マニュアル読まずに聞いてくる新人や従業員

マニュアル(manual)とは、本来、英語圏では「手動で」という意味で使われることが多いです。

「機械が壊れたんでマニュアル(手動)で操作した。」といった文脈で使われます。

日本では、その意味で使われるのは自動車のマニュアル車くらいで、とちらかというと「業務遂行マニュアル」とか「ECサイト運営マニュアル」とかの意味合いで使われることが多いですね。

雇用主としては、マニュアルに関しては奥も悩みも深い問題です。

マニュアルは作っても読まない

いくつか事業をやっていますが、特に、飲食店などはマニュアルなんて作っても誰も読みません。

誰もというと大げさですが、まあ、ほとんど読まないですね

マックとか大手チェーン店とかは知りませんよ。

基本、「わからないことは先輩に聞く。」です。

口頭で業務内容を伝えるのが基本になってしまっています。

作っても読まれないものは仕方ないし、意味もないと思うので基本作らないようにしています。

ただ、これは業種によって全く異なるのが実におもしろいんですよね。(面白がるなって?)

IT系は読む

通販事業(Shopify)もやっていますが、こちらで働く人たちは「マニュアルを読んで業務にあたる。」ということが、むしろ当たり前な感じになっています。

「分厚いマニュアル」など印刷したようなモノは作っていません。

印刷すると、変更のたびに印刷しなおさないといけないですからね。

基本「Gmailで検索してください。」です。

要するにWEB化、つまり、デジタル化しています。

例えば、「キャンセル客 対応」なんてGmailで検索したならば、その対処法の社内ブログのような記事にリンクが貼られています。

それを見て従業員が最新のキャンセル対応をしてくれます。

めったにやらない作業などは動画マニュアルを用意もしています。

例えば、「ファイル名を一括で変更する。」や「一括で書品登録をする。」など。

自分自身もめったにやらないので、すぐやれと言われても忘れているので、自社で作ったマニュアルを見ながら作業をします。

もちろん、マニュアル内にないイレギュラーなことがあれば、口頭やメールでの質問になります。

マニュアルが読まれない理由

マニュアルをしっかり読んで、しっかり仕事をしてくれる子もいます。

でも、全体の1%とか、そんなレベルです。(あ、飲食店の場合です。)

ほとんどの子はマニュアルなんて、あっても読みません。

「読んどいてねぇ~。」

「わかりました!」

と返事しても、確実にヨ・ミ・マ・セ・ン(笑)

なんで読まれないか。

理由ははっきりしています。

「おもしろくない」から。

読んだところで何かメリットがあるわけでもないですからね。

おもしろい小説だったら一気に読むでしょうが、業務マニュアルに、読破したくなるようなストーリー性なんてないですから。

おもしろくもないような文字を読むことほど苦痛なことはないですし、読み始めると眠くなるんじゃないですかね。

年齢に関係なくマニュアルなんて誰も読みたがらないものなんですね。

マニュアルを作る側は「楽したいがため」に作るわけですが、まったく効果を発揮していないことは、そろそろ気づいても良いかなぁ~って思いますけど。

あるいは、「読みたくなるマニュアルを作る」か。

電話対応マニュアルはWEB化

電話はしゃべるわけですから、それを文字情報でマニュアル化しても、あまり意味ないです。

シミュレーション動画や音声を見てもらうのが一番ですね。

そのほうが記憶に残りやすいですから。

ただ、人によっては、「文字情報のほうが良い。」という場合もあるから文字バージョンも残しておくと良いでしょう。

電話対応の難しいところは、「すべて定形的な問い合わせばかりじゃない。」ということです。

ぜんぶマニュアルにしようと思えば、膨大な量になってしまいます。

なので、FAQじゃないですが、「よくある問い合わせと対応例」といったマニュアルを作っておいて、あとは、「臨機応変にやってください。」です。

向き不向きは大事

同じ従業員でも「不向きな人にまかせてしまう。」というのは、やらないほうが良いです。

電話対応も、向き不向きがあるので、不向きな人にまかせてしまうと、効率も悪くなるし、本人もストレスになってしまいます。

ネットショップ用のバナー作成をインハウスで作ろうと従業員にやらせてみたことがありました。

バナーは作れましたよ。

でも、問題はセンス・・・

バナーは作れたらそれで良いって話ではなくセンスが問われることなので、センスがない人にまかせることはできないです。

機能各種を「使えるようになる。」のはトレーニングでなんとでもなりますが、「センスを良くする。」というのは、自分自身で磨いてもらわないと、他人がどうこうできるものじゃないですからね。

「ロボット的にこなせばそれで良い。」といったことなら、マニュアルに落としておぼえてもらうことで業務は遂行できますが、センスが問われることはいくらマニュアル化しても意味がないと思います。

張り紙も意味ない

プチマニュアルと言えそうな、この種の従業員向けの張り紙はどこの会社にもお店にもあるでしょう。

「くつはきちんとそろえましょう。」とかは、学校や家庭でもありますね。

「意味がない。」とまでは言わないまでも「意味がなくなってくる」んですよね。

張り紙をした当初は、今までなかったものが突如現れるので目立つし「(できてない人がいるんだな。)気をつけよう。」なんて思います。

でも、時間が経つと、紙も劣化してだんだん背景に溶け込んで、あることすら気づかないレベルにまで至ってしまいます。

新人が入ってきても、壁に溶け込んだ張り紙なんて、気づいても「なんかある。」くらいの認識で、じっくり読んで「自分も気をつけよう。」なんて思わないでしょう。

認知させたいことを張り紙を使ってやるなら、毎月なり3ヶ月に1回なりの割合で、見た目の違うパターンの張り紙を貼るくらいでないと、なかなか浸透しないです。

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。