なかなか売れない死に筋商品が大量にある。
ヤフオクで処分しようにも 多すぎる。
なんとか早く捌きたい。
そんな時に、思いつくのがノベルティー(おまけ)としてお客様にプレゼントする方法。
誰も欲しくもない商品だと、もらったお客さんも迷惑ですが、一応製品としての価値を持って世の中にリリースされたわけなので、それなりに使えたりします。
もちろん、売れ残りなので魅力はそれなりかもしれません。
でも、心苦しく廃棄するよりは気持ちも楽です。
仕訳方法
さて、仕訳です。
まずは、このオマケをどういう位置づけ、つまり、目的を何にするかを考える必要があります。
例えば、「オマケをもらえた」ということで、お客様のお店に対するロイヤリティー(お店に対する親近感や忠誠心)を高め、リピートを促進する」という目的があれば、販促目的の宣伝広告費という科目で仕訳することになります。
というか、これで処理すれば楽です。
「謝礼」という扱いにすると、交際費だの課税、非課税など、会計のややこしいところに入っていきそうなので宣伝広告費が断然オススメです。
仕入高 50,000 | 現金 50,000
↓
宣伝広告費 5,000|仕入高 5,000
仕入れた商品を広告宣伝費に使ったという解釈です。
仕入れの原価分を貨幣の価値ではなく商品という価値で出してやったイメージです。
ちょっと話はそれますが、仕入れはあくまで「販売のため」なので、社員が自社商品を購入した場合も仕入れから相殺します。
10,000円の商品を仕入金額(例えば6,000円)で購入した場合など。
会社としては、仕入れの6,000円分はなかったことにするのですが、社員は30%を超える割引率で商品を購入したことになります。40%引きですね。
正確には、社員割には30%という規定があります。だから、オーバーした10%分は、現物支給(モノによる給与)にあたって、1000円分年収が増えることになります。
ま、この辺の話はかなり専門的になるので、あまり首を突っ込まないほうがよいですね。
もともとオマケ用の仕訳
なお、もともとお客様に「オマケ」をプレゼントする目的で、何らかの商品を買った場合は、買った時点で広告宣伝費として仕訳けます。
宣伝広告費 5,000 | 現金 5,000
この程度の金額のノベルティーの場合は、シンプルで何の問題もないのですが、もしこれがビール券(最近見たことないけど)などの商品券、しかも高額な場合は、話はちょっと変わってきます。
例えば、商品券キャッシュバックみたいなキャンペーンを打つとします。
商品券を金券ショップで100万円分買ってきた。
宣伝広告費 1,000,000 | 現金 1,000,000
仕訳はこれで正しいです。 金券を広告費として購入したら、その金額分、一気に経費として計上できます。でも、経費として計上できるための条件をクリアしなければいけません。
それは、「その会計年度に全部使い果たす。」ということです。
考えてみれば、当然ですよね。
「利益が1000万円だ!税金が大変だ!金券900万円分経費で買おう!かなり節税できるぞ!」と。
いやいや、それが通ったら税金払う企業はなくなりますよね。
金券の仕訳
もし、会計年度ないに使い切ることが出来ない場合は、金券でも「在庫」として仕分ける必要があります。その時の科目は「貯蔵品」です。
貯蔵品 1,000,000 | 現金 1,000,000
貯蔵品は販管費ではなく資産です。だから、この仕訳をしたときには経費は発生せず、利益を減らすこともできません。
そして、その年度、金券を配ったのは50万円分だった。
宣伝広告費 500,000 | 貯蔵品 500,000
このような仕訳です。
「確かに、現金100万円分が出て行ったけど、経費として使ったのは半分の50万円。残りは会社の資産として残っている。」ということになります。
いや~簿記はおもしろいですね!
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ポイントをプレゼントした仕訳が意外!
ECサイト運営では、よくポイント5倍や10倍といったポイントプレゼントをすることがあります。
例えば、「1000ポイントプレゼントした。」という場合、一見、1000円分が出ていったような印象を受けますが、実際は「お客さんは使っていない。」状態なので費用は発生していません。
なので、1万円の商品を買ったお客さんに1000ポイントをプレゼントしても、仕訳には載せません。
ちょっと意外でしょ?
売掛金 10,000円 | 売上高 10,000円
次回お客さんが1000ポイント利用したときに割引販売の仕訳をすることになります。
売上時
売掛金 10,000円 | 売上高 10,000円
割引時
売上高 1,000円 | 売掛金 1,000円
これは返品などのときの「売上戻り」でも代用できますね。
割引時
売上戻り 1,000円 | 売掛金 1,000円
初回の売上の一部を取り消すイメージですね。