いきなり結論です。
仕入れだけでは経費になりません。
経費的に処理できるのは仕入れた商品が売れたときだけ。
これしっかり覚えておきましょう(^o^)/
仕入れが経費にならない理由
仕入れ価格2,000円のTシャツを5枚仕入れ合計1万円を支払いました。
現金は出てきましたが代わりに商品が入ってきま。
商品には1万円の価値がありますよね。
商品をお金に換算してお店や会社の財産を計算すると変わっていないことがわかると思います。
つまり、仕入れそのものは単なるモノへの両替です。
会社やお店の財産は現金1万円からモノ1万円に置き換わっただけです。
経費になるとき
10枚仕入れたTシャツが1枚3000円で売れました。
このときはじめて、原価2000円を、全財産から経費的に差し引くことができます。
もちろん、このとき利益は1000円ですね。
練習問題
2019年1月~12月、1年で300万円分商品を仕入れました。
そのうち200万円分の商品が売れて100万円分の商品が残りました。
2019年の売り上げは400万円でした。
経費は全部で100万円でした。
最終的な利益はいくら?
間違い例
400万円(売上)-300万円(仕入れ)-100万円(経費)=0円・・・(A)
利益は0円!
残念ながら、この計算は間違いなんですね。
正解
間違いの原因は残った在庫を計算に入れていない点です。
(A)の計算では、仕入れ分全部が売れた計算になっています。でも、実際は、在庫が100万円分残っているので、+100万円を追加しないといけません。
400-300+100(在庫)-100=利益100万円
100万円の黒字!
これが正しい計算です。
「なんで仕入れが経費にならないの?」という質問があります。確かに、仕入れをしたときに現金が出て行って「現金はマイナス」です。
でも、100万円分の在庫は、例えば、同業者にそのままの仕入れ値で横流し可能です。
つまり、100万円の価値のある財産を持っていることになるわけです。
要するに両替です。1万円を1000円札10毎に両替しても価値は変わりません。
1万円の価値のある商品を100個仕入れても、1万円札100枚が、1万円の商品100個に変わっただけです。
仕入れは両替
繰り返しになりますが、仕入れはお金とモノを両替しただけの話です。
簿記を知らないころは、「利益が予想以上に出そうだ」と思って、いつもより仕入れを増やせば、利益を減らせる」と考えていましたが、とんでもない勘違いだったわけです。
もし、仕入れは経費だと思って、100万円の利益が出そだから100万円の仕入れをしたとします。すると、計算式は次のようになります。
400-300+100(在庫)-100+100(新規仕入れ)=利益200万円
そうなんです。そんな勘違いをしていると、逆に利益が増えてしまうのです。
そして、それに比例して税金も増えることになります。
「仕入れは経費だろう!」と言っても、通じないのでご注意ください。