黄色に金箔。ド派手なデザインについ衝動買い。もちろんタイトルも魅力的。
でも、この手のキャッチーな本に何十冊と騙された方も多いでしょう。見た目は大事ですが、中身がスカスカの本が氾濫しているご時世です。
ところが、この本は太鼓判押せます。実に良かった。
もちろん、本の評価は、読み手の資質に左右されるので、おもしろくない人もいると思いますが、その点はご了承くだされ。
おもしろいと感じるターゲットは、マーケティングやセールス、心理学などをそれなりに勉強しているビジネス初心者あたりでしょうか。起業する人や副業を考えている人にもぴったりだと思います。
そして、日々ひらめきを求めて情報収集するECサイト運営者のみなさまにもおすすめ。
本書の、内容をひとことで言うと、オズボーンのチェックリストですかね。本文には、「オズボーン」の文字は一度も出てきていなかっと思いますが、紹介されている50個のビジネスモデル公式は、大半が、オズボーンのチェックリストの9タイプのいずれかにカテゴライズされます。
で、この本が有益なのは、成功事例が、具体的企業名やお店名も含め、たっぷり紹介されている点です。
ただ、残念なのは「儲かっている」とか「成功している」と言った表現が見られましたが、具体的な金額の紹介は少なめです。だから、儲かっているといっても、「どの程度の金額なのか?」については、想像するしかないです。(ま、そんなリサーチまでやってると本の値段が跳ね上がるでしょうけど。)
そんな中、P238の公式48で紹介されているビジネスモデル「何もしない」は、具体的数字があって、実際のものかどうかわかりませんが、月の利益270万円ほどです。ECサイト物販業なら月商1,000万レベルですから、間違いなく成功している部類です。
「何もしない」という公式もアリですが、これはオズボーンのチェックリストで言えば、「NO.2のまねできないか?」にちかいような気がします。既存の業種「ネカフェ」や「貸会議室」のサービス内容にかぶる部分が多いですね。
でも、ネカフェはビジネスマンや学生、女性はあまり利用しませんから。真似てはいるものの、「市場をずらす」的です。つまり、アンゾフのマトリックスで言う、既存のアイデアで未開拓市場(ビジネスマン、学生、女性等をターゲット)に乗り込んだイメージですね。
ちなみに、従来型のネカフェは、「ネカフェ難民」という言葉が取りざたされたこともあるように、「不潔」とか「怖い」とか「暗い」といった悪い印象を持つ人が多いようです。最近は、それをクリアしたようなネカフェもあるようですが。。。
ネカフェは、確かにダークなイメージがありますが、シャワーがあるのが最強ですね。終電逃した人や早朝バス到着の人たちに重宝されているようです。
ま、そんな感じで、紹介されているビジネスモデルが、「どのフレームワークを使っているのか?」「どれに当てはまるのだろうか?」、そして「まねできないか?」なんて考えながら読むと一粒で二度おいしいお買い物になるのではないでしょうか。