飲食店開業マニュアル的なネット情報も書籍もたくさん出ています。
それら、すべてに共通するのは、「参考にはなるけど再現性はない。」ということ。
つまり、同じように開業準備をして事を進めていっても、必ずしもうまくいくとは限らないということです。
この点は、しっかり認識したほうが良いでしょう。
なぜ再現性がないかというと「時代は常に変化しているから。」
2005年にその方法は「成功法則」だったかもしれないけど、2022年には、まったく無効。
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コンセプトなんて固めても意味ねーぞ
飲食店をいくつも立ち上げている人は、勝手がわかっているので「この立地でこのコンセプト」というのはだいたい当たります。
でも、初めての開業だと、よほどセンスがよくないと当てるのは難しい。
だから、初めての開業なら、コンセプトはテキトーな感じで決めておいて開店してから状況に応じて、カメレオンのように変化できるよう準備しておくのがベターでしょう。
例えば、極端な例ですが、「オーガニック野菜のベジタリアン向けレストランを開業する。」ということになって物件を取得して開業。
ところが、「その場所は、オーガニックとかベジタリアンとかとは無縁の庶民的な人しかいない場所だとわかった。」
初めての開業あるあるですが、そんなときに、オーガニックやベジタリアンなどのコンセプトは忘れて、唐揚げ屋に業態をチェンジするイメージです。
初めての開業は、それくらいの許容量をもっていると失敗しにくくなるでしょう。
「何がなんでもオーガニック・ベジタリアン」と固執する人は、だいたい1店舗目は潰しますね。
事業計画書は盛って盛って盛りまくる
「無借金経営」と言えば聞こえは良いですが、商売は借りてナンボです。
日本政策金融公庫に借りましょう。
自己資金100万円もあれば1000万円借りられます。
公庫に借り入れをする場合、事業計画書などを作りますが最終的には面談が決め手になるような印象です。
そもそも、公庫の担当者は半分公務員的で起業経験もないわけですから「すごい。」とか「いけそう。」と思ってもらえば勝ちです。
「あんた(担当者)より、だんぜん経験豊富で、この事業はイケてるぞ。」ということを、オーラで示せば、だいたい通ると思いますね。
逆に、自信なさそうに「ぜひ貸して欲しい。お願いします。m(_ _)m」みたいな、下から行くと印象は悪くなりそうです。
「貸してくれなくても、困りませんが何か?」くらいの勢いで行くのがコツだと思いますね。
初めての開業は路面店マスト!
すでに客を持っている人が雑居ビルの3階や4階で開業するのはアリです。
でも、「これからお客さんを集める。」という段階の人は路面店はマストです。
路面店の賃料は、それなりに高くなりますが、それは賃料というより広告料です。
追加で広告をしなくても自動的にお客さんが入ってくるのが路面店です。
ここはぜひ楽をしていただきたい。
「入りやすさ。」などのファサードの工夫は必要ですね。
ビルの3階にあるようなお店は、基本的に道を歩いている人に一切気づかれません。
1階に看板を置いたところで弱いです。
よほど「行ってみたい。」と思わせるような看板が作れない限り厳しいです。
よる専門のBARの場合は、業種的に雑居ビルの5階や6階にあって不思議はないので、1階の看板次第でなんとかなります。
でも、それ以外の業種を上層階で開業すると集客に苦労するのは明白です。
飲食店開業は、成功事例より失敗事例
飲食店を開業する場合は、成功事例より失敗事例です。
物理的な店舗を持つ飲食店はスペース的に制限があります。
そのため、開業した後に「しまった!」ということが多々あります。
そういった失敗例は、書籍などに書かれているので、しっかり読んで、その失敗を回避するよう開業準備を進めるのが良いでしょう。
例えば、これ。
カフェブームを作った人の書いた本です。
手作りでお店を作ったけれど、なんと「ゴミ箱を置く場所を確保していなくて苦労した。」というくだりがありました。
飲食店を経営したことがなければゴミ箱の重要性なんてわかりません。(家庭ゴミの10倍のゴミが出る!)
「へ~。なるほど。」とは思ったけど、当然、やったことはないので実感はないですね。
でも、店舗作りのときゴミ箱スペースをしっかり取ったおかげで、ゴミ箱トラブルはなしで済みました。