事業用の銀行口座の開設。どこの銀行が良いのか?

事業用銀行口座

ビジネスは、ヒト・モノ・金・情報。

お金の出入りの舞台となるのが銀行口座。

一般的な起業はもちろん、ネットショップno開業には「どこの銀行を使えば良いのか?」「どこネットバンクが便利なのか?」

ECや実業歴25年の経験もふまえ、参考情報を掲載しておきます。

公私混同は避けること

まず、個人事業主になる人に伝えたいのは、「プライベート口座と事業用の口座は分けておきましょう」ということ。

「個人」事業だから、別に個人用の銀行口座でもまったく問題ありません。

屋号がついていなくでも大丈夫。

とにかく、純粋に事業のお金の管理専用の口座を1つ以上持っておくのが鉄則です。

銀行は公私混同を避ける

公私混同することが違法とか、そういう問題ではないです。

管理がチョー面倒なことになるからです。

例えば、EC運営者なら会計ソフトはフリー(freee)などクラウドサービスを使います。

銀行の入手金の記録を自動取得してくれます。

ところが、プライベートの出費があっても、それもまとめて会計ソフトに取り込んでしまうのです。

  • 1000円の入金があった。これは商品代金。
  • 210円口座から引かれた。これは振込み手数料。
  • 5000円振り込んだ。これは仕入れ代金。
  • 30,000円遊ぶための現金を引き出した。

そして、最終的に銀行口座の残高と、事業で付けている帳簿上の残高がぴったり一致しないといけないのです。

きっちり記帳していると1円たりともずれることはありません。

でも、「5000円の振込みをした。これは趣味のマンガを買った代金。」という出金があったなら、これは事業とは無関係なので銀行口座に記録は確実に残っても、事業用の帳簿には付けることはできません。

そうなると、帳簿と口座の金額にずれが出てしまいます。

これが実に面倒くさいことになっちゃいます。

これは趣味、これは事業、とひとつの口座で管理してもできないことはないのですが、それをやって、ぐっちゃぐっちゃになって失敗した経験者として助言しておきます。

事業用は事業用。プライベート用はプライベート用で分けることです。

銀行口座はいくつ必要なの?

「多くの口座を持っていると、振込をするお客さんが振込手数料を節約できて利便性も高まる。」などと考えられていた時代もありました。

お客さんの利用する銀行は、三井住友やUFJなどの都市銀行から農協や信用金庫、証券会社の口座まで何百行とあります。

5行や10行用意したところで、お客さんの利便性が格段に上がるなんてことはありません。

むしろ、口座管理に時間的なコストがかかりすぎて利益を削ってしまう結果になりえます。

結論としては、1~2行用意しておけば十分です。

ネットショッピングのついでに検索結果上位1位~10位までのネットショップについて、どの銀行を何行利用しているのか調査してみました。

  • 1.A店 静岡銀行、ゆうちょ銀行
  • 2.B店 不明(銀行名記載なし)
  • 3.C店 Paypay(旧JNB)
  • 4.D店 城南信用金庫、ゆうちょ銀行
  • 5.E店 不明(銀行名記載なし)、ゆうちょ銀行
  • 6.F店 Paypay(旧JNB)
  • 7.G店 楽天銀行、三菱東京UFJ銀行
  • 8.H店 Paypay(旧JNB)、楽天銀行、米沢信用金庫
  • 9.I店 八千代銀行、ゆうちょ銀行
  • 10.J店 Paypay(旧JNB)、三菱東京UFJ銀行

これを見てもわかるように、多くて三行、一行だけのお店も2店もありました。

銀行振込で商品が売れると、その代金が入金されたかどうか確認する作業(落し込み)があります。

三行、四行と用意していて、あっちこっちの銀行に振込みされると、その都度、各行のネットバンキングにログインして誰がいくら入金したか確認しないといけません。

この作業、実は、かなり大変です。

どこの銀行が良いの?

結論から言うと、どこの銀行でもかまいません。

将来、「融資を受ける可能性がある」など、いわゆる「銀行とのお付き合い」を想定しているなら、信用金庫や地元の銀行と仲良くしておくと良いでしょう(正直一行くらいは作っておくことをオススメ。)

でも、借入の予定もないし、「売上代金の入金用」「仕入れ代金の支払用」がメインの場合、ネット銀行で十分です。

ジャパンネット銀行  おすすめ度 ★★★★ *屋号口座OK!

こちらもネット専業銀行です。
業績もよく、ウェブバンキングの使い勝手も良いので必ず持っておきたいところ。
屋号口座OK。法人口座可。

ゆうちょ銀行 おすすめ度 ★★★

メインバンクをゆうちょ銀にしている人も多いので、できればひとつ用意しておきたいところです。
ネットバンキングはやや使いにくいです。
屋号口座OK(団体の名前で口座を作る方法)、法人口座可。

都市銀行 おすすめ度 ★★★  *屋号口座OK!

都市銀行とは、三井住友銀行、東京三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行の5行のことを言います。
基本的に都市銀行ならどこを使っても問題はないです。
好き嫌いの問題ですね。

新生銀行 おすすめ度 ★★★★  *屋号不可

新生銀行は何と言っても振込手数料が無料(条件あり)です。
お客さんの振込代金用ではなく、仕入れ代金の支払い口座に使えば、都市銀行を使う場合に比べて、年間最大25,920円の節約になります。
この銀行は特に、プライベート用としては最高です。

三井住友・三菱東京UFJ・みずほで屋号口座

基本的に、都市銀行で屋号口座を作ることができます。

でも、長年その銀行を、給料やクレジットカードや電気水道代などの引き落とし口座として、使っていないと断られる場合があるので、できれば、今使っている都市銀行に行くのが良いでしょう。

郵送ではおそらく無理で、面倒くさいですが店舗まで行かなければいけないパターンです。

そこまでして、都市銀行で屋号口座を作る意味はないと思いますが、おお好みでどうぞ。

ただ、私自身は、三井住友銀行に屋号口座を持っています。

なぜかというと、「屋号だけ」での振り込みが可能なのです。(詳しくは:屋号で銀行口座を開設する方法

楽天やJNBの場合は、屋号に個人名がもれなくついてきます。

これが嫌なんですよね(^^)

例えば、屋号を「ポルチーニ」とするじゃないですか。

三井住友の場合は「ポルチーニ」だけで振込ができますが、楽天やJNBの場合は「ポルチーニ タケダ ウマコ」になっちゃうワケです。

せっかく、カッコいいお気に入り屋号を付けても、個人名で台無しになっちゃいます。

官公庁関係と取引があるなら普通の銀行口座を

Paypay銀行などのネット銀行は、国や役所などの官公庁からの振込に対応していない場合があります。

もし、卸販売などで、公的な機関と取引をする予定がありそうな場合は、かならず一行作っておくと良いです。

頻繁に使わない場合は、ネットバンキングの契約はせずは通帳式でも良いですね。

リアル起業の場合は融資も想定してあの銀行を

ECではなく、リアルをベースにした起業の場合は、地元の銀行に口座を作って利用実績を作っておくと良いでしょう。

いざと言うとき、運転資金や新規事業のための融資が受けやすくなります。

ただ、2020年。地方銀行は倒産の危機に瀕しているとのウワサがあります。JAバンクも相当ヤバいらしい。

これはただのウワサではなく、そこそこ名のある人達が決算書を見て指摘しているので、信ぴょう性は高いと思われます。

ネット上を検索すると、収益率ランキングのようなサイトもあります。
(例)https://mainichi.jp/premier/business/articles/20190618/biz/00m/020/009000c

いくら地元の銀行だからと言って、やばい銀行は避けたほうが無難です。

ちなみに、起業前の人は「おれは無借金でやる!」なんて人も多いと思います。

無借金に越したことはないのですが、融資を受けられると、資金繰りが楽になったり、また、事業を簡単に拡大できたりするので、事業の場合借金(借入と言う)は決して「悪」ではありませんこと、一言付け加えておきます(^^)