日本国内では越境EC(輸出)という言葉がはやり始めて久しいですが、今回は、その逆パターン。
インバウンド的と言いましょうか、外から日本に向けての販売について。
2020年からの国をあげてのバカな騒ぎでネット通販が好調となりましたが、以外に海外からのお問合せは少ないです。
おそらく、十分なネット情報があるからでしょう。
このページもよく読んでもらってます。
海外在住、それだけで強み
さて「日本はモノ余りで売れない。」だとか言われますが、これは売れないモノが氾濫しているからであってモノが売れないわけではないんですよね。
価値のある商品や必要とされるモノはどんどん売れます。
でないと、毎年のようにヒット商品が出ている説明がつきません。
日本は島国のため、お隣の国はもちろん、欧米の諸国の商品が簡単に入ってこないです。
しかも、英語が苦手な国民なので海外情報にもうといのです。
だから、海外在住というだけで現地情報はたっぷり入手できるので、そのこと自体が強みと言えます。
2019年のことですが、海外から帰ってきた友人がある雑貨の写真を見せてくれました。
「かわいい・・・(これはウケそうだ。)」
そこで、ネット検索してみましたが全く出てこない。日本ではまだ出回っていないどころか現地でも通販されていない。
そんな商品もあるんですよね。
いくらネット情報が豊富になったとは言え、現地のリアル情報には勝てません。
ぜひ、海外の良い商品を知っている人は、日本にどんどん送り込んで欲しいですね。そしてちゃっかり儲けましょう\(^o^)/
日本へ向けてすぐに販売できる方法
「日本に向けて販売する方法は?」と問い合わせをしてこられる方は、総じて海外在住の日本人の方々。駐在員の関係の方々が多い印象です。
「日本に向けて販売したいけどどうすれば?」にとりあえず回答するなら、「最も簡単な方法はamazonやebayに出品することです。」と答えます。
今は、amazonですかね。
ebayの場合は、消費者として購入目的の人もいれば、転売ヤーと呼ばれる仕入れを目論んでいる人達もいます。
いくら良い商品でも、ネットに情報を公開しなければ売れる可能性はゼロ(無)ですから、とにかく1日でも早く商品の情報をネット載せてください。
また、ファッション系ならBUYMA(バイマ)というサイトがあります。
ここで販売者となって、海外から直接日本に販売することができます。
ただ、今あげたような既存のプラットフォーム(売買を仲介するウェブサービス)での販売は、必ず中間マージンが発生しますし、マーケティングはプラットフォームまかせ。
ひたすら「注文が入るのを待つ」スタイルが基本になってしまいます。
ネットショップを立ち上げる
「自分でネットショップを立ち上げて販売するのもひとつの方法です。(2021年からなら通販システムはShopifyが一番相性が良いと思います。)
現地から直接通販です。
この場合、ネックとなるのが送料です。
アクセサリーなどの小物類は郵便などで素早く日本に送ることができるので、海外から日本向けのネット販売には向いていると言えます。
でも、ちょっと「かさ」が大きくなると、1商品につき3,000円や5,000円という送料がかかってしまいます。
日本国内では「送料無料」が当たり前とは言いませんが、送料1,000円でも「高い!」と言うショッピングユーザーが多いくらいです。
「その程度の送料なら払ってでも、ぜひ欲しい。」など、よほどマニアが欲しがるようなモノでもない限り、高額な送料はネット販売の足かせになってしまいます。
日本国内で商品を販売するときの送料のイメージについて簡単に触れておきましょう。
「無料」はもちろん100点満点です。
消費者の送料に関する抵抗感はゼロになります。
平均単価が1,000円くらいの場合、送料は200~300円くらいが妥当でしょう。
逆に、単価が1万円、2万ともなると、10%~20%、つまり2,000円くらいまでが妥当な印象を受けます。
ですから、海外から単価1万円の商品を販売する場合3,000円以上の送料がかかると、二の足を踏むユーザーが出てくるのではないかと思います。
あくまで経験則からくるイメージです。
余談ですが、確かシンガポール(うろ覚え)から注文をもらったことがあります。
15万円程度の商品だったのですが、送料が船便でも5~6万円と高額な見積もりになりました。
それを伝えると返事が返ってこなくなりました。
シンガポールなので、勝手に富裕層だと思って、すっかり売れたものと喜んでいたところガッカリしたことがありました。
送料を気にするのは世界共通なのかもしれません。
卸販売もおすすめ
商材にもよりますが、日本国内の小売店に販売網を持っている輸入商社やメーカーに卸す方法が一番ビジネスとしては成り立ちやすいと言えます。
卸販売なら、送料が安いだの高いだのといった消費者の感覚の問題はもちろん、「いつ届くのか?」といった問題も気にする必要ありません。
輸入する場合は、輸送料やその他の費用も含めて小売価格を算出します。
ですから、まとめてどーんと送るだけで、後は日本国内のネット販売店さんが売りさばいてくれます。
「どーしても小売がしたい」という場合を除いて、儲けたいなら卸のほうが断然オススメかと思います。
多少輸出入の知識やスキルなども必要ですが、規模が大きい場合は代行業者に任せるのが普通です。
輸入商社や販売店の見つける3つの方法
さて、問題は、どうやって商品を輸入してくれる商社やメーカー、販売店を見つけるか。
多くの人は日本国内にコネクションなどを持っていないと思うので、新規で探すことになるかと思います。
力のある販売店に直接コンタクト
ひとつ目は、自分の商材(現地商材)が売れそうなお店を、楽天やショップサーブ(専門店が多い)でお店を出しているところなどにコンタクトを取ることです。
販売力のあるお店は、海外から直接買い付けしていて輸入手続きにも精通していることも多いです。
むしろ、そういった販売店は、そもそも「輸入商社」の小売窓口であることも多いので企業情報をチェックしましょう。
販売店の仕入れ元である商社やメーカーを見つける
多くの販売店は、問屋や輸入商社、メーカー(実質商社)から仕入れています。
「例えば、楽天ショップで元気のありそうな店を見つけた。そのお店の人気商品は「A」や「B」や「C」ぽい。」とわかったなら、A、B、C商品のメーカーや輸入商社を調べて、その企業に直接コンタクトを取ります。
と言ってもこの方法はちょいと注意が必要ですね。というのも、そもそも輸入商社は自社で輸入していることが多いので、現地のコーディネーターを介すとコスト増になるので嫌う場合もあります。
最悪、「そんないい商品があるなら、うちで直接買い付けよう・・いい情報ありがとう。」なんて、儲かる情報をおしえてしまったマヌケさんになりかねません。
商社にもいろいろあるので、企業情報を調べながら慎重に進めたいところです。
定番ジェトロ
もはや定番、日本貿易振興機構(ジェトロ)です。「個人レベルで見つけた面白い商材を少量から。」という場合には利用価値のない手段です。
いぜん、忘れてしまったのですが、南米の国(ブラジルやアルゼンチンよりマイナーな国)からのお問い合わせがありました。
「私は現地の〇〇のメーカーに務めています。当社の商品はまだ日本に未上陸のようですので、これから輸出したいと思っています。」こんな感じの内容だったと思います。
このような場合は、ジェトロを使う意味はありそうです。
ただ、使ったからと言って、寝てるだけで取引先が見つかるかというと、世の中そんなに甘くない、ですね。
取引先を見つける活動をしっかり実践していく必要があります。
販売店へのメールやFAXの書き方
当店(ブログ主の通販サイト)も海外から問い合わせを良くいただきます。
そこで、よく思うのが、「伝え方が下手。」ということ。
「突然のメール失礼いたします。」の始まり、まるで迷惑メールかのような文面ばかりです。
そんな貼り方では、せっかくモノが良くても、気づいてもらうことすらできませんよね。
だから、「いかに興味を持ってもらえるか?」という内容と「いかにクリックしてもらうか?」という件名を考えないといけないんです。
これは販売店の印象ですよ。
販売店を運営している中で、日々、お客さんはもちろん、取引先、関連情報、必要なニュースレターなど、たくさんのメールが受信ボックスに届きます。
そのような混沌とした受信トレイで、気づいてもらうのは、ひとひねりされた件名だけです。大半はゴミ箱行きです。
それを想定してるのか、「協業のご案内」だの「山田様 商材のご提案」など、一瞬「お?」と思えるタイトルも、いろいろありましたが、たいていゴミです。
ちなみに、あえて「効果的」と思える方法を提案させていただきます。
取引依頼メールは企業ウェブサイトのお問い合わせフォームから。FAXがある場合はFAXのほうが見てくれる確率はダンゼン高い。
さらに言うなら、紙媒体で資料をしっかり作りこんだ郵送スタイルは最強です
手紙は手書き。顔写真入りのプロフィールなどあれば、ゴミのようなダイレクトメールとは完全に一線を貸すことができます。
なぜなら、ペーパレス化の流れの中逆を行く方法であるという点と、見る側も紙だと実はとても見やすいという点があるからです。
みんな最初はド素人。行動した者勝ち
「海外から日本に商品を販売」と考えている海外在住の日本人の方も多いと思いまが、そのほとんどの方が(ネット)ビジネスには不慣れな、というより、未経験のド素人ではないでしょうか。
ド素人を恥じてはいけないですよ。
むしろ、「ド素人だからこそ成功しちゃった。」なんて事例も多いですから、 そこはひとつ、重い腰をあげて動いて頂きたいと思います。
どこの大企業の社長であってもイケイケの起業家であっても、最初はド素人だったわけですから。
ビジネスって、ほんと「タイミング」と「最初の一歩」だと思います。
最初の一歩を踏み出さなければゼロ(無)ですし、タイミングを間違えば1億円取れていたところもゼロ円になったり。
コンサルをしながらいつも思うのは、実に「もたもたする人の多いことか!(procrastionation!!!)」その「もたもた」の間に、どんどんチャンスが逃げていく様子が、こちら側からは目に見えてわかります。
モッタイナイ!!!
でも、当人にはそういった感覚がわからないので、いくら「チャンスがどんどん逃げていってますよ?めちゃくちゃもったいないんですけど、、、そのペース大丈夫??」と言っても通じないところが悲しいです(泣)
もちろん、のんびり系のクライアントさんは、一生懸命お尻を叩きますが・・・。
相談メール事例(1)
と言った質問を頂いたことがあります。国名は変えています。回答例を載せておきます。
【回答】
インドネシアで輸出が禁止されていなかったり日本で輸入が禁止されていなかったりする限り販売可能です。
日本で輸入規制されているようなモノもあるので税関HPでチェックしてみてください。一部を寄付するなんて素敵ですね。
また、インドネシアや近隣アジア諸国の「それ」や「類似商品」が、すでに日本国内で販売されているかどうか確認してみる(市場調査)は必須です。
すでに商品として販売されている場合は「販売できる」と解釈できます。
毎月のコストについては、ネットショップを持つだけなら0円~5万円程度です。
ご自分で制作や運営する場合はタダですが、制作を外注したり人を雇ったりすると、その分コストはかかります。
相談メール事例(2)
『フランスのパリに在住のHと申します。私の好きなブランドPの香水を日本で販売できないか?と思っています。どのようにすればよいでしょうか。』
【回答】
香水ですね。香水は日本の法律では「化粧品」にカテゴライズされます。「薬機法」という法律です。
日本国内で香水を販売するためには「化粧品製造販売業許可」を取る必要があります。
「小さなブランドでフランス以外流通していない。自分はその企業の担当者。」なんて場合は、日本で許可を持っている企業などにコンタクトを取って輸出をする体制を検討しても良いかもしれません。
でも、ひとりの一消費者として「日本でウケるかも?」と思った程度なら、香水はあきらめたほうがよさそうです。
洋服や雑貨なら、許可だの認可などは関係ないんですけどね。post_918