コロナ騒ぎでネット通販が熱くなったのと同じくキッチンカー開業も熱くなってきています。
それは検索ワードのトレンドからもハッキリ見てとれます。
2019年あたりから急上昇の流れです。
なぜ「今後」なのか?
キッチンカーを作って保健所の許可を得る。
そして公道上で許可を取らずに販売する。
これは違法(゚∀゚!)。
もちろんですね。
すぐに通報されておまわりさんに怒られるのがオチ。
じゃ、「どこで売るかって?」って話です。
ビルの敷地内とか駐車場とか基本的に民間の場所じゃないといけない。
しかも、出店場所は自分で見つけて交渉するのが基本。
これは面倒。
そこで、かわりに出店できる場所を見つけて交渉してくれる「Mellow」のような企業が現れました。
そして、Mellowと大阪豊中市がコラボ(公民連携)して市内の公園や団地の敷地内にキッチンカーを誘致する社会実験を始めています。
https://www.city.toyonaka.osaka.jp/joho/koumin_renkei/torikumi/kitchencar2.html
大阪狭山市でも「モビマル」と連携してキッチンカーの社会実験を行っています。
今のところ社会実験なので、どうなるかわかりませんが、うまく行けば、この流れが全国に広がる可能性もあるでしょう。
公園の売店がキッチンカーに
小さいお子さんのいる人は公園にはよく行くと思います。
国営の公園には売店がつきものですよね。
でも、あえて積極的に食べたくなるようなフードもなく、ありふれたジャンクフード普通のドリンクだけ。
これがキッチンカーに変わりつつあるわけです。
そうなると公園に行く楽しみも2倍になりますよね。
まだ、社会実験がスタートしたばかりなので、「公園に遊びにいっていろいろな食事を楽しむ。」という文化が定着すれば、確実にキッチンカー開業ブームがくるでしょう。
だから、まだ今は「夜明け前」という感じです。
日本国内にある公園には市営のものや国営のものがあります。
豊中市のキッチンカーの社会実験は、もちろん市の管轄エリアが基本です。
国営は国土交通省の管轄です。
じゃ、国土交通省は何もしていないのか?というと動きはあります。
ただ、ニュースにもならないレベルでの動きでしかない。
だから、夜明け前。
参入タイミングが決め手
だから、キッチンカーは今後、ほぼ確実に稼げる職業になり得るという話です。
ブームの頂点で参入するとライバルだらけで、生き残るのがキツくなる。
だから、ブームが上昇基調に入ったところで参入するのが勝ちパターン。
ただ、ブームは冷める可能性もあるし、どこが頂点になるのかは誰もわからない。
イノベーター理論で言うところの「アーリーアダプター」から「アーリーマジョリティー」に向かうあたりでしょう。
起業で成功するための重要な要素が参入タイミング。
キッチンカー開業に興味があるなら早めに準備を始めたほうが良いでしょう。
キッチンカー開業に向く人
キッチンカーを自分でやる場合、開業に向いているのは次のような人です。
- 料理が好き
- 接客が好き
- 体力がある
飲食店で働いた経験のある人なら、どの程度の体力が必要かは想像できると思います。
でも、飲食未経験だとキケン。
建設現場の作業とまではいかないまでも、座りっぱなしの事務職とは正反対で立ちっぱなし。
重いものを運んだり暑い中汗だくで料理を作ったり。
なので、どの程度の体力が必要なのか一度飲食店で働いてみるのも良いでしょう。
飲食経験なしで、勢いだけで開業しても「こんなにキツいとは思わなかった。」ってなってしまいそうです。
3分で開店できてスマホだけで運営できるネット販売とわワケが違いますからね。
また、儲かると言っても多くて年収7~800万円(1店舗経営の場合)
平均で300万~500万円といったところ。
それくらいの「年収でも良い」って場合は、向いていると思います。
オーナーとしてキッチンカーを開業
自分は金を出して、現場ではアルバイトを雇うという開業スタイル。
ま、これが一番楽だし副業でもできそうです。(飲食店経営経験があれば簡単にできる。ない場合はかなり勉強が必要。)
ただ、取り分は自分が働かないので売上の数%ですね。
当然ですが。
ちょっと控えめな金額でざっくり計算をしてみましょう。
(※Mellowなどのマッチングサイトを使った場合)
1日の売上平均を3万円。
20日稼働して月商60万円。
60万-9万(Mellow手数料15%)
51万-18万(原価3割として)
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利益:33万円
諸経費とバイト代1日1万円として差し引くと、残りは、3~5万円といったところでしょう。
フランチャイズなどを使うともっと手取りは少なくなりますね。
楽天に出店して「何のために商売しているかわからない。」状態になりそうです。
フランチャイズのほうが失敗率は高くなるでしょう。
保険や車両の減価償却、借り入れ金返済などはとりあえず無視したイメージ・シミュレーションです。
キッチンカー開業で失敗しない方法
何を持って開業失敗か?
もっともわかりやすいのは「思ったような売上が作れず借金だけが残った。」というパターンでしょう。
キッチンカーの初期費用は300万円~500万円あたりが相場。
銀行や公庫から借り入れしていたとしたら毎月3万円や5万円の返済があります。
返済したうえ利益が出せないと失敗ということになります。
どんなビジネスでも同じですが、損切り(撤退)のタイミングを決めておくと傷は浅くて済みます。
例えば、1年営業した時点で、「結果、赤字かつ今後の見通しは暗い。」と判断したなら撤退すべきでしょう。
もちろん、SNSでの情報発信や販促、メニューの工夫やオペレーションの効率化など、やるべきことを「とことん」やった上での話ですが。
なお、キッチンカーの中古は、今のところ玉数が少なく売却時に二束三文にならず、そこそこの高値で取引されています。
普通の乗用車の「ホワイト」が高値で取引されるように、汎用性のあるキッチンカーを作っておけば高値で売却できる可能性が高いわけです。
そこを、こだわりを持って変な色にしたり、余計なオブジェを固定するような作りにしてしまったりすると、買った側がまたコストをかけてカスタマイズをしないといけないので売却額は低くなります。
失敗しない最大のポイントは一生キッチンカーで食っていこうなんて思わないことです。
企業の終身雇用もオワコンで転職があたりまえの世の中ですから、「キッチンカーに転職」くらいのノリが一番楽にやれるでしょう。
キッチンカーブームとは言え、コロナ騒ぎでは出店場所が全部閉鎖になるなど、大打撃を受けましたし、世の中は常に変動しているので、いつどうなるかわからない。
行けそうなら続けるダメなら撤退。
それなら失敗ではなく戦略的撤退(次の転職)になるわけです。
意外に参入障壁が高いキッチンカー業界
一般的に、飲食店開業は参入障壁が低いと言われています。
金さえあれば誰でも始められるから。
「出店場所と業種の組み合わせ」さえ間違えなければ長期的にビジネスとしてやっていくことができます。
ただ、そんな飲食店も周りに強力なライバルが現れると客を奪われ売上は落ちます。(コインランドリー開業などのように!)
キッチンカーを、フードフェスや屋台村のような多種多様のキッチンカーが集まる場所に出店する場合は、この「周りに強力なライバルがいる状態」での出店になります。
だから、最初から、こだわりや独自色をアピールしないと売上が作れない。
メニュー開発はもちろん、キッチンカーのデザインや看板、また接客する人。
ビジネスは「ヒト・モノ・カネ」というように、これらを上手にマネジメントできるスキルが必須になってきます。
また、飲食店は季節や天候に大きく左右されますから「環境」もマネジメントすべき事柄になります。
そうなると「金だけは持っている」という人には難しいでしょう。