絶対に使いたくない陳腐な常套句。「それ」を使わず「それ」の言い回し具体例など。

言い回し

オリジナル商品。こだわって作っているので、つい「こだわりの」なんて言葉を使っちゃいますが、これを見たお客さんには、こだわり感は伝わらないですよね。

「こだわってるって、何に?」と。

そこはひとつ、「こだわり」という言葉を使わず、こだわってることがダイレクトにに伝わる表現をしてみようじゃないですか。

というのも自社サイトを改めて見てみると、陳腐な常套句が多用されていて、これじゃ売れないよねーと思ったので。

そのほか、使っても意味ねーんじゃね?的な訴求の言葉などをダメ出し。

こだわり

「100時間煮込んだカレー。」「丸3日かけて手作業で磨き上げています。」「長く使って欲しいので日本国内で生産しています。」「デザイナーはイタリア人です。」「4時起きで4行程を経て焼き上げます。」「月に3個しか作りません。」

これらを見ると、製作過程が具体的にイメージできるので、「こだわり」という言葉は使わず、お客さんの頭の中に「こだわってるねぇ〜。」という感情を想起させますね。

信頼感・安心感

よく「信頼」や「安心」を使いますが、これらの言葉を見ても「信頼できそう。」「安心できそう。」とは思いません。

自称ぽいですよね。むしろ使わない方が無難かも。

「大正4年創業」「創業120年」「高級ブランドエルスメ全店舗で導入」「10年保証」「月間10万件の受注も楽々処理。」

「月8億の受注でもびくともしない。」「故障率は20万台に1台。」「めったに壊れないので修理部署がありません。もし壊れたら新品を差し上げます。」「東京京大学理学部教授ワタナビ先生推薦」

実績

「月間施工数200件(クレームゼロ)。」「毎月300組のカップルが生まれています。」「都市銀行3行、地方銀行10行納入」

「当社は実績があるんです!」と言われても、客としては、お任せできる決定打として心には響かない。

具体的内容がわからないので、「はぁ」としか言いようがないですからね。

「どんな実績?」この答えを具体的に並べて初めて、説得力が生まれます。

お客様第一

この言葉も、つい使いがちですが、客視点で考えると実に漠然としていて、よくわからない。

「お客さんを大事にしてるのかな?」とは、なんとなく感じられるけど、客は神レベルなのか、それとも王様扱いなのか普通の扱いなのか。

「お客様第一」=「神(客の方が偉い)」のようなニュアンスでとらえる「ヤカラ」がクレーマーや迷惑客に、なっていそうです。「俺は客だぞ。」と偉そうに。

それを考えると、逆に、この言葉や考え方使うのは危険かもしれませんね。(まあ、今どき「お客様は神様です。」なんて言ってる店はないですが!)

特に、安モノを買う層ほどカスタマーとしてのクオリティーが低いのが定説。そこに「お客様第一」を加算してしまうと、自ら迷惑な客を増やすことにもなりかねない。

それで「クレーマーが出た!大変!常識のないトンデモない客だ!」

実は自分で低品質の客を集めていた、とかって話ですね。

この言葉は使わず、客を大事にしている姿勢や方針の具体例があるとわかりやすい。

昔、引越し業者の間で、ソックスの履き替えサービスが流行りました。「お客様宅の床を気遣ってます。」アピールです。

このサービスが、客に歓迎されているかそうでないかは別にして、「お客様視点でやっている」ということがわかりやすい点は参考事例になります。

地域密着

この言葉も漠然として怪しいですね。何をもって地域密着なのかわからない。地域の客だけしか相手しないのか、地域に貢献している活動をしているのか。

具体的に何をしているかアピールしないことには意味不明の言葉です。

東京町田市にある家電店「でんかのヤマグチ」。

『社員は顧客に徹底的にサービスしている。留守の間に郵便物を受け取ったり、機械が苦手な老婦人のためには毎週韓流ドラマの録画予約にうかがったりと、至れり尽くせりだ。』

出典:https://business.nikkei.com/article/report/20130304/244460/

ここまで具体的アクションがあってこそ、客に「地域密着ですね。」と言われるだろうし、「地域密着」を宣言しても名実ともに説得力がありますね。

ちなみに、介護の業界では「地域密着型サービス」というのがあるらしく、これは内容がちゃんと定義されているので、一般企業が安易にキャッチコピーとして使う場合とは分けないといけないですね。

厳選

世の中に溢れかえっている陳腐な言葉のひとつ。

店「うちの料理は、材料ぜんぶ厳選しているんですよ!」

客「はぁ・・・」

お店側は、客に「すごーい。」という感情を期待しますが、客にしてみれば「厳選」という言葉で感情が動くことはないですよね。「ふぅ〜ん。」なん感じですかね。

「毎月イタリアまで買い付けに行って、一点一点手にとって確かめてから仕入れます。」だと、厳選している感がイメージできます。

そこで初めて客に「厳選してるね〜」と言わしめることができます。

心を込めた

確かに心を込めているので、使いたい言葉ですが、そもそも「心を込める」「丹精込めて」とは、どーいうことなのか説明できないですね。

当店でも手作り品などを扱っていて、安易に「職人が心を込めて作っています。」なんて書いちゃってます。

そんなことを書くよりも、製造現場で汗水垂らして製作に励んでいる職人の動画を載せた方が、よっぽど説得力があります。

もっとも、そんな動画取りに行く暇もなければ金もないから、言葉だけでなんとかしようと、せこく考えているんですけどね。

まとめ

それを聞いたり読んだりした客が、瞬時に映像化できない、あいまいな言葉は、一見良さそうでも、使ってもあまり効果がなさそうです。

キャッチコピーは、やはり客の頭の中に、どのようなイメージを作ってもらうか、どのように感じてもらうか?という視点で考えていくのが良いです。

思いついた言葉は、「誰でも脳の中に同じような映像を見ることができるのか?」などをチェックしながらコピーを作っていきたいですね。

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。