実家を離れて首都圏などに住んでいて、地方に土地や建物を持っていたり、今後相続する可能性がある人に降りかかる不動産活用問題。
ハウスメーカーは自社の利益のためだけに「アパートやマンションを建てましょう。老後の資金になりますよ。」などと言います。
でも、少子高齢化の地方でアパート経営が成り立たないのは、ド素人でもわかりますからね。
じゃ、どうすればいいのか。
そこを、アドバイスして、最適な回答を出すのが土地活用プランナー。(公益社団法人 東京共同住宅協会 認定資格)
これ、実に面白そうです。
宅建
不動産系で有名な資格は宅建ですね。
宅建は一言で言うと、「不動産をビジネスとして売買するために必要な資格」という感じです。
許可なしでは「商売」として「お酒」が販売できないように、「不動産」も「商売」としてやるなら「資格が必要」ということです。
要は不動産売買に関する専門家ですね。
宅建合格に必要な知識は4つ。
1.権利関係
2.宅建業法
3.法令上の制限
4.税金その他
法律関係が多い印象ですね。
コンサルタントに近い土地活用プランナー
一方、土地活用プランナーに要求される知識は、幅広く6つのジャンル。
1.マーケティング
2.プランニング
3.事業収支計画
4.権利調整
5.法務
6.税務
たまたまマーケティングが1番目にきているのかもしれませんが、この中でも特に重要なスキルですね。
逆を言うと、他が完璧でもマーケティングが弱いと、どうしようもない。
リアルにわかる人口減データ
地方の市区町村のホームページを見ると、人口推移のデータが公開されています。
グラフ化しているケースは少ないですが、エクセルデータなので自分でグラフを作ることができます。
こんな感じですね。東日本のとある町の人口推移をグラフにしてみました。過去三年分ぐらい。
瞬間的に増えていることもあるようですが、全体としては、見事なまでの右肩下がりですね。
そして、今後、団塊世代がさらに高齢化するとグラフはさらに急降下しそうです。
「少子高齢化」なんて言葉はよく聞きますが、このようにグラフにしてしまうと実態がよくわかります。
あなたの出身地は大丈夫でしょうか。
地方に行けばもっとわかる
そして、その実態がよくわかるのが現場です。
毎年1回なり2回なり地方に行くと、年々衰退しているのが目に見えてわかります。
シャッターが下りたままの商店や空き家がどんどん増えています。
人口2万を切るような市町村なんて、「みなさん何をして生きてるの?仕事あるの?(年金生活者以外)」て思っちゃうほどです。
スポット的には「ゴーストタウンか?」と感じるような場所もちらほら。
持っているだけで負動産
不動産は持っているだけで税金を取られます。ご存知、固定資産税です。
まあ、地方の場合何百坪って広い土地でも、年間4、5000円ってことも多いので、大したことはないですが。
ただ、空き家を放置していると、犯罪の温床になったり、台風で屋根が飛んで隣家に損害を与えたりする可能性もあります。
実際、空き家のお隣さんから「瓦が落ちてきそうで危険だ。なんとかしてくれ。」なんて苦情を受ける人もいます。
持ってるだけで「責任」ももれなくついてきます。
人口3万人以下の街の土地は売り逃げ!?
個人的な結論としては、人口3万人を切るような街の土地は、二束三文でも売り逃げが正解かなって思います。
「寄付する」と言っても自治体も、もらってくれませんからね。
今の流れだと人も減るし土地の値段も下がりますから、業績がどんどん悪くなって、上向く可能性のない企業の株を持っているようなものです。
しかも、逆配当で固定資産税を払いながら。
こんなアホな投資はないですよね。
傷が浅いうちに、損をしてでも売却するのが、株式売買ではおなじみの「損切り」。
だから、土地を売って儲けようとか、少しでも利益を出そうなんて考えない方がいいですね。
人生の損切りですから。
そんなつもりなのかどうかはわかりませんが「家いちば」なんかでは、「土地や家差し上げます。」なんてたくさん出てます。
でも、「先祖代々守ってきた土地」とか「思い出の詰まった実家」など、感情的な部分が邪魔をして、なかなか思い切れないわけで。
そこを土地活用プランナーとして、所有者も納得するようなベターな着地点に持っていけるなら、地方は宝の山かもしれません。
都会もおもしろいかも
都市圏の一部を除いて、ほとんどの地区町村は衰退してるのはご存知の通り。
でも、今後10年くらいは活気がなくなることがなさそうな都市などは、いろいろな活用ができそうですよね。
人口10万人以上いれば、とりあえず、いろいろな産業は稼働してそうな印象です。
アパートなり民泊なり。コインランドリーやらコインパーキングやら、コメダ珈琲などのFCやら。コンビニはもうだめですかね。
マーケティングや収支計画など楽しめそうです。
税金や法律も深く掘り下げるとおもしろいですけどね。
ただ、都会はライバルが多そうなので、始めるなら、レッドオーシャンになる前に始めたいところですね。