これからネット通販に参入する個人事業主や法人の担当者など、最近の人はリサーチ力が高く、ある程度良い感じで情報を得ている印象があります。
SEOの知識とかも、びっくりするほどレベルが高いことが多いですね。
ただ、「共通しているのは現場のリアルの情報に乏しい。」ということでしょう。
ヤフーにしろ楽天にしろ、実際にECサイトを運営している人を直接知っていると良いですが、周りには、なかなかいないですからね。
そんなわけで、今回はヤフーショッピングに出店している身として、できるだけ生の声をお届けしたいと思います。
無料だけどハードルは高い
無料はとても魅力的ですからEC事業をスタートする場合は、まず候補にあがるヤフーショッピング。
実際はどうなのか?
出店に費用はかからず、月額の固定費も無料。
でも、売り上げに応じてそれなりのコストは発生します。
売り上げゼロでも、楽天のように毎月数万円の出費ということはありません。
そこはありがたい。
結局、何のハードルが高いかとうと「店づくり」と「運営」です。
こんな人は出店やめなさい
「先月まで市役所に務めていました。定年を迎え、ボケ防止も兼ねて今日から、家庭菜園で作った野菜をネット販売したい。もらっている年金もしょぼいののでコストは低く始めたい。ヤフーショッピングいいじゃん?簡単そうだし。」
こんなノリの方には、まったく向いていないサービスです。
そんな人は、BASE株式会社のサービスのほうが良いですね。
あるいはメルカリとか。
こちらはド素人でも販売サイトが作れます。
その分売り上げの手数料約10%は持っていかれますけどね。「出店無料。売れた時だけ方式」)
ヤフーショッピングに出店を決めて申し込み審査もパスした。
この段階で喜ぶのはまだ早い。
スタートラインにも立っていませんから。
ネット販売のスタートラインは、「商品が売れる通販サイト」の基本セオリーに沿って作られたサイトが完成して初めてスタートラインに立つことができます。
スタートラインに立つだけですよ。
「売れる」とは別の話です。
実際の話ですが、「無料」につられて出店を決めたのにサイト作りができず、中途半端な見た目のまま開店休業のアカウントだらけです。
tただ、うん十万店の契約アカウントがあるので、そういった店子を目にすることはあまりないです。
というのも、そういったお店は検索で出てきにくいからです。
ここで、何が重要かというと、やはり、サイトを作り上げる技術です。
具体的にはHTML。
繁盛店の基本法則にそって構築できれば、なんとかスタートラインに立てる感じです。
総合的集客力あり。しかし、どれだけ売れるかは未知数
ヤフーショッピングは、いわゆる、ネット上のショッピングモールという位置づけです。
「ショッピングモールは集客力があるのがメリット」なんって言われてきました。
確かに、集客力はあるんです。総合的な。
これは、ショップサーブなどで、本店サイトを立ち上げた経験がある人ならわかると思いますが、モール出店の場合、宣伝をしなくてもお客さんの訪問(アクセス)があって注文が入るんです。
つまり、広告費をかけずに注文が入りますから。モール外でやるのとは決定的に違う点ですね。
ただし、この話を鵜呑みにしてはいけません。
あくまで、そうなるお店の話です。
同じような商品、同じような価格帯、類似品も多数。
そんな商材を扱うライバル店だらけの中、出店した場合。いくら集客力のあるヤフーショッピングと言えど、アクセスがあるかどうかも怪しくなります。
ま、そこは出店前のリサーチである程度推測はできそうです。
ヤフーショッピング内の検索結果で、「どのポジションが得られそうか?」と言った点についてシミュレーションします。
また、予測しても、その通りの結果になるとは限らないところが面白いところです。
「ぜったい売れないであろう」商材を、「載せるのは無料だから」ということで載せておいたら不思議と売れたり、売れると思った商品が全く売れなかったり。
まとめると、「出店すれば猿でも売れる。」なんて甘い話はありません。
事前に、すでに出店している同業他社の状況を調べて、どの程度のシェアを取れるか(いろいろな施策も含め)?などを検討する必要があります。
うまくいけばサイコーの結果に
出店する前は、市場リサーチや売り上げシミュレーションなど。
そして、それぞれの個人的不安など、いろいろありますが出店さえしてしまえば、結果はわかります。
そこで、今後どうするか判断してもコストはかからないので、全然遅くないのが無料の最大メリットです。
自社以外、ヤフーショッピング出店の事情は、話を聞く限り、まともに稼働できて言るのは10店中1店くらい。
成功率10%くらい。(2021年現在の印象。)でも、成功率10%って考えようによっては高い数字ですね。
ダメなパターンはこんな感じです。
・競合が多すぎて埋もれてしまってアクセスすらない(もっとも多い)
・競合が多すぎて有料広告を使ってもコストがかさみ断念
・そもそも、店づくりができなかった(多い)
・それなりの店づくりができても、その後の運営が続かなかった(人員不足)。
店づくりができたなら、ショップサーブの無料セミナーにもあるように、「ECサイト運営の基本(繁盛店になるには)」に沿った、やり方をコツコツしていけば売れるサイトに育てていくことができます。
でも、そこまで情熱がない場合(出店して満足する系)や運営人材がいない、コストが続かないって場合は、どうしようもないですね。
そんな中でも、10店中1店くらいはうまくいく。
いろいろな条件が絶妙にかみ合って、新規出店でもトントンと事が進んでいく場合があります。10分の1になれるかどうか、やってみないとわからない・・・
ちなみに、ヤフーショッピングのスピンオフとでも言いましょうか、2019年10月には、PaypayモールやPaypayフリマなど新しいサービスが始まりました。
こちらはヤフーショッピングに出店していれば、誰でも出店できるわけではなく「Yahoo! JAPANが定める安全・安心の出店基準を満たしたストアのみが並ぶプレミアムなオンラインショッピングモール」だそうです。
審査にパスするとヤフーショッピングは卒業でPaypayモールだけになるようです。
Paypayモールはヤフーショッピングの上位版だそうで。
当店は声がかかることがありませんでした・・・(T_T)
販売手数料はめちゃくちゃ安い
2021年追記です。
コロナ渦の巣ごもり消費の拡大でネット通販が以上なほど伸びました。
そして、今も続いています。
ヤフーストア出店は費用は0円ですが、決済手数料やアフィリエイト手数料、ポイントなどの手数料がかかります。
なので、完全に0円運用することはできませんが、楽天やアマゾンに比べると激安と言って良いですね。
詳しい数字は他のサイトに譲るとして、最低手数料で運用しようと思えば5%前後じゃないでしょうか。
でも、これでは検索上位の露出が減ってあまり売れない。
当店の場合は、PRオプションを高めに設定していますので、最終的に15%~20%の販売手数料という事になっています。
結局、楽天やアマゾン並の手数料になるわけですが、本店サイトに手がかかってヤフーストアは完全にほったらかしです。
でも、結構売れています(^^)。
追加で広告も出してないし、顧客情報の扱いの制限もないし、自由度が高いので、トータルで考えると販売手数料は全然安いと言えます。