「あっ!ハシ!」
徳島県の「奥祖谷二重かずら橋」に近づいたときに言ったのなら「橋」のことです。でも、お昼休みにお弁当を食べようとした瞬間に女子高生が言った言葉なら「箸」のこと。ゴキブリが出て大騒ぎ中に叫んだのなら「端」。
このように前後の話の内容や状況によって言葉の意味が違ってくることを文脈効果と言います。
で、これをネット販売で活かそうとなると、それなりに苦労するんですよね。
メーカーの作った商品を、そのまま売っていてはもはや誰も見向きもしない時代です。前後にストーリーをつけて、普通の商品に、盛って演出して、それ以上の価値の伝わるものにして初めて消費者の目に留まるようになります。
例えば、「職人歴40年の山田さんが丸3日かけて作った漆器」。普通に「○○製漆器」として売るよりも、お値打ち感がでていますよね。「国内契約農家さんの野菜だけを使ったフレッシュサラダ」も「フレッシュサラダ」だけよりも、健康的でおいしそうに感じます。
ゴーヤと言えば沖縄ですが、「さんさんと輝く沖縄の太陽を浴びて育った栄養満点のゴーヤ」なんてキャッチコピーをつけたいところですが、「沖縄産ゴーヤ」だけで十分ですね。他に競合が少ないですから。
あえて言うなら、宮崎産ゴーヤでしょうか。「みやざきブランド推進本部」によると、宮崎産のゴーヤはビタミンが多いらしく「ビタミンゴーヤー」なんてネーミングで売り出しているようです。これは文脈効果は全く使っていないですね。ビタミンが多いという点だけで訴求しています。沖縄に負けるな!
商品名の前後につけるキャッチコピーもそうですが、写真なんかでの見せ方でも文脈効果はあります。カニの姿だけの写真で通販やってるところは少なくなってきていますね。今すぐ食べれるような、シズル感のある盛り合わせの写真だったり、鍋がグツグツしている動画をアニメーションまで使っているところもあります。
自分の商品に文脈効果を使う場合は、できるだけ多くの事例にあたって、ぴったりのモノを探っていくしかないですね。