卸販売のやり方は?基本のキホンと注意点

卸販売のやり方は?

卸販売と言えど、小売りと同じく「販売業」には変わりない。

でも、ちょっとだけ事情が違うので、「何から始めたらよいのか?」「何を用意すればよいのか。」などわからないことだらけかもしれません。

小売りと並行して卸販売もしているtの、参考になるであろうことをまとめておきました。

最初に決めるのは4つ

卸販売は、一般のお客さんに販売するのとは若干違います。

卸販売するにおいて4つのことを決める必要があります。

(1)掛け率
(2)ミニマム
(3)支払い方法
(4)送料

掛け率

自社が儲けたいがために、仕入れにくい掛け率を提示するとなかなか取引先が見つかりませんので、小売価格に対して妥当な掛け率を設定します。

もちろん、原価に利益を乗せる必要はあります。

ミニマム

一度に販売する最小金額です。1点から販売して十分ビジネスが成り立つのであれば結構ですが、1回の取引で最低限欲しい利益を計算して、発注用の最小ロットを設定します。

当社の場合、1回の取引で最低限3,000円の純粋な利益は確保したいので、卸ベースでは上代3万円をミニマムにしています。
(小売価格3万円、卸18,000円、利益3,000円)という計算です。

ただ、現実問題、小物などで18,000円まで行かない場合は、実費送料を頂くようにしています。

支払い方法

卸販売をする側としては、「どのような支払い方法を用意するのか?」は重要な問題です。

掛売り(後払い)にした場合は、未払いのリスクがあります。

かと言って、都度振込のような方式にしてしまうと販売店の負担も増えます。

業界事情をふまえて、都度振り込みにするのか掛け売りにするのかを決めると良いよ思います。

業界によっては、飛んでしまう(ばっくれる)業者が多いような場合は、現金主義を貫くのが良いでしょう。

例えば、飲食業界などは飛んでしまうお店は珍しくないので、酒屋さんや八百屋さんは都度払いにしていることが多いです。

送料

販売店に商品を送るのか、顧客直送にするのかで事情は様々だとは思います。

卸売の場合、相手は一般消費者じゃないので、「送料無料」などは、さほど木にする必要はないでしょう。

当社の業界では、発注金額3万円以上で元払い(送料無料)にするのが一般的です。

運送会社との運賃の契約体系もあるので、あまり損を出すような送料設定は避けたほうが良いでしょう。

取引先販売店を見つける

販売店が見つかっていない場合は、なかなかの大仕事になります。

そう簡単に販売店は見つかるものではないですから。

販売店を見つける方法はいくつかありますが、オーソドックスな方法を3つほど紹介しておきます。

小売店を人海戦術で探す

ネット検索をしてひたすら探す泥臭い仕事です。

ウェブサイトがあれば、できるだけ問い合わせフォームからメールを送信します。

時間はかかりますが費用が掛からないのがメリットです。

メルアドだけを入手して、ダイレクトメールを送ってしまうと迷惑扱いとされて、以後一切アプローチできなくなる可能性があるので注意が必要です。

業界紙に広告を出す

小売店が読んでいるような業界紙があれば、そこに広告を出すことで新規取引先を見つけることも可能になります。

展示会に出展する

ポテンシャルの高い商品なら、各種展示会に出展するのは非常に効果的です。

若干費用が掛かりますが、ペイできる可能性は高いと言えます。

展示会と言えば「東京インターナショナルギフトショー」でもお馴染みの リード エグジビション・ジャパン株式会社 でしょう。

宝飾や教育、ファッションや雑貨から人工知能(AI)や建築、医療やバイオに至るまで、毎月のように展示会を開催しています。集客力もあり、新規の取引先を見つけるには良い手段です。

ウェブ卸に登録する

スーパーデリバリーなどBtoBに特化したWEB卸のサイトの有料会員になる方法です。食品ならインフォーマートなどがあります。

いずれも、登録したからと言って、すぐさま販売店が見つかるわけではないです。「商品を探している人」がいて初めて見つけてもらう可能性があるだけです。

だから、新商品で名もないモノを販売するのには、まったく適していないです。

ウェブ卸にはNet**aというサイトもありますが、これは正直やめておいたほうが良いでしょう。まともな販売店はいません。断言します。と言いたいくらい(笑)

事務で準備すること

事務的な話ですが、小売りは「商品を手渡しで代金を頂く」というシンプルな取引形態ですが、卸販売の場合は簡易でも契約書を取り交わします。

簡易契約書

例えば、「支払いが頻繁遅れる小売店」とか「商品を以上な安さで販売して商品のイメージを著しく毀損させている小売店」など。

付き合いたくない販売店が出てきたときに、契約書を交わしておけば、一方的に取引を停止することができるからです。

※参考:卸販売の簡易契約書テンプレート

ウェブサイト

必ずしも必要ではないですが、「ウェブからも新規取引先を見つけたい。」という場合は用意しておいて損はありません。

こちらが手動で取引先を探しても限界がありますし、展示会に出展しても、タイミングよく取引先が見つかるとも限りません。

ウェブサイトなはゼロ円で持てるわけですから、販促ツールのつもりで作っておくと良いです。

SNS

インスタやフェイスブック、ツイッターなどのSNSで情報を発信するのも、今では定番となっています。

卸販売のアカウントを作って、おすすめ商品、特価商品など、定期的に情報を発信すると、さらに仕入れ先が見つかりやすくなります。

小売店と一緒になって盛り上げる

取引先が見つかった。商品を買ってくれた。

あとは、どんどん買ってくれ。

それだけでやっていけたら苦労はしないです。

卸業としても、小売り店や一般消費者の目線をしっかり研究しながら、お互いにメリットになるような情報交換を心掛けます。

当社の取引先のメーカーや卸の中には、ただ「注文を受けるだけ。」の完全受け身の企業があります。

「新商品でしょ?ただ新商品です。って写真と価格だけ渡されてもね~・・・・ なんかないの?アピールポイントとか。 開発ストーリーとか。」なんて、思うこともしばしば。

小売りでも同じですが、「お客様を名実ともに、いかに大事にするか。」というのが、卸販売としても、ビジネスをやっていくうえで大事なことだと思います。

飛びやすい会社もあるので注意

卸販売において「掛売り」をする場合、1つ注意点があります。

掛売りとは、実質後払いです。

例えば、「2月の納品分をまとめて3月末に支払う。(末締め末払い)」というものです。

2月の納品分は3月末に払うわけですが、「2月下旬に納品された分を、4月請求にしてもらえませんか?」みたいな依頼がくるわけです。

ということは、先方は支払いが2ヶ月猶予されることになります。

これは怪しい。

2ヶ月の間に仕入れた商品を現金化してオフィスを解約してドロン。

実際にあった話ですけど、会社などが賃貸で借りている場合も飛びやすいですね。

自己所有の土地、自分の建物である場合は、なかなか飛びにくいのですが、賃貸だと簡単に出ていけますからね。

今は卸売でもクレジットカードが使えるのが当たり前になってきているので、掛売りはできるだけ即時決済(カード、銀行前払い、代引き)にすることをおすすめします。

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。