今と昔で変わった常識の例(EC業界)

何十年、何百年とかけて変わる常識もあれば、我々のいるEC業界のように数年、いや、下手すると数日、数時間で一気に変わってしまう常識もあります。

過去のブログ(2004年前後)を整理していて、さも常識かのように書いていることがあって、我ながら笑ってしまいました。

当時はそれが常識だったんですから、仕方ないですけどね。

特にEC業界含め、IT関係の業界の常識の変化は早いので常に構えておかないといけないし、むしろ、その時常識とされていることは、常に疑ってかかるくらいの体制と持っておきたいところ。

フリーメールお断り時代

今メールアドレスを毎月お金を払って使っている人はごく少数でしょう。

我々のようなEC事業者はメドメイン(****.com)やサーバーに料金をはらったオマケとして、フリーメールではないメールを使っていますが、メアドに料金を払っている意識はないですね。

ほとんどの人がGmailやyahoo!メールなどのフリーのウェブメールを使うのが常識にっていると思います。

でもね、2000年頃~2005年くらいですかね、フリーメールは悪者だったんですよ。

「悪いことをするやつが使うメール」みたいな位置づけて、商品を注文する時はフリーメールお断り!」なんて張り紙じゃないですけど注意書きを書いていた時期があります。

じゃ、どんなメールならOKかというとプロバイダーのメール。

hoge@***.ocn.ne.jpであったり、hoge@***plala.or.jpだったり。

プロバイダーメールを未だにメインで使っている人は高齢者が多いです。

今の若い人に「プロバイダーのメール」と言っても通じないですけどね。

もっとも、どこかの企業に資料請求をするときに「フリーメールお断り」という条件は今も見かけますね。(これは、「悪いやつがいる」からと言う理由ではなく、「見込み客の精度をあげたいから。(リーチしやすいユーザーを獲得したい。)」という理由からです。

ネット経由の出会いが気まずい

これは「出会い系」とかそういう話ではないです。

個人的には、どちらかというとパソコンオタク系で1990年代からインターネットの前進的な「パソコン通信」というネットワークを使っていました。

完全に文字だけです。

そんな昔話はどうでもよくて、今でこそ、「アプリで出会って結婚する。」とか普通になりましたが、かつては、「ネットを通じて直接会う」というのが、どこかぎこちない感じだったんです。

この感覚を表現するのは難しいんですが、文字だけでやり取りしている人と直接会うときに変な緊張感と言いましょうか。

別に「デートに行きましょう。」とかではなく、「譲ります。」掲示板で応募してきた人にモノを渡すだけなのに、どこか気まずい空気感が漂ってしまっていたんです。

こちらは慣れているんで、なんともないんですけどね。

今は、出会い系ではなくても、ネットを通じて人と知り合うことは、なんら変なことでもなく常識となってしまいました。

ネットショップを作るだけで儲かる

瞬間的ですが、それが常識だった時代もありました。

理由は、はっきりしていて「ネットショッピングがブーム」だったことと「売り手がそんなにいなかった。」という掛け合わせです。

要するに、需用と供給のバランスが絶妙でに、「ネットショップを作れば飛ぶように売れる。」という状況があったわけです。

ゴールドラッシュではないか?」くらいの勢いでしたね。

猫も杓子もネットショップを開店するというような騒ぎです。

ただ、これはさすがに長く続かなかったですね。

せいぜい10年くらいでしょうか。

2000年~2010年くらいですね。

その当時の常識は「ネットショップは儲かる。」みたいな感じでしたし、私自身も、立ち上げるネットショップは、ほぼ当たっていました。

残念ながら、今は、逆に「非常識」になってしまいました。

つまり、「ネットショップは儲からない。」です。

まあ、「儲からない。」と一蹴してしまうとあれですが、簡単には儲からない、なかなか難しいビジネスになったといったところです。

本店サイトを持ちましょう

本店サイトとは、楽天やamazon、yahoo! shopping、au PAY マーケットといった「大手のプラットフォームに頼らず、自社だけの通販サイトを持ちましょう。」というのが常識だった時期がありました。

その常識がまかり通っていたときは、それで良かったんですが、今は、そんなことをしても「結果、時間の無駄。」というだけになるケースも多々でてきています。

つまり、自社の本店サイトを持ったところで、消費者は、安心感のある楽天やyahoo!で注文をするわけです。

本店サイトでいちいち会員登録をしなくても、すでに持っているアカウントで買い物するほうが楽ですからね。

消費者は安楽単です。

安い、楽、簡単。

しかも、本店サイトを運営するには、「それなりの知識やスキルがないと運営できない。」というのも、本店サイト立ち上げが非常識になってきた理由ではないかと思います。

もっとも、わりと古くから本店サイト運営に取り組んで、がっつり顧客を誘導できたECサイトは、ある意味勝ち組になれていますが、これからやろうと思うと、いや、やめたほうが良いです。

長いものには巻かれろ、です。

当社も、ショップサーブを使ったり(現在も使っている)、現在のメインはShopifyですが、今後様子を見ながらやり方変えなきゃな、って思っています。

今のところ、Shopifyは運営面では最高ですけどね。(今後はわからない。)

副業が常識に

「ネットショップを副業で始めるなんてナメてんのか!?」なんて言われるような、「本業で始めるのが常識」的な時代もありました。

「ネットショップは副業みたいに片手間でできるようなものじゃねーんだよ!ばーか。」みたいな感じです。

びっくりしますよね。

今は、180度変わって、「ネットショップを本業一本で開業する!」なんて言うと「お前バカか。」じゃないですか。

というか「やめとけ。」です。

副業で始めるのが常識中の常識です。

ネットショップの立ち上げについては20年以上相談を受けてきていますが、相談に来る人は100%副業の人ばかりです。

独身の人もいれば既婚の人もいますし、会社員をしながら「ばれないように。」という定番の人もいます。

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。