主婦仲間で起業するなら合同会社(LLC)か。お惣菜の通販例で考察

主婦仲間で起業(お惣菜)

仲の良い主婦同士、あるいは、特定の目的を持った主婦同士がビジネスを始める場合、「株式会社」というのは、ちょっと無理があるかもしれません。

株式会社の場合は「代表取締役(社長)」を専任しないといけません。だれかが代表にならなければいけません。そして設立にも30万円くらいお金がかかる。

でも、合同会社なら設立は6万円ほど。代表は必ずしも必要ではなく、むしろ「合同で出資している人」がそれぞれが社長といったイメージです。

「同額の出資なら、権利も同等」とすることで、上下関係なくフラットな関係で、ビジネスをスタートするこができます。

何かと有利な法人

法人を作るのは金がかかるし日々の帳簿の記録や決算書なども作らないといけないし手間も暇かかります。

でも、その分、信用が得やすいというメリットがあります。

個人ではNGだったこともすんなりパスしたり銀行口座も個人名なしの法人名で作れたり。

合同会社は、株式会社の「法人格」というおいしいところを取ったうえ設立費用が安いという美味しいポイントがあります。

先のように、同じ目的をもった人が集まってそれぞれ事業をする場合には向いているよね~って話です。

また、差別ではあるのですが、「女性一人の起業」ということで不動産屋を回ると避けられたりします(「ちゃんと家賃は払えるの?」みたいな)。

法人として進めるなら、このような差別も受けにくくなります。

(例)お惣菜の通販

例えば、ある主婦が「得意の料理の腕を生かしてお惣菜をネット販売したい。」と思ったとき。

家庭のキッチンで作ってパックにして冷凍して販売を開始。注文が入ったならクール宅急便で商品を送る。

一見成り立ちそうですが、「家庭のキッチンで作る」という部分が違法になってしまうんです。

また、レンタルキッチンなどで作ったものを販売するのも、違法ではありませんが、レンタルキッチン側が許してくれないでしょう。

じゃ、正式に販売するには、どうすればいいか?というと2つクリアしなければいけないポイントがあります。

(1)店舗を借りる
(2)必要な許可を取る。

店舗は何でも良いのですが家庭とは完全に分けていることが基本です。そして、許可は惣菜製造業食品衛生責任者の資格 。

作るものによって若干許可も異なります。菓子製造業もよく知られていますが、アイスクリームを作って売るのも「アイスクリーム類製造業」という許可がいりますしあん類製造業なんてのもあります。

1人で無理なら数人で

「なるほど。店舗を借りて許可を取れば売れるのね。」と、すぐに行動の移せる人は別にして、ひとりの主婦が副業的にお惣菜を販売するのに、店舗を借りて、許可を取って・・・というのはあまりにハードルが高いと思われます。

資金的に、超安く済ませるとしても最低で200万はかかります。

そこで、「お惣菜を副業で販売したい主婦が集まって合同会社を設立して共同キッチンを作る。」5人集まれば1人あたりの出資は40万円、10人なら20万です。

1人だと200万円かけないとできなかったことが5分の1や10分の1でできちゃうことになります。

なかなか魅力的じゃないでしょうか。

あと問題になるのは5人なり10人なり集まったときのトラブルです。許可とか法人とか、そういったこと関係なく人間関係のしがらみ由来の問題です。

そこさえクリアすれば、ハッピーな共同キッチンが作れることでしょう。

合同会社では代表取締役は置きませんが、誰か1人か2人、全体を仕切る幹事的役割の人を選ぶと良いですね。

法人なら入金用”子”口座20個まで可

合同会社

例えば、主婦のABCDEさんの5人で合同会社を設立。使うキッチンは共同ですが、それぞれ販売するものが違うので売上も違います。

だから、「それぞれ入金口座を分ける。」ということになろうかと思います。個人だと1つの銀行口座を分割するなんてできません。

でも、なんと!法人口座ならできるんです!

ネット販売ではおなじみジャパンネット銀行は、法人口座1つに対して、枝分かれ的に子口座を20個まで、支店口座を追加で設定することができます。

法人口座枝分かれ

例えば、設立した会社名が「合同会社SOZAI」とします。その場合、口座名は、「ド)ソーザイ」となります。

そして、主婦Aさんの屋号が「エーコホンポ」なら、

口座名:ド)ソーザイ エーコホンポ

主婦Bさんの屋号が「カラアゲビーコ」なら、

口座名:ド)ソーザイ カラアゲビーコ

とできるわけです。

最大20個まで、子口座を作ることができます。はっきり分けられるので集計も楽で明朗な会計ができます。

共同キッチンを使う時間帯の割り振り

共同キッチンなので1人で、好きなときに好きなだけ使うことはできません。

出資は全員同じ場合なら、時間も平等にしなければいけないので、しっかり話合いが必要ですね。 主婦なので自由になる時間帯が被る可能性が高いので、もっと仕組みづくりに神経を使うところでしょう。

ただ、キッチンなら同時に2人くらいなら使えるので、共同で起業する場合5人くらいまでに押さえておくと、わりと自由に使えるかもしれません。

ここで使えるのが、「誰がいつ使う」という予約カレンダーのような仕組みですね。Wixブッキングが安く使えるので良いですね。

PTAじゃないですが、ネットが得意な人はそれ系の仕事を担当したり、経理が得意な人は会計ソフトを担当したり、それぞれ役回りを決めるのも大事になろうかと思います。

かなり、面倒くさい内容ではありますが、安く簡単に「お惣菜の通販」を始めたいなら、この選択は、なかなか行けているチョイスだと思いますがいかがでしょうか。

割り勘するとなんでも安い!

とある女性は、クッキーなどの焼き菓子のネット販売をやっています。

1人です。

焼き菓子や料理は、かならず家庭とは別のキッチンが必要なので、通常は、何らかの店舗を借りることになります。

その女性は、おそらく月10万円程度の家賃を払っています。

でも、月間の売り上げは、数年前の情報ですが月商20万。

お菓子の原価はわかりませんが、安く見積もって2割と考えると純利益は16万円。

1カ月フルで働いても手取りは6万円。

でもお惣菜は、お菓子のような厳密な計量をしなくても味は出せるし、短時間で作れるもモノで商品を構成すれば、単価も取れるので利益も出しやすいですね。

で、問題になるのが家賃。

店舗販売を考えず、キッチンオンリーなら5万円くらいに収めたいところです。

これを5人で負担すれば1人1万円。10人なら5000円で済みます。

店舗賃料は都会ほど高いので、そこそこ人が集められる地方都市のほうがやりやすそうな印象です。

あとは、電気代、水道代、ガス代も折半すると、おどろくほど安くなります(^^)。

主婦の方は、1人で始めるより仲間を募って始めるほうが楽ですよ。

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。