最近は、何でもかんでも「リテラシー」という言葉がつけられます。
リテラシー(literacy)とは、本来は「読み書きの能力」という意味ですが、日本語で「リテラシー」と使われるときは「その分野の経験や知識」といった意味です。
ネットリテラシーと言えば、ネットに関する知見。マネーリテラシーと言えば、お金に関する知見です。
昨年のコロナ騒ぎでは、国民のメディアリテラシーの高低が露呈しました。
テレビを主な情報源にする地方の高齢者は、すっかりコロナ脳になってしまいましたね。
マスクがなくなったり、トイレットペーパーがなくなったり、そんな情報で振り回される人は「メディアリテラシーが確実に低い人」というわけです。
さて、ネット通販ビジネスを始めて1年未満、あるいは、これから始める人は、ある程度情報は得ていると思いますが、実際スタートすると、意外とコロリと騙されることも多々あります。
免疫がないからですね。
今回は、個人的失敗談にもとづき、「このパターンは注意したほうがいいよ。」というのを5つ紹介したいと思います。
参考にしていただければ幸いです。
新聞広告出しませんか?
九州に本社のある某新聞社の広告代理店から電話がかかってきました。(新聞社から直接だったかもしれない。忘れた。)
「御社のホームページを拝見して、とても興味深い商品だと思いました。よろしければ、西○本新聞に広告を出してみませんか?通常20万円の抗告枠を、今回特別に5万円で提供させていただいております。配布部数は○○万部ですので相当な広告効果が見込まれると思います。」的な。
声の感じから初老の男性であろう担当者から丁寧な口調でご案内頂きました。
「え!?たった5万円で○○万人に広告が出せるの!?お得じゃん!」と、リテラシーの低いおバカな本人さんは飛びつくことに。
イラストレータで広告をデザインし入稿。
結果、お問い合わせ1件からの受注1件。受注率100%。売上25000円。
利益10000円。
広告費を差し引くと4万円の赤字。
初めての新聞広告にしては、今考えても優秀な成績ではないか?と思いますが、問題はオッサンの提示した掲載料。
「掲載料20万円のところ5万円」の「20万円」はフェイクで、どなたでも5万円でした。
リテラシーが低いと、このようなウリ文句に騙されちゃうんですよね。
たまたま高齢者をターゲットにした商品だったので狙いは良かったのですが、広告作成能力がしょぼかったので損しました。勉強代です。
今なら、激反応が得られるくらいの実力があります。(たぶん)
なお、新聞を読まない(若い)層をターゲットにしている場合は、新聞の紙面広告はもちろん、新聞折込みチラシも効果は薄いので気をつけましょう。
取材させてください!(出版社)
「ホームページ拝見させて頂きました。とてもおもしろい商品なので、ぜひ当社の雑誌に掲載させていただきたい。」とご担当者さん。
喜んで話を聞いていると「有料」。
「なんだ、ただの広告じゃん。」
でも、当時は「ネタにでもしよう。」のノリで、ショップサーブで運営しているネットショップを掲載してもらうことにしました。
3万円くらいだったと思います。
「今話題沸騰!人気のネットショップ100選。」みたいな書籍タイトルだったと思います。
100選に選ばれるって、ちょっとうれしいですよね。
でも、これには裏が。
そもそも、無名の出版社で雑誌も初刊行。
アマゾンにも登場しましたが・・まぁ、レビューがつくワケもなく、買っている人はいない様子でした。
サンプルはもらって、ネットショップに「雑誌に掲載してもらいました!」と宣伝はしておきましたが、ただの自己満ですね。
広告効果は、ほぼゼロ。
お客さんには、もしかすると、ちょっとした信頼感を演出することはできたかも知れません。
数年、保管してましたが、結局ゴミとして捨てました。
環境に悪いことをしてしまって申し訳ありませんでした。
取材させてください!(芸能事務所?)
「とても素敵な商品を扱ってらっしゃいるのに目が止まりました。当事務所に所属の有名タレントが取材に伺いたいのですが、いかがでしょうか?」
「まじ?芸能人が来るの!?(@。@)」
「うちも、とうとう有名店の仲間入りかも!」と思ったのもつかの間。
「タレント○○がお伺いして、一緒に写真を撮ったり当社のホームページでも紹介させていただきます。一式で10万円でございます。」
うわ。また普通の営業じゃん。
一線を退いたような、 見たことはあるような、 賞味期限の切れたような、タレントがやってきて一緒に写真を撮って・・・とか、さすがに無駄金だと思って断りました。
ただ、この営業電話、なかなか狡猾でした。
30分くらい散々しゃべって、その気にさせておいて、最後に「有料ですが、申し込みますか?」と来た。
30分返せ。
ちなみに、このパターンにかかって、ホームページに色あせたタレントと一緒に「○○さんに取材してもらいました。」とアピールしているネットショップを見かけたことがあります。残念。
福利厚生系サイト(そっち系専門企業)
詳しくはおぼえていないのですが、契約企業の社員が割安でいろいろなモノを買える専用サイトを運営する福利厚生系の企業からの営業電話です。
カフェテリアプランとかですかね。
「数万人の会員がいて、このサイトに出品すると売れますよ。」という話でした。
そもそもそんなサイト見たこともないし聞いたこともない。
使っている人がいるかどうかもわからない。
なのに有料出店(金額は忘れた)。
どう考えても売れるワケありません。
これはハッキリ「騙されてはいけない」系だとわかりましたので、きっぱり断りました。
それにしても、営業電話の担当者は口がうまかった。
計画倒産にやられた!(家電店)
計画倒産は、倒産させることを決めたうえで、通常の企業取引をやってしまう「あかんやつ」です。
例えば、1ヶ月後に倒産することを決めているのに、掛けでどんどん仕入れをして販売して現金をゲット。しかし、仕入先からの請求書が来るころにはドロンと倒産。
被害額は15000円ほどと小さかったのですが、やられてしまいました。
パターンは、価格コム最安値店でプリンターを銀行振込(前払い)で買った・・・
3日待っても、1週間待っても品は届かず。
「おかしいな?もしかして、やられた?」と疑い始めたころに、見事なタイミングで「○○電気店破産」とニュースに出てるじゃないですか。
やられましたね。
今の価格コムは、体力のない家電店は一通り淘汰されている感があるので、「振り込んだの商品が届かない。」なんてことはないと思いますが、当時(15年くらい前?)は、まだまだヤバイ業者が暗躍していました。
もしかしたら、気づいていないだけで、今もヤバイ業者が紛れているかも知れません。
安いからと言って、前払いはキケンです。特に、高額商品はクレジット払いにしておくのが得策です。
取材させてください!(有名出版社)
最後はお口直し。
「御社の商品○○を弊社の雑誌(有名)に載せたいのですが、データをもらえますか?」的なお電話。
「またか。」と思いきや料金は不要。つまり無料掲載。
喜んで掲載してもらいました。
その結果、ボカンとはいかないまでも、それなりに商品は売れました。
ただ、問題だったのが、電話番号を掲載してしまった点。
かなり有名な月刊誌で、購入する人は捨てずに置いておくような、厚み1.5cm以上あるようなずっしり系の雑誌です。
掲載から5年以上経過して掲載商品は廃番になっているのに、「この商品ほしいんですけが。」と電話がかかってくることがありました。
その都度対応しないといけないし、かと言って、売上ができるわけでもなく、無駄な時間を奪われる事になりました。
紙媒体は更新できませんからね。
ま、最近は雑誌を読む人も減って廃刊ラッシュですから、なつかしい過去の栄光です。
無料取材は受けてOKですね。
PS
ヤフーショッピングに新店をオープンするたびに営業電話がかかってきていましたが、現在は「新規開店ショップ一覧」のようなページはなくなっているようです。
おかげで無駄に時間を奪われる営業電話からは開放されました。