ショップサーブでネット販売をやってます。
基本的に、メーカーから仕入れる(型番)商品を販売しているのですが、年々注文数は減少傾向です。
理由ははっきりしていて3つあります。
- 他店が同じものを安く売っている
- 類似品が多数出回っている
- SEOをさぼっている
3つ目の「SEOをさぼっている」については、単に努力不足ではあるのですが、20年以上SEOをやってきた身としては、はっきり言って「もうこりごり」というのが感想です。
なので、今後も通販サイトにおいてはSEOはやらないと決めています。
と言っても、基本的なことはやりますよ。
過度な、時間を要するSEOはやらないってことです。
誰も気づいていない需要のことを◯◯と言う
誰も気づいていないニーズ(需要)のことを「潜在需要【せんざいじゅよう】」と言います。
潜在とは「表面に出てきていない。」という意味です。
潜在需要をうまく見つけて製品化して、ビッグヒットを飛ばした事例で思い当たるのは1つ。
1994年発売の小林製薬の「熱さまシート」でしょう。
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個人的には小林製薬のネーミングって好きでよく参考にさせてもらってます。
子供が熱を出した。」というとき、1994年以前は、お母さんなりお父さんなりが、氷水にタオルを浸し、冷えたタオルを絞って子供のおでこに乗せたり氷枕を使うというのが定番でした。
でも、この看病テクニックは「熱が出た子供は寝た状態であることが前提」という欠陥がありました。
つまり、熱を出した子供がトイレに行く、あるいは、ちょっとお出かけする、と言うときに使えないのがタオル式であり氷枕式であり。
そこで、「おでこにくっつける冷却シートあれば便利じゃね?」という声が社内から出たのか、消費者から拾ったのかはわかりませんが、開発のきっかけとなったわけです。
当時、「おでこに貼る冷却シートが欲しい。」という消費者の声は、当然なかったわけです。
みんな、冷やしたタオル、氷枕が当たり前と思って、何も考えず条件反射的に使っていたんですね。
でも、「ペタッと貼れる冷却シートみたいなの、あれば欲しいですか?」と消費者に問いかけたところ「そういうの欲しかった!(ふだん考えてなかったけど)」という反応があったので製品開発をした、という感じでしょう。
その後、ライオンさんが、ぱくって「冷えぴた」という製品をリリースしました。
このネーミングも秀逸ですね。
このように、誰も気づいていないニーズ(需要)、つまり、潜在需要を見つけて製品を開発すれば、ライバルがいないわけですから、ビッグヒットになる可能性が非常に高くなります。
参考:https://www.kobayashi.co.jp/brand/netsusama/products/episode.html
(熱さまシート開発秘話)
潜在需要を見つけるには「人に聞く」が原則
誰も気づいていないニーズ、すなわち、潜在需要を見つけるのは人に聞くという方法と、自分で考えるという方法があります。
人と話すことが好きな人は人にあれこれ聞くと良いでしょう。
他人の思考は自分とは違いますから、例えば、あなたがふだん悩んでいることが他の人にとっては悩みでなかったり、逆に、他の人が悩んでいることが自分にとっては何の悩みでなかったりするからです。
自分が悩んでいなければ困っていないわけですから、解決しようとも思わないわけです。
でも、他人が悩んでいることを聞くと「解決策はないかしら?」と考えることができます。
企業であれば、あることに関心のあるモニターさんを集めて意見を聞きます。
企業が「主婦を集めて商品の意見を聞く」みたいな映像をテレビで見たことがある人もいると思います。
グループから意見を聞く方法や1対1でヒアリングするデプス・インタビュー(depth interview)という方法もあります。
いずれにせよ、潜在ニーズを見つけるためには、通常の思考とは切り替えて、「なぜこれはこうなのか?」「これが常識で正解なのか?」「こうしたほうが便利じゃね?」「ださいよな。おしゃれなタイプ欲しい人はいないか?」など、さまざまな視点で物事思考すると良いと思います。
潜在ニーズを見つけるには「自分の生活を見る」
一般人が、どこかの工場の潜在ニーズを見つけることができるわけもなく、関係のないお店や会社の潜在ニーズを見つけることはできません。
それよりも、自分の生活を冷静に見ると意外にニーズのタネが見つかるかも知れません。
そういうことを一生懸命やっているのが「ザ・主婦」でしょう。
主婦のアイデアからヒット商品になったものってたくさんあります。
おそらく一番有名なのはこれじゃないですかね。
料理をしない人にはわからないと思いますが、料理をする主婦の悩みを一気に解決してしまったアイデア商品です。
『6000万円以上のロイヤリティーをもたらした』そうです。
主婦が開発したアイデア商品、特許商品でかなりあるんですが、あまり話題にならないので知られていないんです。
当社でも、主婦が特許をとった製品を販売したことがあったんですが、ま~~~~~~全然売れない(T_T)というオチでした。
特許を取ったから売れるって話ではないんですよね。
メーカーが特許をもとに製品を作り、しっかりマーケティング、プロモーションをしないと、なかなか売れないんです。
話はそれましたが、普段、自分が日常生活を送る中で、「不便」「不快」「手間」「面倒くさい」「だるい」「ださい」と感じるポイントを見つけると良いかと思います。
ネット販売で潜在ニーズを見つける方法
長年ネット販売をしていますが、お客さんと直接話すことは非常に少ないです。
だから、メールやアンケートなどで、お客さんから忌憚のない意見をもらいます。
何百通だろうが、何全通だろうが全部目を通します。
99%は、ふつーの意見ばかりで、製品開発のアイデアになりそうな声はないです。
でも、1%くらいはあるんですよね。
「この部分が困ります。」
「こうなるとありがたい(便利だ。)」など。
それをもとに、テスト商品を作って売り出してみます。
すると売れる場合もあれば、売れない場合もあります。
個人的に「今」オススメなのは電話です。
世の中すべてデジタル化に向かっている今こそ逆張りのアナログです。
特に、ターゲットの年齢層の高い顧客層を持っている企業は、電話を活用すると、潜在ニーズがかなり見つけやすいと思います。
ま、「お客さんをおしゃべりする」というのを、ふつーにできる人でないと難しいとは思いますが。
潜在ニーズを見つけちょっと儲かった話
屋外で使う家電製品を販売していたことがあります。
屋外で使うものなので防水仕様でした。
でも、完全じゃなかったんです。
メーカーも完全防水ではないので「濡れすぎると壊れるよ。」というのを謳っていました。
わりと高額な製品なので、ユーザーさんとして長く使いたいわけです。
でも、「濡れすぎると壊れる。」という部分に不安を感じ「より防水効果の高まるケースがあればありがたい。」って声がいくつかありました。
あと、「海の近くなのでサビると困るのでケースが欲しい。」という声もありました。
そこで、専用のケースを作ってみたところバカ売れ!
とまでは行かないまでも、コンスタントに売れるちょいヒット商品になりました。
例えるなら、スマホケースみたいな感じですね。
ケースなしのiPhoneでスマホ機能を使えるけど「落としたら壊れる。(いやだ)」というユーザーの心配を製品化したのがスマホケースでしょう。
スマホが出始めたころは、「スマホを保護したい。」というのは潜在ニーズだったと思います。
今は、「顕在」ニーズですね。
一発当てるにはオリジナル商品しかない!
先にふれたように「メーカー型番商品を仕入れて売る」という従来型のネット販売は、もはや限界です。
これからネット販売を始める人も、オリジナル商品を念頭にビジネスを進めていくと良いと思います。
「いきなりオリジナル商品なんて私には無理!」って思うかもしれません。
それは、単なる思い込みですね。
メルカリやクリーマを見れば、主婦がハンドメイドの商品を売っているじゃないですか。
立派なオリジナル商品ですよね。
オリジナル商品の作り方にも書いているように、作り方はいろいろあります。
いきなり、「試作メーカーにサンプルを作ってもらって中国の工場に発注してコンテナ1本輸入する。」とかは、素人には難しいです。
でも、もっとレベルを落としたオリジナル商品の作り方もいろいろあるので調べてみてはいかがでしょうか。