EC業界でAIはどこまで進んでいるのか?

AIどこまで進んでる?

以前からよく話題になるAI(人工知能)。EC業界ではどこまで進んでいるのか?身近なところから、そうでもない業界まで。

freeeの仕訳における勘定科目判定

ネットショップ運営者なら必ず使っているクラウド会計。当店の場合はおなじみフリー(freee)

使い始めた頃には実装されていなかったのか、学習していなかったのかわかりませんが、どうやらAIが勘定科目を勝手に判定してくれているようです。それを実感する今日この頃。

勘定科目とは、サーバー代などの「通信費」やガムテープや運送会社へ支払う運賃などの「荷造運賃」、飲みにケーションの「交際費」や社内ミーティングのお食事代の「会議費」など、簿記で使われる公式的な経費の名称です。

さて、freeeのシステムが、勘定科目を何回で学習するのかはわかりませんが、例えば、ショップサーブへの支払いは今では「通信費」などとして勝手に登録してくれます。

いちいち人間が判断しなくていいので、経理の手間は、10年前に比べると60分の1くらいになった印象です。つまり1時間かかっていたような作業が1分で終わってしまうイメージです。イメージですよ。

freeeのAIチャット

一方、そのfreeeにはAIチャットが組み込まれているらしいです。

ただ、勘定科目の判定のAIの精度に比べて、AIチャットは「これがAIか??」と言いたくなるくらいAI感はないです。

もっぱら検索ワード合致するQ&Aのリンクを出してきてるだけです。全然チャット(おしゃべり)してる感なし。

ちょっと込み入った質問を投げかけても該当なしだったり、トンチンカンな回答が表示されます。

おそらくこのようなAIは自社開発ではなく、提供している別の会社が存在していることが多いので、その企業のAIのクオリティにされるのかなとは思います。

アパレル業界では画像認識AI

EC業界でも特にAIの導入が進んでいるのはアパレル業界でしょう。と言っても、まだまだ高額なので大手が中心ですが。

例えば、ある商品「赤色の丈の長いワンピース」の商品ページに「似たワンピース」なんてボタンが付いています。

AIが、数万点ある商品の中から色や形状から似たアイテムをチョイスして表示するわけです。そして、リンクを押せば、それぞれの商品が見られる仕組みです。

アマゾンの「この商品を買った人はこれも買ってます。」の機能(レコメンド・エンジン)に似てます。

アマゾンの場合は購入履歴データを元にレコメンドしているのに対して、画像認識AIは、単純に画像データから「類似品を選んでいるだけ」という点が違いですね。

このようなレコメンドをすることで、アマゾンで経験している人も多いと思いますが、(1)購入単価のアップ(ついで買い)、(2)滞在率のアップ、(3)回遊率のアップ(4)コンバージョン率アップ、(5)直帰率や離脱率の低下なが望めます。

「画像認識ってその程度(類似品を選ぶ機能)?」と思うかもしれませんが、もっと高機能なのがありますよ。

例えば、モデルさんの写真からコーディネートで使ってる帽子からバッグ、アクセサリーや靴まで認識して該当の商品ページへ誘導できる、などです。

誘導どころか、コーディネートで使っている商品情報の一覧を表示して、「全部まとめて買う」ボタンまで用意されていることもあります。

コーディネートからAIが選ぶ
こんな感じのイメージ

「全部まとめて買う」ボタンは、一点一点検討しながらクリックをする手間を一気にカットするので、どんぶり勘定なズボラ客にもメリットがあるし、店側もボカン!と単価が取れますね。

外資系のSalesforce(Saas「サース」:ショップサーブのようにウェブ上でアプリケーションを提供する企業のこと)などはデフォルトで?この機能を提供していたと思います。

AIの進み具合は、やはりアメリカの方が進んでいるのでしょうか。

レコメンド・エンジン

アマゾンでもおなじみ顧客情報や閲覧情報を元に、ユーザー毎に見せ方を自動的にカスタマイズしてくれるAIです。

「すでにあるデータ」を元にAIが解析をするので、顧客情報のない新規ショップにはカンケーのない機能ですね。

アマゾンのレコメンド・エンジンは自社開発(インハウス)だと思いますが、多くのECサイトの場合は外部企業が提供するシステムを使っています。

そして、これがまた高い!安くても月額35,000円くらいからです。十分ペイできる売り上げのある大規模ショップなら導入しやすいでしょうが、庶民派ショップには当面無縁のようです。

web接客

「web接客」という言葉に未だに違和感あるんですが?

確かに、「初来店の人にはこのバナーを見せて」とか、「リピーターで、これまでの購入額10万円以上の人には、この特典を提供して」などリアル店舗の接客に該当する部分はあるけどね〜、、、

「AI接客」と言い換えても、ペッパー君のように人間に近いような接客をしてくれそうって思っちゃいますね。

さて、ウェブ接客については、NTTの提供する「ECコンシェル」が無料で使えるので(機能制限あり)、一度試してみてはいかがでしょうか。

※関連
WEB接客で転換率を上げる

毎日使ってる、これは絶対AI

蛇足というか余談ですが、普段使っているGmailってAIバリバリでしょう。特に迷惑フィルター。5年前と今の精度は月とスッポンです。

99.999%くらいの精度で必要なメールかゴミかを判断して仕分けてくれています。

通常は、どこかのシステムから一斉に配信されたメールが迷惑フィルターで仕訳されます。これは迷惑系としてはわかりやすいと思います。

じゃ、「問い合わせフォームから手動送信すれば迷惑扱いされないか?」と思えば、残念ながら否。問い合わせフォームから送信しても、ユーザーから「迷惑」と判断されることが多ければ、自動的にゴミとして扱われてしまいます。

最近は、プロバイダーのメールを使っている人はほとんどいなくなりましたが、もしかすると、一般ユーザーでメールソフトを使ってプロバイダーのメールの送受信をしている人もいるかもしれません。

Gmailとパソコンメールソフトを比較すると、いかにAIが働いているかというのがわかると思います。

まとめ

残念ながら、当店をはじめとしたほとんどの物販系のECサイトは、まだまだAIとは無縁のようです。

膨大なデータ量のECサイトなら、人力よりAI、と入った感じですね。

商品数500点1000点なんて小さなネットショップはAIに頼らず、天然知能?自然知能?人力でやりましょう。

そもそも、いろんなシステムはASPがどうにかしてくれないと、個々の店では対応できないですから。

ま、もろもろ様子見です。

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。