コインランドリー(開業)経営や投資なんて、やめとけ。

コインランドリー投資なんてやめろ

毎年帰省する田舎の実家の近くにポツンと小さなコインランドリーがあるんですよね。

畳12畳くらいでしょうか。

もうかれこれ20年以上はあると思います。

梅雨時や雨の日はそれなりに洗濯機や乾燥機が回っています。

実家に帰ったときはたまに利用するのですが、この無人のチャリンチャリン・ビジネスおいしくね?

と思ったわワケです。

「楽に儲かるんじゃね?」と。

そんなこんなで、急にコインランドリー(フランチャイズ)投資に関心が湧いてきました。

そして、調べることに。

「一度作っておけば無人で運営できる」ので、半自動のネットショップより自動化が進んでいると言えます。

とっても魅力的ですね。

確かにメリットだが・・・

そこで、コインランドリーのメリットやデメリットを調べてみると、いろいろ出てきました。

まずはメリットから。

(1)決して高くないが安定した収入(月収20万くらい~)(?)
(2)地域貢献方ビジネス(?)
(3)人件費不要
(4)在庫は洗剤だけ
(5)現金収入
(6)景気に左右されない(?)
(7)利益率70%以上

なるほど、魅力的なメリットだ。

自分で掃除なり窓ふきなり、あるいは、ボロくなったテーブルやイス、カゴ等備品の交換をすれば、人件費は不要であるというのは、納得いきますね。

「在庫は洗剤」というのも、確かにそうでしょう。

現金収入、これは、今クレジットカードやSUICAなど交通系ICカードに対応したとしても、「掛け売り(後で集金)ではない」という意味では現金収入は間違いなし。

ただ、本当のクレジットやICカードは手数料引かれるけどね。

そのメリットの一部に異議あり

が、しかし、(1)、(2)、(6)については疑問が残る。

「決して高くないが」という控えめなアピールが、射幸心を微妙にそそるところがポイントかと思われるが「安定収入」であるという明確な根拠が示されていないですよね。

めちゃくちゃ曖昧じゃないですか?この表現。

晴れの日は売上がガクンと下がると聞くし、何をもって安定だ?

フランチャイジーが加盟店や加盟者の収入状況を、すべて記録していて、それを見せてくれるのであれば、多少信じても良いけど「安定」という部分は「自称」であると言わざるを得ない、わけですな。

そして、地域貢献ビジネス?

なんじゃそりゃ。

別に地域に貢献しているわけじゃないでしょう。

洗濯したい人のニーズに応えて(貢献)しているだけですよね。

避難所にでもなるのであれば地域貢献でしょうが。

「景気に左右されない。」というのも、なんとも曖昧かつ微妙。

「景気に絶対に影響受けない。」なんて証明できないでしょう。

コインランドリーのデメリット。全然ダメ

今度はデメリット。

(1)それなりの費用がかかる(初期投資1000万~3000万)
(2)立地が重要なので市場調査に時間と労力がかかる
(3)参入障壁が低いので同業が近くにできると売上が落ちる
(4)初期投資の資金回収に3年から10年以上かかる
(5)リアル店舗のため故障やその他のトラブルがある。
(6)雨の日は売上があがるが晴れの日は利用者が少ない。
(7)コインランドリー荒らし下着ドロボーなどの発生。

こんな映像見せられたら、もう絶対やりたくないですね。

「多少貯金がある。」とか「老後の年金の足し。」にとか、中高年なら、この初期投資は安いと思うかも知れませんが騙されちゃだめよ。

立地について、これはフランチャイジーがやってくれるんですかね。

責任をもって。

まぁ、無理でしょう。

儲かる場所なら直営を出しますからね。

リテラシーの低い民から加盟金をがっぽり儲ける目的の業者も多いですから、ほんと気をつけないとね。

参入障壁は、実店舗ビジネスを始める場合、事前のリサーチで最も警戒する部分です。

実店舗ビジネスの場合、例え、近隣にライバルが出現しても、あらかじめ「差別化」を確立しておけば、さほど恐れることはないわけですが、そのコインランドリーは何をもって差別化するのでしょうか。

投資回収の期間がもう無理っしょ

投資の回収に3年から10年て?

もう、この時点でアウトですよね。

昭和の時代ならいざ知らず、今は令和ですよ。

ひとつのビジネスでも「3年持てば良い。」と言われている昨今。

ネット業界はもちろん、リアルの業界でも「昨日の常識は今日の非常識」と言えるくらい変化のスピードが速いので、そんな悠長な投資回収期間なんて待ってられません。

「投資回収2年以内」これ絶対です。個人的には。

2年ならね。

きりのいいところで「逃げきる」ということもやりやすいしね。

(5)の故障やらイタズラでガラスを割られるとかドアを壊されるとか、イレギュラーなトラブルが発生するのは、どんなリアルビジネスも同じです。

ドア1枚修理するのも数万円するし、両替機を壊されたら数万円では済まないと思いますが。

年間収入がどれくらいあるかによっても変わると思いますが、全部吹っ飛ぶとかあるとね、何やってるかわからなくなりますしね。

ちなみに、上記のコインランドリー荒らしの映像は都会のやつですけど、田舎もけっこう悪いやつら(外部から来るやつら)が巡回していますから。

今はコロナで減っていますが怪しい動きをする外国人もいます。

せっかちさんには不向き

ネットビジネスに慣れてると昨日の投資は今日2倍にして取り返す。

それは言い過ぎですが、投資回収期間は数か月が基本です。

こっちのフランチャイズ情報比較サイトに1件だけコインランドリーのFCがありますが、デメリットを考慮してなのか「年利15%の利回りをお約束」だって。

利回りをお約束って、怪しいニオイしかしないですな。

本当に保証してくれるなら、こーいうのもアリかもしれないですが、契約書に、虫眼鏡で見ないとわからないような小さな文字で「必ずしも・・・」とか「ただし・・・」とか、免責事項的なことが書かれているかはチェックしないといけないでしょう。

コインランドリー投資で地獄を見た人

この記事のオリジナルは2014年。

当時は、コインランドリー投資をして「儲かった」とか「損した。」とかいった情報って、ほとんど出てなかったんですよね。

2019年になって、ようやく、九州で不動産投資に加えてコインランドリー投資をして、「地獄を見た」というアインさんという方のリアルな動画アップされていました。

業者の提示した事業計画書は夢プラン。

アパート一棟を買うより遥かに安い投資方法で心が踊ったと言います。

ところが、結果的に、毎月40万円近い赤字を垂れ流し不動産の家賃収入が吹き飛び、家族もぐちゃぐちゃになり結果シングルファーザーに・・・

この動画を見たらコインランドリーなんてやりたくなくなりますね。

いや~こわいっすね~ (;゚Д゚)

田舎のコインランドリーはアリかも?

毎年使うコインランドリーのある田舎は、そもそも人口が2万人程度ど少ないため競合はタケノコのようには生えていないですね。

誰も儲かるなんて考えないんでしょう。

だから、既得権益じゃないですが先駆者利益で、ここ数十年安定的な収益を得ているのではないか?と思われます。

何でも一番乗りが強いですね。

そして衰退期前に逃げ切る!

これがうまいやり方!

一方、都会だと競合がタケノコのようにょきにょきで、すぐにダメになるかというと、それは物件の空き具合によるんですよね。

人気住宅地とか繁華街とか、物件になかなか空きが出ないような場所をたまたまゲットしたなら、それこそ、長期間に渡って安定的な収入が得られるかもしれません。

これはもはや運でしかない・・・

大手が続々参でコインランドリーブームに!?

ファミリーマーとが2018年からコインランドリーに参入しています。

うちの近所にでも、すでに3店舗分導入されていました。(2021年9月現在)

ファミリーマートのコインランドリー参入
出典:https://www.family.co.jp/

コンビニ横のコインランドリーってかなり最強じゃないですかね。

地方や田舎だと特に駐車場スペースが広いので田舎への参入も今後増えるかもしれませんね。

そうなると、わけのわからないフランチャイズ業者に加入しても、大手には到底勝てないでしょう・・・(ブランド力、安心感等)

あと、2021年8月には、ワークマン(作業服専門店)でおなじみのベイシアグループの一社「セーブオン」もローソンと提携してコインランドリー事業に進出しはじめましたね。

1号店は本社のある栃木県。

ウォッシュプラスという洗剤を使わないコインランドリーのフランチャイズとライセンス契約を結ぶ形での出店です。

栃木や群馬、埼玉あたりは、今後、市場が赤く染まっていくかもしれません。

参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC251E90V20C21A8000000/

さらに、同じく2021年、小田急不動産もコインランドリー事業に参入。

小田急不動産のコインランドリー
出典:https://www.odakyu-fudosan.co.jp/

まるでカフェかと思えるようなおしゃれな外観。

小田急不動産のコインランドリー参入
出典:https://www.odakyu-fudosan.co.jp/

ただ、内装に関しては、やっぱコインランドリーじゃ~んですね。

自販機(写真左)があるだけで、内装が安っぽい感じになるな、って感じるのは私だけでしょうか。

コインランドリー投資をDIYでやる

コインランドリー投資って、基本フランチャイズ加入です。

誰かの作った仕組みを買うわけですが、フランチャイズに頼らず「自分でできないか?」と考えると、もしかするとできるんじゃね?って思うんですよね。

コインランドリーの洗濯機とか乾燥機って業務用のごついヤツ、というのが定番ですが、最近の家庭用洗濯機ってそれなりにパワーもあって耐久性も良くなっているんですよね。

あとは、それに代金回収のシステムを組み込んでやれば、「コインランドリーが作れるんじゃないか?」と。

もちろん、前人未踏なので最初にやる場合は数々の困難をクリアしていかないといけないと思いますが、やれないことはないと思いますね。

というのも、今はIT系がかなり進化していますからね。

IoTやM2Mなどを組み合わせれば、業務用の高価な洗濯機を使わなくても、300万円とか500万円くらいの初期費用で始める投資ビジネスを作ることは、不可能ではないと思います。

フランチャイザーに払う初期費用には、必要経費以外、フランチャイザーの利益がたっぷり乗っているわけですから。

飲食事業をやっていますが、業務用の冷凍冷蔵庫って高額なんですよね。

しかも、保守費用と言って毎月3万円とか5万円とか、万が一の故障のための費用がバカみたいにかかるわけでです。

でも、「家庭用冷凍冷蔵庫でいけないか?」というと、ぜんぜんそんなことはなくて、家庭用でも十分使えるわけです。

「業務用っている?」って話です。

「常識は疑え」とは言いますが、まさにそれです。

家電メーカーとタイアップして、新しいジャンルのコインランドリーを創るってのもおもしろいかもしれませんね。

余談

普段の生活では、洗濯機も乾燥機もあるのでコインランドリーは使いませんが、どんな人が使うんだろう?と思って調べると、、、

昼間は仕事で深夜に帰って来る人、かつ、賃貸マンションなど壁の薄い建物に住んでいる人は「夜中に洗濯機を回せない。」と。

なるほど。

あと、洗濯機はあっても乾燥機がない人が梅雨の時期など、乾きにくいシーズンに使うみたいですね。

ワンルームマンションなどスペース的に難しい場合も多いですからね。

以前、洗濯機が壊れて、一時的にコインランドリーに通ったことがあります。

車で3分ほどのところですが、「洗濯物を運んで、回して、持って帰る」という、「その時間がもったいない。」と感じたので一生使うことはないでしょう。

最近は布団が洗えるコインランドリーが増えつつあるようです。




ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。