「お店を始めたい。」って人の相談。
いろいろ聞いていると「そんなに良い商品なら、お店持つのもいいですけど通販もやったらいいじゃないすか。」と答えました。
すると、その回答に衝撃。
「顔の見えない人には売りたくないんです。」
ニュアンス的には、「対面でお客さんと会話しながら売りたい。」ということです。
50代くらいの女性でしたが、そういう人もまだいる世の中です。
Eストアーのパンフレット
当社がShopifyと並行して利用している通販システム老舗のEストアー(ショップサーブ)。
今は配布やっていないんですが、長らく、資料を請求した人に「紙のパンフレットを送付する」というサービスを行っていました。
今でこそ、ネット系企業の資料請求と言えばPDFですし、当時も紙媒体の資料を送るような企業は、ほぼなくなっている状況でした。
ペーパレス社会ですからね。
にも関わらず、パンフレットてんこ盛りの分厚い封筒を送ってきたんですね。
しかも、パンフレットは、家庭要インクジェットプリンターやレーザープリンタで印刷したようなインスタントなものではなくて、イラストレーターでデータを作って印刷屋に入稿して作るガチ・パンフレットでした。
上記の写真は、当時、すでに利用しているにもかかわらず、ブログ用にわざわざ取り寄せたものです。(当時はすみませんでした。)
でも、受け取ったときの重みと言い、「資料請求したなぁ」感がありました。
PDFの資料などは、そういった物理的な重みを感じない分、資料請求した感もないですね。
圧巻の成功事例10連発
システムの説明やサービスの概要などがまとめられた冊子とは別に、しっかり取材された成功店舗の事例10件を掲載した冊子も同梱されていました。
資料請求時点(2010年くらいでしょうか。)での成功店舗は次の通り。
- ハッピーターンで有名な「亀田製菓」
- 靴専門店の「JERRY BEANS」
- おしゃれ家具屋の「BICASA」
- 和菓子の「夢のまた夢」
- 酒屋の「LIQUORS HASEGAWA」
- 北欧雑貨の「Fukuya」
- ワイン専門店の「マンズワイン」
- パトライト専門店の「電材ランド」
- スポーツウェア専門店の「ササクラスポーツ」
- オリーブオイル専門店の「ヴォーノイタリア」
2010年当時の情報なので、現在は、例えば亀田製菓さんなどは別のシステムに移行していますし、「夢のまた夢」さんなどは廃業されています。
パンフレット内で店主やオーナー、あるいは社長などの顔写真付きで、「どのように通販システムを活用しているか。」といったことに回答していました。
見やすさ
機能説明のパンフレットです。
ウェブサイトに書いてあることと、全く同じ内容を印刷しただけ。
でも、ウェブサイトと違うのは「発光(画面)していない。」という点と、「一度に視界に入ってくる面積が違う」という点。
ネットでニュースを見るのと新聞を見る時の違いと同じですね。
紙媒体は、何時間見たところで目が疲れるわけでもなく、ページの行き来も、むしろネットより早くできます。
そういう部分も紙媒体の強みではないでしょうかね。
現場からのリアルレポート
冊子型のパンフレットとは別に「新聞形式」の、利用ユーザー店舗のシステム活用例をもっと掘り下げたレポートなどもついていました。
感想だけにとどまらず、ネットショップ運営上に役立つノウハウなどが紹介されていました。
例えば、ネットショップ経験なしで2009年に開店したバッグ専門店の店長さんの言葉。
「ネットショップではお客様とは会わない(対面しない)。だからこそ、リアル店舗以上に”温かみ”を入れたいし、入れられる。」
これ、通販遣っている人は「うんうん。」ってなります。
ほとんどのネットショップって、温かみどころか、人間の存在が感じられません。
Amazonなどは完全に自販機ロボットです。
客もAmazonに「人間的な温かみ」など求めていないので、やり方としては正解だと思います。
でも、何らかの「想い」があって遣っている場合は、デジタルで無機質なネットショップであっても温かみを吹き込むことってできるんですよね。
そういった工夫や取り組みなどが書かれていました。
そういう話は、もはやネット検索でも出て来ないのでかなり貴重だと思います。
置いておけばよかった。(捨ててしまった・・・)
アナログ人間を取り込め
とある20代の知人女性。
スマホ全盛の20代の女性ですよ。
彼女はクレジットカードも持たず、完全に現金派です。
そして紙の手帳を持ってスケジュール管理。
平成生まれなのに、まるで昭和世代のようなアナログ系です。
どちらかというとスマホもパソコンも苦手寄り。
一応、パソコンとプリンターを使って印刷できるくらいのスキルはある。
そういったアナログ系の人は、若い人は若干少なめですが、今の40代50代なんて、バリバリアナログ紙世代です。
そういった人に「資料請求はPDFで」とやれば、それくらいは読めます。
でも、紙を送ってあげると「いやぁ~わかってるよね~」ってなるんです。
同じ内容のPDFと紙なら、紙のほうが、よく読んでくれます。
そして、ここが大切なポイントですが信頼感を持ってくれるんです。
同じ内容なのに。
ネット販売立ち上げの頃は、店舗がないのはわかるけど「実在する会社のか?」なんて、消費者によく心配されました。
そういった部分で「紙」があると「実在感」を感じられるのでしょうか。
資料を送った企業に対して安心感や信頼感を持ってくる点は、紙媒体の効力だと言えます。
なので、ターゲット層が幅広くアナログ系の人の割合も一定数いそうなら、ぜひ紙媒体を使って頂きたい。
コストはかかりますが、間違いなく顧客獲得に一役買いますよ。
イラストレーターはいらない
紙媒体を作る場合「かっこよさ」「おしゃれさ」などをウリにしている場合は、イラストレーターを使ってちゃんとしたデータを印刷屋に入稿して作るのがオススメです。
でも、情報を伝えることが一番の目的の場合は、極端な話コンビニコピーでも十分です。
手にとることができる紙であることが重要なんです。
また、カラーで作りたいって場合は、誰でも安く簡単に使えるマイクロソフトのワードでも全然OK。
個人的にいつも使っているのはブラウザベースのアプリcanvaです。
文章作成もイラスト作成も、写真加工なども、簡単なことであればほぼ網羅されています。
イラストレーターなどは一時使っていましたが、しばらく使わないと「使い方」を忘れるんですよね。
その点canvaは、覚えなくても、どの機能も直感的に使えるので重宝しています。
その他、Openofficeを始め、iPhoneなどスマホだけでも、チラシや冊子作成のためのアプリなんかもあるので、使い勝手の良いものを探してみてください。