みんな大好き焼き菓子!
クッキーやパルミエ、マフィンやフィナンシェ、スコーンにブラウニー。
最近はアメリカ系の焼き菓子も人気ですね。
そして、ギフトには焼き菓子の詰め合わせも喜ばれます(n*´ω`*n)。
手作り焼き菓子は、工場で機械によって製造される工業製品とは違い、温かみや愛情があるので、おいしさもいっそう引き立ててくれます。
ぜひぜひ、あなたのお菓子に対する愛情とおいしいおお菓子という幸せを世の中に広めてください。
さて、焼き菓子のネット販売ですが、あなたの状況や目標によって進む道が違ってきます。
おおむね3パターンあります。
(A)焼き菓子をネット通販で売りたい。
(B)店舗をもってテイクアウトと通販をやりたい。
(C)店内で紅茶などと一緒に食べれるイートインにしたい(要するに喫茶店やカフェ)。
(C)は、飲食店の開業(飲食業の許可も必要になる)なのでここでは触れません。
とりあえずAのネット販売について解説していきます。
思いの外長くなってしまいましたが、ゆっくりお付き合いください(^^)
必要なのは「菓子製造業」の営業許可だけ。
費用は15,000円ほどです。この許可を取りさえすれば、通販は合法的にできます。
もちろん、テイクアウトもOKです。ネット申請になれば良いのですが、お役所はまだまだ時代遅れです。役所まで足を運ばなければいけないし書類も手書きです。
申請の手続きは簡単ですが、「許可が得られる設備を用意するのに多少お金がかかる。」という点をクリアする必要があります。
だから、販売業を始めるのに「1円も出したくない。」そんな方には向いていないビジネスなので、趣味で家庭で作るにとどめておくのが良いでしょう。(ちなみに、家庭で作ってものは販売できません。違法です。)
「ビジネスとしてやりたいんだ。」そんな人は、菓子製造許可を取ります。
はっきり言って簡単です。それも、飲食店を開業するわけじゃなく、要するにお菓子が作れる「審査に通るキッチン」さえ用意すればよいわけですから。
もちろん、自宅のキッチンは不可です。
戸建てなら3坪ほどのプレハブを庭にどかっと置くとか、安い賃貸物件を契約するとか、最低限その辺まではやらないといけないです。
飲食店を作る場合、テーブルや椅子をはじめ、レジ(タブレット)やら食器やら、細かいものまでそろえる必要があります。とにかくお金がかかるのです。
でも、お菓子を作るだけのキッチンなら必要設備だけで済むので、飲食店の開業に比べると、めちゃくちゃ安く済みます。
残念な物件選びがポイント
焼き菓子が作れるキッチンさえ用意できれば良いわけですから、別に商店街である必要もないし、人が歩いていない寂しい場所でも良いわけです。
一切陽があたらない場所でも全然問題ないわけです。
そういった、一般的には不利な物件を格安で借りるのが一番賢いやり方だと言えるでしょう。
いきなり、そんなに儲かるビジネスじゃないので固定費は極力おさえるのがコツです。
地域にもよると思いますが、5万円も出したら広々とした場所が借りられるでしょう。
1、2人でやるなら3坪(畳6畳分)でもあれば十分ですからね。個人的な感覚ですが、毎月の賃料を「3万5千円以内」で押さえられたら大成功だと思います。
水道代は微々たるもので、オーブンにガスや電気代がかかると言っても家庭レベルの域を出ないでしょう。
20席程度のレストランでも電気代は3~5万円程度(季節や業種による)ですから。
スモールなお菓子専用のキッチンなんて確実に1万位内に収まります。
イラスト図面で見る必要設備
菓子製造許可だけを取るための設備のイメージです。
縮尺は24分の1スケールくらいで、設備の大きさの比率などは、現実に近いイメージです。
許可を取るために、10数点の設備を整えるだけです。
シンクや放冷台など、大型だけど軽量で安価な物体ばかりです。
冷蔵庫は家庭用でも全然OKですが温度計(義務)は用意しておきます(実際はほとんど使いませんが。)。バカ高い業務用など必要ありませんね。ただ、容量は気を付けましょう。
必須設備の最低資金は?
二層式シンクは業務用などステンレス製(中古で十分)ものしか選択肢がないですが、放冷台や包装台、食器などは別に家庭用敵な製品でも構いません。
焼いたお菓子を冷やす場所、棚する場所、棚は衛生のため閉じることができたらよいわけです。
おすすめは普通のテーブルの上に、ホームセンターで販売されているステンレスシール(2、3千円)を貼る方法です。
これだと水も熱も大丈夫ですし、消毒もしやすく劣化もあまり心配する必要がありません。
ほとんどの物件には給湯器がついていることが大半なのでカットできるでしょう。買ったとしても2~3万円程度です。
トイレなどは、もちろん、もともと物件についているものを使います。トイレはリフォームだけでも100万円以上かかっちゃいます。。
こんな感じなりました。 10万円ほどもあれば設備は整いますね。
温度計や消毒液など微々たる金額は計算に入れてません。ただ、シンクと水道や給湯器の接続は業者に頼まないと難しいので3万円ほど。
ざっくりと最安値15万円もあれば菓子製造許可は取れることになります。申請に15,000円なので165,000円ですね。
あとは実際にお菓子作るための設備や備品
この部分はお菓子作りの経験があれば、誰でも用意できるものばかりです。
オーブン・レンジに始まり、ミキサーやフードプロセッサー、ボウルや焼き型などの調理機器などですね。
これらの備品は、許可とは一切関係がないので、好きなツールを好きな予算で、好きなようにそろえると良いですね。
家庭で使っているものを使用してもいいですし新しく買っても良いでしょう。
オーブンは1台数万円ほどしますが、それ以外の調理機器をそろえても10万円もいかないのではないかと思います。
業務用オーブンもありますが、やや高額です。家庭用のものでも十分使えます。その代わり大量に作る場合あ2~4台くらい用意したほうが効率よく焼けます。
そんなこんなを計算してみると、菓子製造の許可に165,000円、賃貸物件の取得に、400,000円(家賃3万として)、備品で150,000円で70万~80万、イレギュラーがあって100万円くらいには収まりそうです。
同じ広さで喫茶店などをやろうと思えば200万円~300万円はかかることを考えると、実に半額以下です。安い!「100万くらいなら副業でも十分始められる金額」と言う人も多いと思います。
できることは自分でやる
ワンルームマンションなどは、新規で入居するときは、きれいに掃除されて壁紙も張り替えられ、まるですべてが新品かのような状態で入居します。
でも、飲食店など業務用の物件は、新築物件でない限り、前の入居者の汚れがそのままになっています。
直前の入居業種によっては、壁や床が前の人や店舗の「使用後」の状態のままです。
掃除もされていない物件を見ると、最初は萎えてしまいますが、毎日通って掃除をし、手を入れていくうちに慣れてきます(^^)
もちろん、床や壁の張り替えなど業者に新しくしてもらう方法もあります。でも、いちいち業者を使うと、その分料金が跳ね上がります。(業者の人件費は1日15000円~3万円くらい)
上記に例として入れた水道屋さんでも、小一時間作業するだけで3万円5万円とかかります。
お客さんに入店してもらって飲食してもらうわけではないので、あくまでキッチンです。
見た目よりも衛生面をしっかり意識した上、自分が許せるレベルまで、あるいは、自分の好み掃除したりDIYしたり、工夫してコストを抑えるのが安く仕上げるコツ、であるのは言うまでもありません。
開業までの目安は1カ月
普通の飲食店でも1カ月もあればオープンできるので、焼き菓子製造の1カ月はちょっと甘めの設定です。
物件探しの時間は含めず物件が決まってからの時間です。物件が決まってからだと家賃も発生しますから、ダラダラしているヒマはありません。
たっぷり時間のある人は良いですが、自由時間の限られている主婦やお勤めをしている人が、このように自宅外にキッチンを借りてビジネスをスタートする場合、最大の問題は時間です。
時間のやりくりをトコトン突き詰めて計画しないと「時間が足りない!」と困ることになります。
今回、焼き菓子の販売を始めるための全体像をウェブページ1ページに詰め込んでみましたので、おおむね把握できたかと思います。
実際は、物件3、4件内覧するだけで2時間3時間とかかっちゃいます。
時間に関して、イメージと現実では、かなりの差がありますから、ある程度余裕を持ったタイムスケジュールを組んで、「あれもこれも」と考えず、1つのタイミングで1つのコトなど、「こつこつ」進めていくのが「コツ」です。
やると決めたらな、普段の生活における無駄な時間を洗い出して、どんどんカットして、ビジネスに注げる時間を作っていきたいですね。
仕入れは、ほぼ100%ネット
その日その日、鮮度の良い魚や肉、野菜を提供することをテーマにしているお店なら、日々の買い出しは、近くの市場などリアルが基本です。
でも、粉ものやドライフルーツ、リキュール類など保存のきく商品は、賞味期限は気にしても鮮度は関係ないので、わざわざ出向いて買いに行く必要はありません。
お菓子の材料は、「ほぼ100%ネット注文できる」というのはご存知の通りです。材料以外のクッキングペーパーや包装資材などの消耗品もネット注文が基本です。
お菓子の材料専門のお店もたくさんあるので、自分が作りたいジャンルとうまくマッチする材料のお店などを選ぶと良いでしょう。
急きょ切れてしまった材料を近くのスーパーなどに買い出しに行くことはありますが、日常的な仕入れは通販を利用するのが時間的に最も効率的なやり方です。
ちなみに、販売が順調で、ある程度の量を使うようになってきた材料のお店に「卸できないか。」を聞いてみると良いでしょう。
通販サイトに書かれている価格よりも「業務用」として安く買える方法です。原価を抑えられ利益も増えますからね。
ネット販売を3パターン
準備ができたなら、あとは作って売るだけ!これからが本番ですね。
ネット販売にはいろいろありますが、「楽天に出店する」とか、的外れなことをする人はいないと思いますが、とにかく押さえるべきポイントは「コスト」です。
今のEC業界では、ネットショップは0円~持てますです。意味のない月額費用を払わないよう注意したいですね。
手っ取り早い1つ目のインスタントECはbase(ベイス)でしょう。
インスタとも連携ができて、ネット通販素人でも簡単に販売が開始できます。
base(ベイス)については、人気記事「無料レンタルネットショップで作る」を参照してください。
2つ目はメルカリ。スマホで写真を撮ってスマホで出品。パソコン不要の便利サービスです。
個人売買、フリマ的な感じですが、別に手作りお菓子を売っても法律違反でもないし規約違反(もちろん、許可なし販売は違反)でもありません。
ただ、マーケット(利用ユーザー数)が限られている点は気にしておく必要があるでしょう。
以上2つの無料ネット通販システムでで、個人的にデメリットだと感じるのは、出品などは無料だけど、売れた時に約7%の手数料が引かれることです。
お菓子は原価率こそ安いものの、単価が安いので7%も取られると非常に痛いですよね。
そこで3つ目の選択があるわけですが、これは通販のプロ20年の好みやり方なので不慣れな人は手を出さないほうが良いです。
もちろん、得意な方には全力でおすすめします。
手数料は一切なく、ネットショップも無料。クレジットカードで購入された場合3.6%の手数料が発生するという通販の仕組みです。
最近、人気度が急上昇している「wordpress+wooCommerceで作る通販サイト(やっべー楽しさ編)」をご参照ください。
読んで意味が分からない、難しい、と感じる方は決して手を出さないように。
と考えると、baseかメルカリなどのフリマアプリか、って話になりそうですが、他にも選択肢はあります。説明が長くなるのでカットしましたが、無料出店ができるyahoo! shoppingもありですね。
メルカリなど限られたユーザーの中でやるのではなく、国内全域をカバーする通販ですから。
難しく考えすぎ。ほんとは簡単。
副業も起業のミニバージョンですが、みんな難しく考えすぎなんですよね。
「店舗借りて許可を取る。営業を開始する。」のステップまでは実にシンプル。どこにも難しさはありません。
正直アホでもできます。というと語弊がありますが、今回のお菓子の販売や飲食業などは、ビジネスの中でも、一番「頭のいらない」ビジネスのひとつです。
営業開始は、あくまでスタート地点で、そこからが本番です。本番も決して難しいわけでもなく、セオリー通り進めて行けば大なり小なり100%確実に結果が出るワケです。
その結果に、理想とのズレがあれば、それを埋めるよう試行錯誤するのが、楽しいお菓子作りの次に楽しいところです。「作りました。理想通り売れました。」と、そこは問屋が卸さない。
日本人は慎重な人が多いですよね。石橋をたたき割るような(笑)
アジア圏はじめ、他国の人などは、アイデアがあれば即アクションに入ります。日本でも、若い子の中には、あれこ考え込まず行動が早い人もいます。
ま、おそらく、日本は平和で、あえて副業や起業しなくても食うには困らない状況があるからでしょうけどね。
また、やったことのないことないことに対する恐怖の「幻想(勘違い)」も影響していると思います。
未経験のことは、最初は緊張から始まり恐怖感まで、ネガティブな感情がつきものですが、これを「楽しい」という感情に置き換えると何でも楽しくなるんですがいかがでしょう。
今回、とりあえずカットしましたがテイクアウトができる仕組みにしておけば、リアルで面と向かってお客さんの声が聞けるので、できればテイクアウトもできるようにしておきたいですね。そのほうが楽しさも倍増しますし。
ちなみに、テイクアウトは飲食業の許可はいりません。菓子製造の営業許可だけでOKです。
人気商品が作りホーダイ!のビジネス
メーカーの商品を仕入れて販売していると、どうしても人気商品と死筋商品(売れ残り)が出てきてしまいます。また、人気商品になる可能性のある商品を見つけるのもなかなか難しい。
でも、焼き菓子はいくらでもおいしいレシピやアイデアがあります。人気のお菓子やレシピをそのままに作って販売することができます。
「他人のレシピの盗用じゃないの?」と思われるかもしれませんが、料理はもちろん、お菓子のレシピに著作権はありません。
だから、「ぱくりホーダイ」というと聞こえは悪いので、「参考にしホーダイ」です。オイシイお菓子はレシピ通り作れば、そのまんま本当においしいですからね。
まるまる真似することに罪悪感を感じるなら、ネットに公開されているレシピや販売されている本を参考に、ちょっとだけ変化を加えて作ると良いですね。それだけで、オリジナルになりますから。
でも、注意したいのは、あきらか個性的なモノ、例えば、「有名なお菓子屋さんでしか見ることのない形状のお菓子を、まるまるコピーして作って販売した。(見た目そっくりも含む)」とか「その店が考え出した商品名をそのまま付けちゃった。」となると大問題になりかねないので注意したいですね。
配合などのレシピをそのままで、デザインを変える、商品名をオリジナルにするなどが一番良いでしょう。
シェアキッチン利用のメリット・デメリット
最近は菓子製造許可付きのレンタルキッチンやシェアキッチンが出てきています。
ただ、それらの多くは「作れってその場で販売できる。」という条件付きで「ネット販売ができる。」というシェアきっちんはほとんどありません。
ほとんどない理由のひとつは、「ネット販売をする場合、製造場所をラベルで表記しないといけない。」という法律があるためです。
つまり、シェアキッチンを使った人に名義を貸すことになります。
となると、シェアキッチンを使っている誰かが食中毒を出してしまうと、シェアキッチン側が責任を取る形になります。
これはシェアキッチン側もかなり大きなリスクです。
1人が食中毒を出すだけで施設は数日とは言え閉鎖することになります。
シェアキッチンの売上はゼロになり、また、他に借りていた人も使えなくなるというリスクがあるからです。
また、「あなたの店名でネット販売ができる。」というシェアキッチンも出てきていますが、レンタルの相場は1時間あたり1,000円です。
一回に作るのに3時間使うとして3,000。
ビジネスとして焼き菓子のネット販売をするなら、そのコストをちゃんと回収できるか計算する必要があります。
別の機会に、また書きたいと思いますが、結局のところ、初期投資は数十万円~かかりますが、自分だけの安い物件を借りてキッチンを作ったほうが、結果的には儲かることになります。
もちろん、「(儲けなど気にせず)趣味で販売してみたい。」といったノリの場合は、シェアキッチンで十分です。