仲介サイト(マッチングサイト)の作り方について

マッチングサイト

今回は「仲介サイトの作り方」について。

仲介サイトは、ネット上ではマッチングサイトと言います。

起業アイデアのひとつですね。

古い例で言えば、「売ります・買います」掲示板。

売りたい人と買いたい人が集まって、条件が合えば取引ができるプラットフォームです。

マッチングサイト

最近では、クラウドソーシングブームで「お仕事あります」さんと「仕事探してます」さんがお見合いできるサイトが話題を集めています。

ランサーズやクラウドワークスですね。

これのサイトは、いろいろな仕事のジャンルを扱っているので総合マッチングサイトと言えるでしょう。

一方、翻訳や通訳、ウェブサイトの売買など何かに特化したようなマッチングサイトもあります。専門系マッチングサイトとでも名付けましょう。

ところで、「仲介サイトを作りたい」という場合、目的によっていろいろやり方は変わってきます。

単にボランティアで、需要と供給をマッチングさせるサイトを立ち上げるだけなら、掲示板システムを使えば簡単にできあがります。

そこで収益を得たい場合は広告収入。

でも、「仲介することで収益を得たい。」と考えている場合は、「ホームページを作る要領で作れる」シロモノではありません。

まず、会員制は絶対です。

利用登録をしてもらってログインIDやパスワードを発行。

もちろん、情報はログインしないと見られない状態にします。

その辺までならフリーCMSのXOOPSなどを使えば簡単に構築できます。

最大の難関はエスクロー

問題は金銭の授受方法ですね。

仕事仲介サイト(プラットフォーム)のランサーズやメルカリなどでは、エスクロー決済という仕組みを使っています。

発注者は仕事の依頼先が決まれば、一旦前払いとしてプラットフォームに支払います。このとき受注側にはまだ支払われません。ランサーズに一旦預託(よたく)されます。要するに仲介者が一旦預かります。

そして、仕事が完了したときにランサーズから受注者側に振込がされる仕組みです。

1万円の仕事を右から左に1万円で流してしまっては仲介料が得られないので、1万円の仕事を依頼する場合は手数料2700円などと決めておくわけです。

さらに税金もあるので、結果的に1万円の仕事を発注する場合は次のような計算をします。

発注者:10,000円+2,700円(仲介手数料)+1,000円(消費税10%)=13,700円
受注者:11,000円

仲介手数料を上乗せした金額を発注者から回収するということです。

ま、手数料をいくらにするうんぬんは誰でも考えられますが、このようなエスクローサービスをサイト上でやるとなると、素人にはもはや不可能になってしまいます。

システム開発会社などに依頼して作ってもらうしかないんですよね。となると、何千万にもはならないと思いますが、何百万単位で費用がかかってきます。

ちなみに、企業なり個人が「資金を預かる」場合、出資法の規制を受けるらしいのですが、資金を返す前提ではない、ランサーズのようなエスクロー決済は規制は受けないようです。

『預り金』の解釈は複雑です。結果的に『資金提供者に返還する義務がある』ものでなければ該当しません。

【エスクローの仕組みと出資法・資金決済法・信託業法との抵触】

一方、掲示板系のサイトを作ってアフィリや広告収入を得るというパターンもあります。これが誰にでも簡単にできる方法です。

どんなシステムを使うかは自由。掲示板CGIを使ってもいいし、XOOPSのようなCMSを使っても良いし、手作りホームページ系でも良いでしょう。

「ネットショップを始めたい。」って場合は、ショップサーブなどを借りれば直ぐにできるわけですが、マッチングサイトを始めたいって場合は、そう簡単にはいかないようです。

結局コレが一番かしこ方法

マッチングサイトのアイデアを持っている人は、どちらかと言うと起業家だと思います。

そこで取るべき行動は「自分でマッチングサイトを作る」のではなく、「マッチングサイトを作れる人や企業を探す。」でしょう。

「マッチングサイトってどうやって作るんだろう?」と思っている段階で業界の知識や技術も持っていないわけですから。

その「作るスキル身につける」という流れは「プログラマーになる。」という思流れです。

自分が起業家、アイデアの発案者になって、必要なリソース(資金や人材)などを集めて監督・指示をしながら立ち上げていくパターンです。

マッチングサイトに潜むリスク

起業アイデアとしてのマッチングサイト。

マッチング1回だけで手数料いくら。

この収益モデルだけでやっていくなら良いとは思いますが、通常は、ユーザーに繰り返しマッチングを行ってもらって継続的に収益を上げます。

「ランサーズ」や「トラベロコ」などもそうですね。

でも、どちらも、何度か取引をしていくと、お互い信頼関係ができて「直接やりませんか。」という流れになります。

余計な仲介手数料を省くためです。

もちろん、これは規約で禁止されています。

でも、お互いが言わない限り直接取引をしてるなんてわかりません。

卸サイトの「スーパーデリバリー」でもマッチングサイト上での取引を義務付け、ユーザー同士(卸と小売)が直接取り引きすることを禁止しています。

でも、そんなルールは完全に形骸化していて、直接仕入れたほうが断然やすくなるので、直接取り引きを持ちかけてマッチングサイトを利用しなくなるケースは後を経ちません。(私もその口ですが・・・)

ついでに、「くらしのマーケット」も消費者と工事業者などをマッチングするサイトとして有名です。

何度か利用しましたが、作業が終了して精算の段階になったとき、業者さんはチラシを出してきて「直接頼んでくれるとやすくなりますよ。」としっかり宣伝していました。

マッチングサイトの最大のリスクは、いくら禁止にしたところで、ユーザー同士が直接やり取りできてしまう点にあるでしょう。

マッチングサイトの設計をする

マッチングサイトのアイデアを実現したい場合は、発案者としてサイトの設計はできないと話になりません。

設計士が使うCADをおぼえて設計するとか、そんな高度な話ではないです。

手書きでも十分です。

設計というより構成を考える、といったほうが良いかもしれません。

どのようなページを用意して、どのような機能を実装するか。

ページの構成についても指示を出さないと作るる側が困ってしまいます。

評価システムやサイト上でのメッセージのやり取り、また、ワケのわからないユーザーが会員になってもいけないのでSMS認証を付けたりと。

構成を作るにしても、WEB制作に絡むさまざまな知識がある程度必要になります。

ま、資金があればマッチングサイトの制作実績のある業者を探して、「金はあるからしっかり打ち合わせして、ええもん作ってくれ!」と丸投げすれば、楽して作ることは可能でしょう。

ただ、観賞用のマッチングサイトにならないことだけは祈りたいですね。

器用な人と不器用な人

なにか起業アイデアがある。

そんなときに、考えるのが自分は器用なのかそうじゃないのか。

シンプルな例で言えば、「こんな製品あれば売れるのに。」といったアイデアが浮かんだ場合、器用な人は自分で試作を作ってあれこれ検証します。人によっては、市場調査からマーケティングまで行います。

でも、不器用な人は作ることすらできませんから、ただ、頭の中であれこれ考えるだけで終わってしまうでしょう。

不器用なのは、別に悪いことではなく、「人を頼ろう」という明らかなメッセージです。アイデアがあれば、それを実現すべく人を頼りましょう。




ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。