「個人事業主+法人」という組み合わせのスタイルに興味のある人が思いのほか多いので記事にしました。
無駄な生活コストを押さえたライフ・スタイルが実現しやすくなるのではないかと思います。
もちろん、全部合法的なやり方です。
活用するなり、しないなり、好きにしてください。(^^)
その前に
世の中いろいろなビジネスや働き方があって、人それぞれ価値観が違うので「何が一番良い。」とは一概には言えません。
「一生公務員」に価値を感じる人もいれば、「一生フリーターで良い」と思っている人もいます。
何を選んでも良し悪しはないでしょう。
その人の価値観ですから他人が、とやかく言う権利はありませんしね。
そのような多種多様な価値観のなかで、今回の記事の元になっている価値観は次のようなものです。
- 自由に働き多くの収入を得たい。
- しかし、無駄な出費は極力減らしたい。
- 特に社会保険(健康保険と年金)などは極力減らしたい。
- 税金も少なくし手取り収入(可処分所得)を最大限にしたい。
- 日本の年金システムや健保の制度に疑問があり払いたくない。
- 要するに、豊かなライフスタイルを実現したい!
このような考えに共感する人だけに向けたもので、そう思っていない人には、あまり価値のない情報になると思います。
また、正義感の強すぎる人(まじめすぎる人)にとっては、じゃっかん「邪道」といった印象を持つかもしれません。
なお、想定するのは年収1000万レベルくらいまでの話です。
サラリーマンで言う総支給1000万円ではなくて、「自由に使えるお金(可処分所得)が1000万円くらいのレベルまで。」という意味です。(分かる人にはわかるけど、わからない人にはわからに表現です。ごめんなさい。)
もちろん、3000万5000万レベルでも使えるテクニックでもあります。
4つの税金を理解しているか?
具体的な話に入る前に、基本的な知識のおさらいから入りましょう。
正社員だろうがアルバイトだろうが、会社の社長だろうが、あるいは、不動産や株の収入だけの人だろうが、必ず払う、いや、国に吸い取られる主な税金は4種類あります。
個人事業主や法人経営者が、これらの税を理解していない場合は、「マネーリテラシーが低い」かもしれないので、この機会に学んでみてはいかがでしょうか。
1.所得税
2.住民税
3.健康保険料
4.年金保険料
3と4は「保険料」と、名前こそ違いますが、役割や性格としては税金とまったく同じと考えます。
wikiによると、租税(税金のこと)とは「国や地方公共団体が、法令の定めに基づいて国民や企業等の主体に負担を強制する金銭 」です。
保険料も「負担を強制する金銭」ですよね。
税金といっしょ!
そして、これら「4税」は金額が思いのほかデカい!
というか、収入に対して負担することになる割合が大きいと感じる人も多いでしょう。
「所得税」ばかりが注目されがちですが、住民税や健康保険は、人によっては所得税以上に凶悪な負担となります。
それらをできるだけ小さくするためのヒントが今回の記事です。
これらの4税以外に、雇用保険や復興特別所得税など、いくつかありますが、割合が小さいので今回は無視します。
個人事業主「だけ」で儲けたら悲惨なことに
例えば、1年間頑張って「1000万円の利益が出た(経費とか引いた後)。」という場合。
独身だとすると、(1)所得税と(2)住民税を合わせてると300万円ほどの支払い義務が生じます。
そして、手元に残るのは700万円。
ここで「700万円ありゃ十分じゃん?」って思うのはちょっと早い。
ここからさらに、(3)国民年金と(4)国民健康保険の支払い義務も発生します。
国民年金は一律なので年額約20万円。(※令和2年4月~令和3年3月までは月額16,540円。それ以降必ず上がる、、はず)
健康保険は凶悪で年額82万円。(月額約7万円)
結果、手取り(可処分所得)は約600万円になります。
汗水たらして必死で働いて1000万円の現金をゲットしたのに、結果的に400万円は、無駄に使わる税金としてもっていかれる!
ありえないですよね。
血税を使って、誰も付けないようなマスクを作ったり、赤字を垂れ流す箱ものを作ったり。
税金が無駄に使われている例は、嫌と言うほど見ていると思います。
桁違いに稼いでいる人たちは「税金は国民の義務だから払って当然」って、ごもっともなことが言えるんですよね。
年収で言えば1億とか10億とか。
そのレベルになれば、たとえ半分持っていかれても日常生活を送るうえで困らないどころか十分裕福ですからね。
でも、それが500万、1000万クラスだと10万円20万円の出費でも痛いし、できるなら節約したい。
庶民の感覚です。
※細かい計算は、苦手な人もいると思うので省いています。「所得税シミュレーション」や「健康保険シミュレーション」などと検索すれば、自動で計算してくれるフォームが見つかります。
自分の法人を作っていれば・・・
これが個人事業主「だけ」ではなく、法人も持っていればどうなったか?
例えば、年間利益の500万円を法人で活動して得たものとして記録します。(急にやっても不自然になるので、普段のシステムとして確立しておくことが必要)
個人利益:500万円
法人利益:500万円
法人では、役員として登録していて、役員報酬(社長の給料のこと)を毎月定額でもらうことができます。
例えば、役員報酬月額6万円としましょう。
利益から72万円(5×12ヶ月)を引いて、法人の利益は428万円。
そして、個人の所得が「572万円」になったのがわかりますか?
足すと1000万円。
ところが、同じ1000万円でも、「個人事業主だけ」と「個人+法人」ではトンデモない差が出てしまいます。
自分の法人で社会保険に入る
さて、自分で設立した法人で役員報酬を毎月6万円出すことにした。
※役員報酬とは自分の会社から自分に払う給料のこと。「毎月定額でなければいけない。」とされている。
そして、個人で入る国民年金や健康保険ではなく、会社で入る厚生年金と健康保険に入った。
月額6万円の社会保険料は、月額約23000円(本人負担と本人法人負担の合算。ここでは割合や仕組みをわかっていない人はわからなくても良い。)。
年間で27万6000円です。
同じ所得1000万円でも、個人事業主だけだと年金+健康保険で負担額は102万円でしたから75%引きの大バーゲンです。
今回の記事のキモはここです。
自分の法人を作って、そこで社会保険に加入する。儲けるのは個人事業。
この組み合わせで、年収レベルにもよりますが、社会保険料は最低額におさえて、その分、豊かなお財布事情を実現することができます。
長期的視点で
ここまで読むと、「じゃ法人作って役員報酬をもらい、社会保険に入ればお得じゃん。早速やろう。」なんて思うかもしれません。
ちょっと待ってください。
法人の設立や維持には、それなりにお金がかかるのを忘れてはいけない・・・
法人の設立に約30万円(もっと安くできるけど)、赤字決算にして法人住民税の均等割り7万円(法人税は0円)、会計士に決算書作成を依頼して30万円(これも安くできるけど)。
実は、法人の運営は、営業の実態がなくてもお金がかかります。
この例だと、法人設立初年度だけで67万円です。
このコストをかけてまで「個人」+「法人」にするかどうかは、売り上げや利益、その他の要因のかねあいから、それぞれの判断にゆだねられます。
仕入れのないフリーランスなどは、利益率が非常に高いので、年間5~600万円でも利益がでそうなら法人を作ったほうが、節税や社会保険以外でも何かと都合が良いことが多いです。
「個人」+「法人」のハイブリッド型は短期的な対策と言うより、長期的に社会保険料のコストダウンや節税を考えた場合にのみ有効に働くと思います。
施設を利用しないのに高額な会費
健康保険などは、毎月いくら払おうが受けられる診療サービスと診療費は同じです。
ならば、多く払うのはバカバカしいですよね?
例えば、1万円の診療で負担額は3割の3000円。
毎月の健康保険料の金額に関係なく、医療サービスの質も医療費の割引率は同じです。
実は、自分で作った法人で健康保険に入ると、扶養の子供や奥さんの保険証も無料で持てます。
例えば、自分、奥さん、子ども2人といった4人の家族構成の場合、上記の「個人+法人スタイル」だと月額たったの6,000円程度で4枚の健康保険「会員証カード」が持てるのです。
同じ1000万でも「サラリーマン」だと月額約4万円(アバウト)と7倍近い開きになるんです。
また、個人事業主が入る国民健康保険料は所得金額や加入人数に応じて負担額も増えます。
健康保険料の上限は90万円くらいですから、個人事業で儲かってまともに申告すると、病院割引のために毎月額7、8万円の会費を払ってることになります。
個人事業や1人でやっている法人で、「そんなに儲かっていないけど、なぜか生活は豊か」。
そんな例が多いのは、この「社会保険料マジック」というカラクリがあるのも理由のひとつなのです。
不公平だけどオイシイ
個人でいくら稼いでも自分で持っている法人で社会保険に入っていたら、社会保険料は法人で払う分だけで良いのです。
極端な話、個人事業で稼ぐ額が1億円だろうが100億だろうが(保険料はMAXの87万円+年金19万円=約100万)、自分の法人をで社会保険に入っていれば年間27万円程度で済むんです。
おかしな話でしょ?(^^)
もちろん、所得税や住民税は「個人」で払わないと行けないので、稼げば稼ぐほど負担額も大きくなります。
なお、法人を2社3社と複数持って、それぞれ役員報酬を取っていたら、社会保険料は「合算」で計算されることになります。
例えば、2社持っていて、それぞれから月額10万円ずつもらっていたら、合算の20万円に対して社会保険料がかかってきます。
でも、個人+法人の場合は「法人のぶん」だけで良いのです。
ちなみに、この裏ワザ、税理士や会計士なら99.9%が知っていて実践している人も多いです。
表立って言わないのは、ちょっと不公平感のあるやり方なので、「先生」と呼ばれる職業の人が積極的に情報発信するのは「適切ではない。」と考えているのかもしれません。
あとは節税テクニックで
法人を作って社会保険に入る。
それだけで、稼げば稼ぐほど大きくなる保険料の負担を最小限に押さえることができます。
後は、所得税や住民税を少なくするよう、「いかに節税に取り組むか」って話になります。
節税については割愛しますが、個人と法人と持っているなら、当然経費の幅も広がりますから合法的に、「相当な」節税ができるのはご存知の通りです。
1つわかりやすい例を出せば、個人事業主だけだとスポーツジムの会費は「福利厚生費」にできません。
でも、「法人として通っている」ということにすれば「福利厚生費」として落とすことができます。
年間12万円のジム会費を払っている場合、個人事業主だけだと「個人の財布からの出費」ですが、法人で払えば「会社の財布からの出費」で個人の財布の中身は減りません。
あくまで1例ですが、節税に取り組む場合、「個人事業だからこそ」のメリット、「法人だからこそ」のメリットがあるので、それぞれしっかり把握した上で、うまく利用していくのがポイントになってきます。
豊かなハイブリッドスタイルを
先日、バツイチの友人が「ひとり親控除って今知ったわ。こんなのあったの知らなかったわ。めっちゃ損したわ。」って言っていました。
ひとり親控除とは、簡単に言えば、離婚して再婚してなければ税金が安くなるという仕組みです。
具体的には、確定申告で27万円の控除が受けられるのですが(所得500万円以下で扶養親族あり、なのどの条件あり)、彼はそのことは知らず毎年、寡婦控除は0円で確定申告をしていたのです。
でも、そんな場合でも、国からわざわざ、「あなた離婚していて再婚していないですよね?寡婦控除27万円の権利がありますよ。お忘れですか?修正申告して税金を取り戻しませんか?」なんて連絡は100%してくれることはありません。
知っているか知らないか。
それだけで、財布の中身が増えたり減ったり。
ひいては、人生そのものが貧しくなったり豊かになったり。
駆け足的に、具体的な計算や数字は省いて、概要だけを書いてみましたが、ご理解いただけましたか?(^^)
なお、今回はサクッと書いたので、もしかすると疑問に感じる部分もあったかもしれません。
厳密にはツッコミどころもイロイロあると思います。