パティシエさんのネット販売のコンサル依頼を受けました。
私自身は、焼き菓子のネット販売店も持っていますが、いろいろなジャンルの商材でネット販売歴は20年以上です。
自分自身にとって当たり前のことが、彼女にとっては、全く未知の話ということを痛切に感じました。
コンサルを通じて、パティシエさんにお伝えした「ネット販売を始めるうえで知っておくべき大事な5つのスキル」としてまとめました。
ネット販売するためには5つのスキルを学び、できるようになる必要があるということです。
- 商品のスキル
- ネットショップ作成スキル
- 宣伝のスキル
- 時間の使い方スキル
- セルフイメージのスキル
商品のスキル
焼き菓子という商品は普通に作れると思います。
試行錯誤しながら新しいメニューを考がえるのもお手のものでしょう。
これは、そのままで良いです。
企業で言うなら商品がある状態です。
問題は、次の項目からです。
ネットショップ作成スキル
「ホームページを作らなきゃ。」ということで、無料ホームページ・サービスを使ってお店のホームページを作るのは100%間違いです。
なぜなら、「ホームページ」には販売機能がないからです。
いわゆるホームページとは、会社案内とか自分の趣味を公開するような、単なるカタログです。
閲覧者が見てオシマイです。
そうではなく、ネット販売するためには、ネット販売ができるシステムを借りる必要があります。
ネット販売システムはたくさんありますが、最初はできるだけ安いシステムを借りるのがコツです。
Shopifyなどに代表される、月額3000円程度で本格的な通販ができるシステムを借ります。
もちろん、個人でもクレジットカードがあれば簡単に借りられます。
その上で、販売システムに情報を載せて行き、販売ページを作って行く必要があります。
そのためには、できればパソコンが使えると良いです。
スマホでもできるのですが、パソコンを使うと作成スピードが桁違いです。
宣伝のスキル
焼き菓子という商品を作りました。
ネットショップにも載せました。
この段階で満足する人が非常に多いのが、今の時代の特徴です。
ネットショップ開店はスタートラインに立っただけです。
これから「宣伝」をして、お客さんを集めて売っていくという活動に全エネルギーをそそがなければいけないのです。
宣伝方法は、無料有料関わらずたくさんあるのですが、焼き菓子に限って言えば次のような宣伝方法が有効です。
- インスタ(無料)
- フェイスブック(無料)
- ユーチューブ(無料)
まずは、この3つの宣伝媒体を完全に攻めてください。
それがうまく行けば、今度は有料広告です。
ネット検索の有料広告や、新聞の折込チラシなどを使ってどんどん新規客を取り込んでいきます。
おそらく、その段階までいくには3~5年位かかると思いますので、最初は無料広告をフルに活用することをオススメします。
時間の使い方スキル
車の運転がうまい人がいます。
逆に下手な人もいます。
同じように時間の使い方がうまい人と下手な人がいます。
焼き菓子のネット販売をするなら、例え一個人だとしても、やっていることは大企業とおなじ「経営」です。
成功している経営者は、時間管理がだれよりもうまいです。
ですから、限られた自分の時間を最大限活かせるように時間管理のスキルを身に着けます。
英語ではタイムマネジメントと言います。
ビジネスにできるだけ多くの時間を投入できれば、得られる結果も大きくなります。
でも、買い物や洗濯、料理など、プライベードで使っている時間が多すぎると仕事に費やす時間が少なくなってしまいます。
そういったプライベートで使っている時間を究極まで節約するのは経営者の常套手段です。
例えば、買い物はスーパーに行くことはなく、生協やスーパーのデリバリー、あるいはオイシックスなどの食材の宅配を利用します。
スーパーでの買い物は楽しいですが、1回行けば1時間や2時間は簡単に消費してしまいます。
でも、ネット購入を利用すれば、1回あたり10分~20分程度で済みます。
この時間差を年間で比較すると、とんでもない差になるわけです。
洗濯機に関しても、コインランドリーに通うなどはもってのほかで、乾燥までやってくれる洗濯システムを導入します。
料理に関しても、できるだけ短時間で済ませられるメニューを作っておきます。
もちろん、調理済みの料理を取るというのは、最高の時短アイデアです。
ただ、健康を考えると自分で作ったほうが良いと思っている人は、できるだけ時短メニューで済ませるのがコツです。
セルフイメージのスキル
焼き菓子のネット販売をする人は、ほぼ100%女性です。
私も焼き菓子のネット販売ショップを持っていますが、実際に作っているのは女性のパティシエさんたちです。
で、ここで問題になるのがセルフイメージです。
セルフイメージとは、「自分で自分のことをどのように思っているか?」ということです。
例えば、「私は30代の女性で2児の母。毎日子供の送り迎えに家事炊事をする主婦。」
一般的なお母さんのイメージだと思います。
でも、このイメージをネット販売をする「経営者」の考えに持ち込んでしまうと大変です。
ひとりでやっていても、それは立派な経営者ですから、販売の仕事をしているときは経営者の考えモードにするのが、セルフイメージのスキルです。
「役を演じる」ということです。
要は、切り替えですね!
例えば、「今回のお菓子は味が変わってがっかりです。」といったクレームを受けたとします。
女性としてこのクレームを受けたならショックでしょう。
男性でも、感情的にはショックです。
でも、経営者なら、「味が変わったというクレームを受けた。」という事実に感情は挟まず淡々と処理していきます。
本当に味が変わったのか確認するために、同じ商品を購入したお客さんにアンケートを取ります。
その結果、ほとんどの人が「変わっていない。」と回答したなら、クレームした人が、たまたた体調か何かの原因で「違う味を感じたのだろう。」と判断することができます。
そして、「申し訳ございません。改めてレシピを見直して喜んでもらえる味にします。」という謝罪メールを送ります。
このように機械的に「感情を挟まない業務手続き」というのがポイントです。
会社経営にいちいち感情を挟んでいてはメンタルが持ちません。
もちろん、良いレビューなどが寄せられたら喜んでください。
でも、悪いレビューに関しては、瞬間的にショックを受けると思いますが、気持ちを切り替えて冷静に、感情を排して対処するのが大事です。
このスキルを簡単に身につけるのは、経営関係の本を読むことです。
本を読むのは時間がかかって、もったいないような気がしますが「急がば廻れ」です。
本を読めば結局、すべてが早くなります。
女性が多いと思うので、女性経営者の書籍を中心に10冊以上読むことをおすすめします。
もちろん、男性のパティシエさんなら、男性経営者の書籍を、できるだけ多く読むことをオススメします。