「小さい飲食店を開業したい。」
おそらくネット検索したり本を読んだりすると思います。
教科書的に書くなら「コンセプトを決めましょう。」とか「食品衛生責任者」の講習を受けましょう。」など。
開業準備の項目を並べると10個も20個にもなります。
初めて開業なら、どれから始めたら良いか、どれくらい時間がかかったりお金がかかったりするのか、不安に思うことでしょう。
でも、安心してください。
このページを読めば、何が重要で何が重要でないかがわかり、小さな飲食店ならまず失敗することはありません。
10年ほど飲食事業を展開しており、またコンサルタントの視点も交えて「小さな飲食店開業で成功するためには?」について書いて見たいと思います。
死んでも最重要なのは○○!(※マスト!)
小さな飲食店だろうが大きな企業だろうが、ビジネスを行う上で一番重要なものは何でしょうか?
答えは「お客」。
お客がいなけりゃ、どんなおいしい料理を作ったところで売上はゼロです。
どんなに安い商品を売り出しても、お客が来なけりゃ売れません。
当たり前ですよね。
でも、小さな飲食店は数百万円もあれば開業できてしまうので、「内装をどうしよう。」とか「レジは何にしよう。」など、重要度の低いことに気を取られて「お客」の重要性を忘れてしまいがちです。
繰り返しますが、小さな飲食店を始める場合は「客」が重要です。
一に客、二に客、三に客。
頭の中に「客」という一文字を叩き込んで頂ければ、と思います。
コンサル現場では、「会計(簿記)の勉強は必要ですか?」とか「どうやってお金を借りるのですか?」「物件選びのコツは?」など素朴な疑問はたくさんあります。
確かに、それぞれコツやポイントなどはあります。
でも、「そんなことはどーでも良いこと。まずは「客」を押さえてください。」とアドバイスしています。
客なしで商売は成り立ちません。
その思考なしで飲食店を開業している人は、ことごとく集客に苦労します。
順番が逆。
「1番目に準備する、攻めるのは集客から。」が100%失敗しない飲食店開業のセオリーです。
99%失敗しない立地選びの掛け算A×B
資金の借り入れとか飲食業の許可申請とか、いろいろやるべきことはあります。
でも、1番に押さえないと行けないのが「客」というのは上記の通り。
「飲食店は立地が9割」なんて言われるように「客」が入る立地を選びは確実に当てる必要があります。
その時の掛け算が「立地」×「業種」です。
この掛け算を間違ってしまうと「客」が来ません。
でも、掛け算が正解だと笑いがとまらないほど「客」が入ります。
それくらいシンプルな話です。
これまで失敗した飲食店を何件か見てきましたが、「なんでその場所でその業種をやるの?」と不思議でなりませんでした。
例えば、「民度の低い工業地域で良い感じのレストラン」であったり「人通りの少ない場所で喫茶店」など。
「あんた、体重100kgもあるのに、なんでSサイズを買うの?」というくらい、意味のわからない掛け算をしているわけです。
だから、立地×業種をしっかり検討することです。
土地勘がある場所が良い理由
立地を選ぶなら「土地勘がある場所から」と言われるのは、業種を選びやすいという側面があります。
「市内はヤンキーやチンピラが多い。(民度が低い)」
「老人がや小さい子供連れの家族が多い。」
「学生や単身の社会人が多い。」
など。
1年も住めば、その地域の人の属性がわかるようになります。
だから、土地勘もないところで飲食店を開業するのはかなりリスクが高くなります。
もちろん、人が常にあつまる繁華街で開業する場合は、この限りではありません。
今から開業する人は超ラッキー
これから、小さな飲食店を開業する人はとってもラッキーだと思います。
なぜなら、コロナ騒ぎでデリバリーやテイクアウトの需要が伸びました。
そして、またデリバリーやテイクアウトを利用する文化が定着してきたからです。
なので、店舗を作るときにあらかじめデリバリーやテイクアウトに対応した設計をすることができます。
特にデリバリー用の容器はかさばるので、けっこうなスペースが必要になってきます。
また、飲食店は天候に左右されるのはご存知だと思います。
雨の日や寒すぎる日などは、人は外に出かけたくない心理になります。
そんなときは逆にデリバリーの需要が多くなります。
当社の飲食事業でもUber Eatsでデリバリーをやっていますが、雨の日などは配達員が見つからないほどの注文が激増します。
だから、店舗売上は減るけどデリバリーの売上が上がって、天候に打撃を受けるということがなくなります。
ただし、台風や極端な大雨のなどはキケンなのでデリバリーサービスそのものがストップしたり配達員も自粛したり。
災害レベルの天候のときはどうしようもありませんが。
100%繁盛するメニューの公式
今の飲食店で「まずい店」を見つけるのが難しいくらい「おいしい」が当たり前になっています。
なので、普通に美味しい料理を作っても、それだけで訴求するのは難しい。
メニューは「お客さん」の属性を中心に開発するのが定番でしょう。
「住宅地に小さな居酒屋を開業する。」
このような場合は、その場所に居酒屋があるだけで客が来ることが多くメニューは普通でも全然繁盛します。
お客さんは、「おいしい料理を食べに来ている。」という部分もありますが「居酒屋という空間をたのしみに来ている。」側面のほうが圧倒的に大きいからです。
例えば、唐揚げ専門店となると話が変わってきます。
唐揚げは普通においしい日本のソフルフードですが、実は、安っぽいチェーン店などはバイトやパートが唐揚げをあげていて、しっかり油が切れていない場合があります。
油ギトギト。
この油ギトギトを嫌がる層というのが必ずいます。
別の言い方をすると、その唐揚げ屋の唐揚げに小さな不満を持っているわけです。
お客の小さな不満は、お店にとっては改善点です。
そこで、「油をすっきり切ってサクッとした食感」をウリにすれば必ず当たるという公式です。
必ず当たるメニューの公式は、「他店のメニュー」+「不満点の改善」です。
「ない!」の落とし穴に落ちるな
「この地域にパン屋さんがないよな。パン屋を開業すれば儲かるかも?」
「この地域においしい居酒屋って少ないよね。居酒屋を開業すれば儲かるかも?」
これは飲食業開業の失敗あるあるで、たしかに「地域に飲食店がない。」→「開業すれば客が入る。」ということもあります。
でも、そもそも需要がないから誰もやらない。というケースもあるのです。
そこはしっかり見極める必要があります。
小さな飲食店でもこれを勉強すべし
飲食店開業の本はたくさん出ていますが、このことに触れている本は見かけたことがありません。
それは「販売心理学」です。
会計の勉強より料理の腕を磨くことより販売心理学を学んだほうが、よっぽど商売のプラスになります。
センスの良い商売人は一般消費者の心理を理解していて上手にメニューを開発したり販促を実施したりすることができます。
「自分はセンスが良い。」と思っている以外なら販売心理学を学べば確実に繁盛することができます。
実は、個人的に飲食店のセンスなしです。
起業家なので一般消費者とはまったく思考も行動パターンも違うからです。
だから、販売心理学を学ぶことで一般消費者の心理を推測して動かすための施策を打つことができます。
販売心理学と言っても、学校に通う必要なんてなくて1冊読んでそれを応用するだけです。
次の本1冊で十分です。
販売心理学関係のネット情報の大半はこの書籍が元ネタになっていますね。
このサイトでもほぼほぼ紹介しています。→経営者必須の18の販売心理学の応用(本を買うまでもないかもしれませんネ(^_-))
失敗する人は100%性格に難あり
小さい飲食店の開業は、普通にやれば、まず失敗することがありません。
にも関わらず、失敗する人もいます。
性格です。
性格の良い悪いではなく、向かない性格ですね。
小さな飲食店でも開業から1年くらいは、試行錯誤の連続オペレーションも常に改善していく必要があります。
そういった、「問題を解決する」という思考ができない人はアウトです。
集客に困っているというので相談に乗ったときのこと。
小さな飲食店です。
「これとあれと、それをやっていきましょう」と提案すると、「いや、それは昔やって効果がなかったから・・・」との返事。
即刻コンサルを中止して顧客リストからは削除しました。
「そういう思考だからうまくいかない。」ということに気づいていないのが痛い点です。
このように、人の意見に素直に耳を貸さない自分のルールが100%の人は、だいたい失敗しますね。
小さな飲食店を開業して「うまくいっていないな。」と感じたときは、考え方が間違っていることがほとんどですね。