー広告の中で人がミニバイクの・ようなものに乗って走っているものがありました。
「これはおもしろそうな乗り物だ」と思ってクリックしたら、NTTかどこか通信会社の販売サイトでした。クリックを稼いで広く告知するには良いですが、注文ににつながる率が極端に低くなります。
注文につながる率のことを転換率と言います。英語ではコンバージョン・レイト(CVR)と言います。
アイキャッチ
ページをぱっと開いた瞬間に、「あなたのお探しのページですよ。」ということを、瞬時に伝えるためのテクニックがヘッダー部分です。
ページの一番上の部分のことです。ネットショップの場合は、ヘッダーは共通しているので、その下の商品ページ固有のヘッダーか商品写真です。
この部分にページの内容をひとことで表すバナーやキャッチコピーをいれます。
ただ、これもネットショップの場合は、商品写真がトップに来ることになるので、メインの商品写真が最も重要なアイキャッチになります。
アイキャッチとは興味を引くための写真や画像のことです。
普通の商品ページはこんな感じです。
きれいな商品写真ですが、商品だけを載せています。
でも、これに興味を引かせるためにちょっと加工したのが下の例です。
店長の顔写真のオススメの文字を載せることで、普通の商品から特別な商品へと格上げされました。
もちろん、これは考え方であって、「店長写真を上に載せたりキャッチコピーを入れると良い」という話ではないです。
スルーされないための工夫をすることが大切だということです。
ネットショップに必須 3つの演出
大半のお客さんは安い買い物を希望しています。定価で出していても安さが感じられません。
そこで必要になってくるのが次の3つ。
(1)安さの演出
(2)お得感の演出
(3)繁盛感(賑わい感)の演出
下記のように値段に関しては(1)希望小売価格を見せて割引価格を赤い文字で目立たせます。
それに、(2)割引率を載せることで、直感的に割引されていることが一目でわかります。
これは、心理学でいうところの、アンカリング効果を応用したもので、もはや定番となっている手法です。
安さの演出にプラスして賑わい感の演出をするのがお客様の声やレビューです。
このサンプルでは1件の声しか載せていませんが、これはできるだけ多い方が良いのは言うまでもありません。
開店当初はレビューを集めるのはなかなかむずかしいので家族や友人などの協力を得ると良いでしょう。
軽くまとめますが、ネットショップのランディング(商品)ページでは、アイキャッチで興味を持ってもらい、安さやお得感、そして賑わいを演出するのが基本事項です。
開業サーバー選びをするときも、これらがちゃんとできるかどうかチェックする必要があります。サンプル画像はショップサーブより。
買いたくなる商品説明
「このスマホケースはコルク素材にヒトデマークをあしらったものとなっております。」という説明は誰にでも書けます。
でも、商品説明では買いたくなる文章を書くように心がけます。
ポイントは、その商品を買って得られる価値について語るのです。
自分の場合を考えてもわかると思いますが、商品が欲しいのではなく、その商品を通じて得られる体験のために商品を買うわけです。
ドリルを買うのは穴を開けたい(体験)からです。
キャリーケースを買うのはモノを運ぶ必要(体験)があるからです。
このスマホケースの場合は、見ればコルクだとかヒトデなんかはわかるわけですから、そんな仕様情報はいらないのです。
そうではなく「 手にしっとりと馴染むコルク素材で落下しにくく、万が一落としたときでもケースがクッションになってスマホ本体の破損を防ぎます。
また、自然素材に生き物のヒトデという組み合わせは、男女問わず「かわいい!」と、合コンなどでも話題になります。」(でまかせデス)
というように、商品そのものの説明ではなく、手に取ることができないネット販売だからこそ、商品をリアルに触ったときの感触や商品を通じて得られる体験を語るわけです。
ま、1万点も2万点も販売していると、全部の商品にそんな文章はつけられませんから、売りたい商品を絞って、策を練ると良いでしょう。
商品写真を多く
商品を知っているお店は、写真1枚で裏側も内側も底もわかります。
でも、商品を手に取ることのできないお客さんは裏側を見ることができません。
簡単に想像できても良いと思いますが、多くのお客さんは、意外に想像力がないのです。
というか、想像することすら面倒と感じて頭を働かせないのです。
ですから、わかりきった部分も見せてあげる必要があるのです。
用意する写真は3タイプです。
(A)立体的に商品をイメージできる
(B)大きさが直感的にわかる
(C)利用シーンや得られる体験
立体的に商品をイメージできる
写真は2次元ですが、前から後ろから、上から下からなど、あらゆるアングル(角度)から撮った写真を用意します。
食品などは、そこまでしなくても良いですが、形のある商品の場合は多くの写真があるほうが全体像がイメージしやすくなります。
大きさが直感的にわかる
小指の先ほどの大きさのものも、家ほどの大きさのものも、同じ大きさの写真で見せなければいけないのは、ネットショップのデメリットです。
その欠点をカバーするために、写真を見るだけで商品の大きさがわかる工夫が必要です。
長さ60cmと書かれていても、分かる人はわかりますが、イメージできない人のほうが多いのです。
この写真だけだと、大きさがまったくわかりません。
そこで、よくやるのは、画像の中にサイズを記入する方法です。
サイズがイメージしにくい商品の場合は、少なくとも、サイズを入れ込んだ写真を用意します。
大きい商品なら、このように人を並べると一目で大きさがわかります。
オークションなど大きさの比較ができるようにタバコやライター、ペットボトル、缶コーヒーなどを並べているのを見かけますが、ネットショップの場合は、写真の質が極端に下がるので、適切なモノを利用しましょう。
※意外に大きいのでご注意ください。
利用シーンや得られる体験
「この商品はおいしい」とテキスト文字で書くよりも、シズル感のある写真を見せたほうがよっぽど効果的です。
というか、文字だけでは伝わりませんよね。シズル感とは、湯気がたって温度が感じられ、クリアな写真で食べ物が生き生きと写っている感じのことです。
モノの場合は、それを利用しているシーンの写真を用意します。アパレルショップでTシャツ一枚の画像を見せるのではなく、「モデルが着ている写真」ということです。
お客様の声
上部のカートボタンの下にお客様のレビューへのリンクがありましたが、これはクリックしないと見られないので面倒です。
可能なら、その他の商品写真の次あたりに、お客様の声をいくつかピックアップして載せます。
テキスト形式だと、読みづらいので、手書きフォントを使って画像化したものを何枚か貼り付ける方法があります。
お客様の声
スカート部分がふんわりしています。ラメも散りばめられていて素敵なドレスです。丈は短めですがいやらしさはありません。とてもはきやすいです。また購入したいです。ありがとうございました。
これを画像化するとこんな感じです。
見やすや伝わり方が全然違ってくるのがわかると思います。
このような画像化は、背景に便箋などの無料素材を使って上に文字を載せて1枚の画像にします。
今回使用下便箋の画像素材は(http://insatsusozai.net/binsen.html)から頂きました。