「小学生でもできる販売戦術のひとつが値下げですが、できれば、こんなアホなやり方は使いたくない。」そんな店主も多いですね。
値下げして「注文数が増えてちょっとうれしくなる」というのもつかの間、結果的には「利益率は下がり」「低俗でリテラシーの低い客が集まり」「クレーマー発生率が高まり」と、結果的にデメリットのほうが大きくなってしまうものです。
というのがこれまでの定番だったと思うのですが、あえて期間限定で値下げをやってみました。
その結果、別に何もかわらない・・・
値下げしたからと言って急激に注文数や売上が増えることはなかったんです・・・
もちろん、値下げ幅や販売のタイミングにもよるとは思いますが、十分魅力的だと思える割引価格で売り出してみたのですが、反応が非常に悪いんですよね。「ユーザーはそこを求めていない」ということでしょうか。
値下げで売れるモノって、そもそも価値がある程度認知されているものですよね。「たまご1パック10円!」一瞬にして「安い!」と感じますよね。高級ブランドが年に1回だけ割引セールをやればお客さんが殺到するでしょう。
でも、世間的にあまり認知されていないような商品を、「値下げしました!」と言ったところで、消費者は、もともとの値段や価値がわからないので、あまり響かないのではないかと思います。
「象印の食器乾燥機が今なら20%オフの13,440円!」と言われても、これを安いを感じる人は「食器乾燥機を買おうとリサーチを重ね、この商品がどこのお店でも16,800円以上で販売されているモノである」ということを知っている人だけですよね。
「ウクイラナ製高級スーツが90%オフの1万円ポッキリ」
誰が安いって思うんですか・・・ってな感じです。
このように、値段や価値が認知されていない商品を販売している人は、残念ながら「値下げ戦略」はやるだけ無駄ではないでしょうか。特に、商品をまだ買っていない人には。
じゃ、どんな戦略が良いのか?
ひとつは、「価格ではなくベネフィットやカスタマー・エクスペリエンスにフォーカスする」。ベネフィットとは、その商品を買って使って得られる体験のこと。カスタマー・エクスペリエンスは、商品そのものや金額ではなく、購入から利用、そしてお店からのサポートなどを含めた顧客が感じる全体的価値です。
「このドリルを使えば、こんな感動的な、ツルツルすべすべの穴が開けられるんです!」
「すご~いヽ(^。^)ノ」
「もし、穴あけでお困りのことがあれば、全国どこでも24時間サービスマンが直行致します。」
「ちょ~すご~いヽ(^。^)ノ」
そう思わせれば、値段チェックは2番めになります。そこで、「こんなに感動的な穴がわずか2万円!?」と感じるのか「いやぁ~確かに感動的な穴だけど2万円はちょっと高いな。」と感じるのか。どちらの割合が多いか少ないかという問題ですね。
モノを売るのは難しい・・・