個人事業主を長年やっていると「経費」については、年中気にします。
毎日の出費について「これは経費」「これはプライベート。」
その都度選択している感じですね。
慣れたけど。
今回、「ブロガーの経費って何がいけるの?どこまで?いくらまで?」そんな質問があったので、ほぼズバリ!?回答したいと思います。
ズバリになってていなかったらすまん。
頭に叩き込むべき基本の考え
そもそも、経費とは仕事、つまり、売上を作るために出費したお金のことを言います。
広告にお金を払う。
これは売上にダイレクトに関係するので直接的な経費と言えます。
スポンサー企業の担当者と打ち合わせのために横浜で1泊。
そんなときは、交通費や宿泊代は間接的な経費と言えます。
いずれにせよ、そのお金を出費する目的はビジネスを大きくするため。
これが経費。
だから、この範囲からそれてしまうものは経費ではない。
お腹が空いたのでコンビニで焼きそばを買った。
家族でディズニーランドに行った。
愛犬の餌を買った。
いずれも、仕事と関係なければ、プライベートの出費なので経費としてあげることは不可能ですし、認められるものでもありません。
以上が、基本的な考え方。
言ってしまえば、建前ですな( ̄ー ̄)ニヤリ
ガジェット・家電系ブロガーの例
例えば、副業で家電やガジェット系のレビュー記事を中心にブログを書いているサラリーマン滝川山宗幸さん。(仮名:30代独身)
ブログのネタの8割は家電のレビューやうんちくの垂れ流し、おすすめランキングや最新機種の比較などです。
実際に自分で買った家電についてのレビューも含め、興味のある製品について深堀りしたり批評したり充実したコンテンツを書いています。
このような場合、理屈上は「購入する家電はすべて経費」とすることができます。
ただし、次のような場合。
「自宅の洗濯機が壊れた。よし、新しく買い替えてレビューを書こう。そしたら、洗濯機代はまるまる経費にできるぞ。」
そして8万円のドラム式洗濯機を購入。
1ページ4000文字程度の記事を書いて、経費8万円をクラウド会計のフリー(freee)に記帳。
これ、理屈上はOKに見えますが厳密には問題があります。
結局「実態」がどうなのか。
例えば、税務調査(税務署職員がやってきて帳簿をチェックする法人では恒例行事)がやってきた。
税務署職員が、「この8万円の洗濯機を経費としてあげていますが、プライベート用じゃないですか?」
「いやいや、私は家電ブロガーだ。レビュー記事を書くためにこの洗濯機を買ったんだ。だから経費ですが、何か? 」
言いたいことはわかります。
でも、いくら家電ブロガーと言え、洗濯機は「普通」100%プライベート使用じゃないですか。(工事現場の洗濯機とか、部屋に飾っている場合は別。)
8万円で買ったとしてっも用途はプライベート。
だから、「この費用は1円たりとも経費としては認められません。」みたいな流れになるわけです。(厳し目の場合)
数万円の経費が認められるケース
今度はまったく違う状況パターンで考えて見ましょう。
例えば、国内家電メーカー大手パナンニックのマーケティング担当みたいなところから連絡が入る。
「弊社の商品を好意的に紹介していただき光栄です。実は、今度、洗濯機の新製品が出るのですが、よろしければ貴ブログにてレビュー記事を書いてもらえませんか?」
「協賛品(モニターでもらう品)は出せないのですが謝礼は3万円ほどお出しいたします。」
このような場合、記事1本につき3万円の売上げです。
たまたま洗濯機が壊れたタイミングなので渡りに船。
喜んで仕事を受け洗濯機も8万円出して購入した。
謝礼は3万円。でも、洗濯機は8万円。
3万円の売上を作るために8万円の出費というのは常識的に考えらませんよね。意図的に赤字を出して、故意に税金を逃れようという魂胆が見られます。
でも、新しい洗濯機を8万円で購入したけど、それはブログを書く目的もあったので、せめて1~2万円は経費にできるんじゃないの?
そうなんです。
そういう考えなら、認められやすい。
ただ、コノへんは明確な規定があるわけではないので、職員によっては「全部ダメ」という場合もあれば「認めましょう。」という場合もある。
当たり外れがあります。
そこが面白いところでもあります。
公私混同系の経費は「割合」がポイント
洗濯機の例に見るように、「その経費のあげかたは常識的に考えておかしいですよね?」という場合は、経費のあげかたは注意しないといけない。
「常識的」の正確な定義はありませんが、要するに、普通の人の8割が見て、一般的に考えて、「それって常識だよね。」とか「非常識だよね。」という判断基準が基本になるのです。
(「普通の人」「一般的」の定義もないけど・・・世の中あいまいだ!)
だから、年商1000万円なのに経費が2000万円で1000万円の赤字。
税金0円だーーー\(^o^)/
「いやいや、みずから好んで赤字出すって儲ける気あるの?ビジネスでしょ?(税金逃れじゃないの?)」って疑われる可能性が出てきます。
もちろん、まじめにやって売上1000万に対し経費2000万ってこともありますよ。全然ふつーに。
そんなときは、正々堂々と公務員さんと戦えば(話し合えば)良い話です。
話は戻りますが、公私混同系の経費は、常識的な割合で按分【あんぶん】して会計ソフトに計上するのが、もっとも利口で安全なやり方と言えます。
だいたい、税務署にツッコミくらうなんて面倒だし時間の無駄遣い以外のなにものでもないしね。
アドセンス系ブロガーの例
ある程度テーマは絞ってるけど日記的な要素も含んでいて、アドセンスを中心にやっているブロガーさんも多いですね。
家電紹介の記事を書くこともあればシャンプーの記事を書くこともある。
「ブログ記事のために、ちょっと高級なシャンプーを買ったけど経費になるの?」って疑問に思うこともあると思います。
結論から言うと、アドセンス系のブロガーの場合は、いちいち細かい経費を考えず、トータルで考えるのがおすすめです。
「おおざっぱ」というと、ちょっといけない感じがありますが、経費について毎回細かく考えるって時間の無駄なんです。
だから、「1年まとめて売上これだけ。経費はこれだけ。」
そんなスタイルで確定申告するのがおすすめです。
よっぽど高額な経費でないかぎり、ツッコまれることはありませんので。
だって、年間通じて経費項目が500とかあった場合、税務署員の立場で考えてみてください。
500項目全部つぶさにチェックできると思います?
しかも、1日に調査先が複数ある場合もあるでしょうし。
繰り返しになりますが、経費は割合で考える。です。
確定申告にコレを書くなよ!
確定申告書の決算書作成の最後に「業種名又は職業」を記入する欄がありますよね↓
ブロガーをやっていると、おそらく99%はアフィリエイトもやっていると思います。
そこで「アフィリエーター」なんて書くのはオススメしないです。
というのも、最近、脱税で摘発される業種としてアフィリエーターもランキングに出てくるようになりました。
つまり、税務署もアフィリエーターはマークしているわけです。
例えば、個人事業主でも「アフィリエーター」と書いていて、「申告の売上が3,000万円、でも決算書は赤字」
そんな内容だと、いくら個人事業主でも税務署から「お伺い」が来る可能性は高いでしょうね。
上記の画像に「コンサルタント」と書いていますが、この業種も若干怪しい感じがあるうので、「イベント企画業」とか「ITインストラクター」とか書いておくのが良いかも知れませんね。
もっと具体性をなくして「小売業」「卸業」「サービス業」といったざっくりした業種でも良いかも知れません。
もっとも、売上1,000万までなら、余計な心配はいりません。
税金が取れるような大した額じゃないので税務署のターゲット圏外です。(100%というわけではない。)
売上500万円の確定申告シミュレーション
ブロガーなど、ネット系のビジネスで売上500万円があったときの、確定申告(決算書)の記入シミュレーションを作りました。
映像だけですけど。