事業家にとっては「販売心理学」一式はマスターすべきこと。
松竹梅の法則やらアンカリング効果やら。
カクテルパーティー効果やバンドワゴン効果などなど。
でも、販売関係以外の心理学用語も知っておくと、日々のプライベート活動はもちろん、ビジネス活動もスムーズになるのではないでしょうか。
さて、今回は5つほど。
それを知ったからと言って「売上が上がる。」わけではないけど、人間活動において楽になる処方箋ではないかと思ったので紹介しておきます。
スリーセット理論
人は3回会えば、「相手はあなたのパーソナリティーを固定ししゃいますよ。」という理論です。
これね、ほんと腑に落ちますよね~
自分は自分のことを、自分自身で、ある程度イメージしていると思います。
例えば、「年齢は43歳、小さな会社やっていて従業員は10人ほど。趣味はゴルフ。日本酒が大好き。月に2回は温泉を楽しむ既婚男性。性格は明るいらしい。中肉中背。」みたいな。
ところが、他人から見た場合、必ずしも、自分が持っているイメージと、他人が抱くイメージって変わるんですよね。
始めて会う人に、
「顔が怖い。」
「ちょっと加齢臭。」
「禿げている。」
そんな第一印象を抱かれたとします。
その後、3回目会っても印象が同じなら、あなたは『怖い顔の禿げたくさいおっさん。』というキャラクターに固定されてしまうわけです。
そうなると、4回目5回目会っても、相手の印象は変わらない。
いくら近づこうと思っても、どこかバリアを張られてしまう。
これぞスリーセット理論です。
恋愛のシーンとかでも使えるらしく、3回会って「いい感じ」でなければ、捨てるという選択ができるので、この理論はしっかり心得ておきたいところ。
ホーン効果
事業家なら「ハロー効果」は定番。
なので説明は省きます。
ホーン効果とは、その真逆の心理効果です。
「清潔感のない見た目」というだけで、「この人は貧乏、性格悪い、モテてない。」なんて勝手にイメージしていまいますよ。
その人全部を知っているわけじゃないけど、見えているネガティブな一部分だけに引きずられて、全体までも悪印象になってします。
それがホーン効果。
見た目に限らず人の行動面でも現えます。
例えば、遅刻ですね。
知り合って間もない人との約束に遅刻したら、そりゃ大変でしょう。
「時間にルーズな人間」というレッテルを貼られます。
たまたま遅刻したのかもしれないけど、それが致命傷で人格まるごとネガティブに解釈されてしまいます。
正常性バイアス
火災報知器がなったとき、まわりを見て、煙もないし「大丈夫だろう。」と思う心理。
これが、今回の災害などで被害を拡大させてしまった原因になったとも言われています。
地面が揺れて、隣の家の瓦が落ちているくらいなら「まあ、大丈夫か。」って思っちゃいますよね。
津波警報が出ていても、「なわけねーだろ。」みたいに思ってしまうのが、まさに正常性バイアス。
でも、仕方ないですよね。
うちの集合住宅も過去に何十回と火災報知器がなっていたことがありますが100%誤報でしたから。
そりゃそうなるわなって話。
でも、この正常性バイアスのことを知っているのと知らないのとでは、いざというときに、生死を分けることになるかもしれません。
快楽適応
「それにはそんな言葉があったのか!?」なんておもっちゃいます。
快楽に適応する。
つまり、最初は快楽だけど慣れてくると快楽を感じないどころか不安や不満を感じ始めるという、ある意味人間の本能のこと。
「年商1億目指すぞ!」と頑張った結果1億円を達成した。
その瞬間は快楽そのもの。
でも、それが続くと、1億が少なく感じたり、物足りなさや、「このままではいけないんじゃないか。」なんかの不安を感じ始めるわけです。
「資産30億もある。」なんて人が、いまだに一生懸命集金しようと頑張っているのは、おそらく快楽適応で、不安に苛まれてせっせと集金活動に勤しんでいるように感じますね。
まあ、そうじゃない人もいるけど。
大量コミュニケーション
これは心理学上の理論名はなさそうです。
この理論は、「たくさん話せば話すほど絆が強まる。(お互いの理解が深まる。)」という証明された理論。
「言わなくてもわかるだろう。」とか、寡黙が美徳とされている旧来の日本文化(ハイコンテクスト文化)を否定する、実証されている心理効果なので、ぜひ実践したいところ。
初めて会った者同士が数分会話したところで、せいぜい、お互いの40年分の数分しかわからないわけです。
たくさん対話をする。
つまり、自分の情報をどんどん与えるということは、関係性を築く上でかなり重要なことになります。
回数会えば、安心感を与え好感を持ってもらえそうですが(ザイオンス効果)、「実際中身はどんな人か?」ということは、まったく伝わらないので、そこはコミュニケーションの量がモノを言います。
もちろん、冒頭のスリーセット理論も組合併せて、「脈アリ」と思える場合に限り、どんどん会話量を増やせば、関係性もぐんと近づくんじゃないでしょうか。
たぶん、モテる男はそれを本能的にやってるんでしょう。
また、夫婦間のエラーなども大量の対話を軽視した結果でしょう。