100%無理です。
一見、お金が出て行くので経費だと思うかもしれませんが、冷静に考えてみると、ありえないことに気づきます。
もし、ローンや借入の「返済分」が経費になるのなら、1000万円の利益が出そうな年に、急いで銀行から1000万借りて、そのまま1000万返済したら利益ゼロ。100億円利益の出た企業は100億円借りて100億円返済して利益ゼロということになります。
そんな話が通るなら、黒字の企業はこの世から消えてしまいますし、所得税を払う人はいなくなります。Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
借りたお金を売り上げと考えるなら、それも間違いではなさそうですが、残念ながら、借入金は業績にとっての「売り上げ」ではなく、会計上の「負債」というところにカウントされます。
3000万円借りたら負債3000万。(×売上)
1000万返済したら、負債が2000万に減るだけです。(×経費)
売り上げの増減も経費の増減もなしです。ただし、借入金に対する利子は、借りたお金とは別で銀行に払う手数料なので経費になります。あくまで元本の返済分は、経費にはなりません。
「銀行からお金を借りる」ので、ややこしくなりますが、TレンタカーやNレンタカーで「レンタカーを借りる」と考えるとわかりやすいです。
レンタカーを借りても自分の所有物(売上)にはなりません。時間が来たら返さないといけないルールです。車両(元本)は返さないといけないわけです。でも、借りた手数料としてレンタル料金(利子)を請求されます。これは完全な出費なので経費です。
毎月の返済をレンタカーに当てはめると、車を借りたけど分割で返す約束です。今月はタイヤ1個を返して、翌月はハンドルです。次はエンジン、フロントガラス、ホイル、ヘッドライト1個、と小分けで返却して行って、最終的には手元に車は残らないということです。レンタカー会社としては、返ってきた部品は売上でも何でもないことは明らかです。
一方、賃貸マンションの場合は、家賃は按分(あんぶん)などをして経費にできます。「支払い先の売り上げになるものは経費」と言えそうです。
家賃は大家さんの売り上げになりますから立派な経費ですが、もともと銀行の持ち物である紙を借りて、それを返すだけですから、銀行は自分のモノが戻ってきたので、売上でもなんでもないわけですね。
※そういう人は確定申告の時に住宅ローン控除を使うと良いですよ。
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