コロナ渦にはお菓子作りが爆発的にブームになって、スーパーのお菓子コーナーはガラガラになりましたね。
その関係か、「お菓子を作ってネット販売をしたい。」とう声が数多く寄せられています。
今回は、「すでにお菓子作りができる人」を対象に、ネット販売を始めて、そのプチ・ビジネスを回していく方法について解説します。
ネット販売そのものは、主婦の方でもOLの方も副業でできるレベルです。
ステップ1 販売サイトを作る
販売サイトは、無料のベイスを使う人も多いですが個人的にはオススメしないです。
最初は無料でいいけど、売上が上がれば上がるほど手数料がかさんで利益を圧迫するからです。
おすすめは、Shopifyですね。
もともとカナダのサービスだったのを日本に持ってきたので、英語の箇所がちょっと残っていたり、よくわからない日本語表現があったり最初は難しく感じるかもしれません。
でも、慣れたらなんてことないんです。
慣れるまでがちょっと大変なだけ。
私も1店舗で使っていますが、とにかくサクサク使いやすい。
ネット通販は20年以上やっていますが、ようやく、不満なく使えるサービスができたなぁって思います。
Shopifyでは、商品写真さえ用意すれば数分で商品ページができあがります。
商品登録は2、3分もあればできます。
デザインや色は後からお好みで変えることができます。
お菓子なんでかわいいデザインにしたいですね。
「絶対に、ショッピファイが良い。」てワケじゃないですよ。
いろいろな選択肢がありますから。
ただ、過去20年、30以上の通販サービスを使ってきたうえで、今、「焼き菓子のネット通販」をするなら「これかな?」という個人的な感想です。
これだけは絶対に忘れないで
販売サイトについて1つ必ずやっておいて欲しいことがあります。
それはドメインの取得です。
ドメインとはネット上の住所に相当します。
ドメインを取るとは世界に1つしかないあなたの住所になります。
費用は年間1,500円くらいと子供のお小遣いでも買えるくらいの金額です。(購入サイト:ムームードメイン(mumu domain))
なぜドメインが必要かというと、例えば1年後に販売サイトを「base(ベイス)からShopifyに乗り換えたい。」なんてことがあります。
「やっぱ手数料が重い・・・」と。
ネット販売では「あるある」の乗り換え理由です。
そこで、もしドメインを取っていればスムーズに引っ越しができますし、お客さんにご迷惑をおかけすることもありません。
でも、ドメインを取っていなかった場合、つまり、お店のアドレスにbaseのアドレスを使っている場合、その販売サイトは捨てるしかないのです。
base専用のアドレスを持ってよそには引っ越しできないのです。
となると、今まで蓄積した販売サイトのデータは全部捨てて、新しくお店を立ち上げることになります。
もしくは、泣く泣く一生baseを使うことを決意する他ないのです。
自分のドメインを持っていれば、販売サイトはbaseだろうがShopifyだろうがショップサーブだろうが、どこへでも引っ越しすることができるのです。
これまでのページのデータなども、そのまま持っていくことができます。
私自身ビギナーのころに失敗したことがあるので、ネット販売するなら「ドメインは絶対にとっておけよ。」と忠告しています。
ステップ2 宣伝する
ネット販売できる体制ができたら宣伝です。
ネットショップを作りました。
商品も登録しました。
以上!
これでは3年待っても10年待っても、お菓子が売れることはありません。
それだけだと、観賞用ネットショップです。
販売サイトができた後は宣伝。
売れるか売れないかは宣伝にかかっています。
幸い、今の時代、SNSという強力な無料宣伝ツールがあるので、どんどん使いましょう。
クッキーを始めとした焼き菓子やスイーツは、インスタを始めフェイスブックなどの相性がめちゃくちゃいいので、今の時代の人は良いなって思います。
お菓子の写真を投稿したら、それが買えることがわかるように情報を入れる。ハッシュタグも大事ですね。
インスタ→販売サイトの流れを作ることで商品が売れていきます。
ステップ3.梱包して発送する
「梱包して発送する。」と聞くと簡単に聞こえるかもしれませんね。
でも、お菓子の販売の場合2の点に注意する必要があります。
梱包
衝撃に弱いので崩れにくい梱包が必要になります。
もっとも、冷凍で送ることも多いので、その場合はプチプチにでも巻いておけば済みます。
さて、ここでしっかり考えないといけないことがあります。
それは梱包サイズ。
「絶対にクッキーが割れないように!」と気合を入れてつくったらバカでかい箱になった・・・
送料1500円也。
そんなことになると利益が吹き飛んでしまいます。
できるだけミニマムかつ、割れにくい崩れにくい梱包を工夫する必要があります。
これは、すでにあるお菓子のネット通販店を利用することで、「なるほど~、こうやって梱包するのか?」と、簡単にアイデアが得られます。
常温のお菓子はレターパック(380円)なら、全国どこでも一律で届けてくれるのでお得ですね。
冷凍の場合は、ゆうパックやヤマト運輸、佐川急便など民間の運送会社を利用することになります。
その都度、営業所まで持っていく方法と、集荷に来てもらう方法があります。
表示ラベル
商品にはラベルを貼ることが義務付けられていますので、家庭用のプリンターなどで印刷して1つ1つ貼っていきます。
2020年4月からは、 賞味期限や製造者名や製造場所の他、栄養成分の表示も義務付けされました。
以前まではこのラベルだけ。
それに加えて、「 熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示) 」の表示が義務付けられました。
そんなにキツイ法律ではないので、栄養成分表示がないからと言って、すぐさま摘発される」ということは考えられないですが、お菓子の製造者ならきっちり表示すべきでしょう。
お菓子の場合は、各材料をグラム単位で測って作るので栄養成分はわりと計算しやすいですし、栄養成分を計算してくれる無料アプリを使うのも良いでしょう。
ラベルについては、業務用の高額なプリンターなどもありますが、「ラベル屋さん」などの無料サービスを使ってプリントしたものでも問題ありません。
参考:【事業者の方向け】栄養成分表示を表示される方へ (消費者庁) https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation/business/
表示ラベル用テンプレート
ラベル屋さんにコピペしてすぐに使えるテンプレート。
内容は架空のものなので、各自変更して使ってください。
商品名:チョコレート・ブラウニー
名 称:焼菓子
原材料:卵、チョコレート(砂糖、カカオマス、ココアバター)
(乳成分・大豆を含む)、砂糖、小麦粉、生クリーム、
ココアパウダー、くるみ、牛乳、バター、ラム酒/香料
内容量:100g
賞味期限:202X年12月31日
保存方法:直射日光、高温多湿を避け常温で保存してください。
製造者:お菓子工房GOTOしんばし
〒141-0032 東京都新宿区東西新橋1-1
※開封後は賞味期限に関わらずお早めにお召し上がりください。
栄養成分表示(100g当たり) エネルギー 365kcal、
たんぱく質 8.1g、脂質 30.1g、炭水水化物 45.6g、
食塩相当量 0.25g ※推定値
ステップ4.お客さんとコミュニケーション
積極的にお客様とコミュニケーションを取ります。
「美味しかった。」
「かたかった。」
「ちょっと味が薄い。」
など、お客さんの、いろいろな声を聞くことで、お菓子のクオリティーを上げていくことができます。
「自分でおおしい。良かれ」と思ったレシピもお客さんにとっては、そうでもないこともよくあります。
お客さんあってのネット販売ですから、お客さんの声をしっかり聞いて販売に活かすのがやり方として正解です。
ネット販売開始したときのお店は、よちよち歩きのヒヨコ・ショップです。
いざ、ネット販売を始めてみると、予想していなかったことや、声がどんどん集まってきます。
その都度対処して、おいしい卵が埋めるような立派なニワトリ・ショップに育てていくのが大切です。
開店当初からいきなりは難しいですが、お菓子に相性の良い紅茶やコーヒー、ジュースなどのドリンク系もチョイスして販売する方法もあります。(※お酒の販売は許可がいる。)
もっとも、お菓子一本で十分売上が取れたら、それに越したことはありませんが、別の商品を一緒に買ってもらうことで単価を上げることができます。
ステップ5.ファン作り
お菓子は食べたらなくなります。
また食べたくなります。
だから、とてもリピーターの付きやすい商材です。
こつこつリピーターを増やすことで、しっかりとした売上が作れ、収入も安定してきます。
リピーター作りの基本は、「お店を覚えてもらうこと。」
そして、定期的にお客様とコミュニケーションを取ること。
女性が美容質に髪を切りに行くとき、ほとんどの場合、担当の人を決めていますよね。
それによく似ていて、女性はわりとお菓子のお店「これ!」と気に入ったら、長く利用してくれます。
「このお店のマロンケーキが日本一おいしいと思うわ。 私はこのお店以外では買わないの。 」
こんな会話は日常的にかわされていますよね。
それくらい女性ファンをガッチリつかめば、ビジネスも安定してきます。
そして、毎日楽しくお菓子作りができるし、新しいアイデアにもどんどん挑戦していけます。
この気持ちで
「おいしいお菓子を届けたい。」そんな想いは、パティシエもそうですが、お菓子作りをする人には当然です。
でも、それ以外「無理に頑張る人」というのがいます。
頑張っても疲れるので、「売れるようになったらいいな。」と気楽な気持ちでネット販売を続けるのが、遠いようで成功への近道だと想います。
「絶対に売る!」とか「失敗したらいや!」とか、偏った感情を持っていると、いずれスイッチが切れるタイミングがやってきます。