フリーランスなどの個人事業主はもちろん、アルバイト、パートなどにはおなじみの健康保険料。
多くの人にとって、所得税よりはるかに高額な金額となって、生活を圧迫する元凶の国民健康保険料。
入会したのに一度も使わないスポーツジムの会費が毎月引き落とされるような、無駄使い感を感じる代表の国民健康保険料。
実は、新型コロナの影響で減免となる制度がスタートしているのをご存じでしょうか。
うまくいけば、払った1年分の保険料まるまる返ってくることもありそうですよ。
コロちゃん影響の助成金だの給付金10万円だのは、テレビなどでも騒がれていたので、知っているとは思います。
情報のアンテナを張っている個人事業主のみなさんは、おそらくすでに手続きの準備をしていると思いますが、パートやアルバイトで生計を立てるフリーターはどうなのか。
国保の減免を受けるには条件が2つ。また、減免の額にも規定があるので見ていきましょう。
その前に、この制度は、令和3年3月31日までの申請が条件なのでご注意ください。
条件その1は30%減
コロナの影響でシフトを削られたり、自宅待機になった人も多いと思うので、おそらく昨年に比べて収入は減っていると思います。
その減った条件というのが「見込み」でマイナス30%。
去年にくらべ30%以上減っていれば、全額~20%が返ってきます。
さて、この30%ですが、どのように計算するのか。
例えば、コロナブームは2月あたりから始まり、4月には、緊急でもないのに緊急事態宣言が出されました。4、5月あたりがクライマックスですね。
だから、おそらく4月、5月、6月あたりの収入が激減した人が最も多いのではないでしょうか。
その中で1番減った1月の給料を12か月分として計算します。
例えば、普段は毎月15万円くらいの収入があったけど、緊急事態宣言の4月にシフトが減らされ10万円になった。
10×12=120万円(令和2年の見込み)
昨年が15万円×12か月とすると収入は180万円(令和元年確定)
この場合、令和2年は30%以上の減少なので、条件に合致します。
繰り返しますが、減免措置における年収の計算方法は、実際の収入の額ではなく、「令和2年2月以降、お好きな月の収入を選んで12かけてね。」というのがポイントです。
条件としては、ゆるゆるなんで、ぜひ活用したいですね。
条件その2はフリーター全員クリア!?
収入が30%減というのが1つ目の条件で、実は、もう1つ条件があります。
それは、去年の収入(所得)が1000万円を超えていないこと。
フリーターで1000万円超える人は、ほぼいないと考えて、この条件は無条件でクリアしていると考えてよいでしょう。
フリーランスのお医者さんなど、ごく例外はあると思いますが、コンビニやスーパー、飲食店のパートやアルバイトなら多くて300万程度でしょう。
フリーターは全員免除!?
今年一番少なかった月の収入×12か月が、令和2年1年分と比べて30%以上ダウンしていた場合。
次の表にもとづいて減免措置が行われます。
10分の10とか、なんでこんな表現するのか・・・100%とか80%でいいじゃんって思いません。
意図的にわかりにくくしているようにしか思えませんね。
国保だ税金だの、難しそうで、面倒くさくて考えたくもない人多いから、わざととっつきにくい言葉を使って書いて、申請させにくくしているように感じます。
さて、表で見るところは「300万円以下であるとき」のところだけですね。
去年の収入が300万以下の場合は100%。
つまり、免除!
今後支払い0円になったり、支払ったお金が返ってくる。
フリーターの子が払っている国民健康保険料は、だいたい毎月1万円前後でしょうか。
ということは12万円返ってくる。
でかくないですか?
何が何でも取り返しましょう!
必要な書類は2つだけ!
フリーターが確定申告するのは、ちょっとレアケースだと思います。
たいていのフリーターさんは、年末に勤め先から源泉徴収票をもらいます。
紙に印刷された状態でもらったりPDFでもらったりするでしょう。
必要書類1つ目は、この源泉徴収票を探しましょう。
なければ、職場に「令和元年の源泉徴収票を再発行してください。」と言えば、断る会社はないと思います。
必要書類2つ目は、今年の給与明細。
一番少なかった月1枚。
まとめます。
(1)令和元年の源泉徴収票のコピー
(2)令和2年の給与明細1か月分のコピー
申請書に記入して、これらコピー2点を封筒に入れ、役所に送り付けるだけでOKです。
なんて簡単な。
申請書に記入しよう
申請書はA4一枚ですね。
が・・・
ほんと、これだから・・・というあきれる話。
健康保険料は、市区町村が窓口ですが、今回のコロナ影響の国保減免措置の申請書の書式がテンデバラバラ(爆)。
以下のは世田谷区。
そして、以下のは名古屋市。
さらに、福岡市。
「なんでやねん。統一しろよ。」って思いませんか。
これが今の日本。
おっと、福岡市を見ていたんですが、自治体で書式がバラバラなうえ、提出書類も微妙に違っていそうです。
福岡の場合「収入申立書」などという書類があって、12か月分の収入の見込み金額を書く欄があります。
全国で統一されていたら、この場に記入例でも出せるのですが、お住いの役所のホームぺージをじっくり読むしかないですね。
いずれいせよ、去年の収入が300万以下の場合は、健康保険料は全額免除になりそうですよ。
申請のコツ
役所関係の書類はとにかくややこしい。読む気すら起きない。
特に、事業関係の書類は何枚もあったり、説明も専門用語だらけで、読もうとした瞬間睡魔が訪れるようなものばかりです。
でも、今回の減免申請書は、自治体によって形式がバラバラではあるものの、1枚だけのパターンばかりです。
それでも、難しい感はありますが個人レベルで書くことが可能です。
そこで、コツを伝授。
まず1つ目は、不正でないことをしっかり確認してください。
源泉徴収票を偽造して数字を操作して虚偽の申請をすると、最悪タイーホです。給付金でもつかまってましたよね。
2つ目は、わかる範囲で書けるところを書いて思い切って提出する。
「わからん。わからん。」と言っていると進まなくなので、わかる範囲で書いて、ハンコを押して郵送する。
もし、申請が通らない理由や不備があったら役所から、確認の電話がかかってくるので、その時に対処する。
不正でなければ、「正々堂々と提出する。」ということです。
国民年金も免除制度あるぞ
ちなみに、フリーターにとって、生活を苦しめるもうひとつの元凶の国民年金。
毎月16000円程度。
この年金もコロナの影響で収入が減ったことを条件に、減額や免除ができます。
コロナに関係なく、うまくやれば年金支払い0円というパターンもありますし、実際に手続きをして年金を1円も払っていないフリーターさんも多いですね。
国保と年金、どちらも免除となると30万くらいの負担がなくなることになります。