売れるオリジナル商品が簡単にできたら苦労しないですね。
これまでオリジナル商品をいくつか作ってきましたが、そこそこ当たっています。
「そのアイデアどうやって考えたんですか?」なんて聞かれることがあるので、アイデアの作り方について考察。
ソリューションであるべし
世の中に出回っているすべての商品はソリューションです。
ソリューションとは問題解決。
誰かの問題や悩みを解決するのが商品。
例えば、オーブンは「パンを焼きたい」という課題を持っている人に対するソリューションです。
冷蔵庫は「食材を長期保存したい。」という悩みに対するソリューション。
どんなオリジナル商品であってもソリューションでないと売れません。
なので、「誰かの悩みや課題を解決できるかどうか?」というのがアイデアを発想する起点になります。
需要をつかむこと
「鼻糞を乾燥させてパウダーにするとおもしろい。」と思っても、そんなことを求めている人はいないので売れません。
つまり需要がないわけです。
商品が売れるのは需要があるから。
アイデアをどんどん出して、そのアイデアを求めている需要があるかどうかは必ず確認する必要があります。
需要を確認する方法はキーワード検索です。
「そのキーワードが検索されているかどうか。」を確認します。
検索がなければ需要はありません。
でも、検索されている事実があれば、少なくとも需要はあるわけです。
類似品をリサーチする
「このアイデアいけてるんじゃね?」と思っても、あなたが考えるようなことは、この広い日本の中で、すでに誰かが思いついて商品化されていることがほとんどです。
あなたが思いついたアイデアが、まんま商品になっている場合は、同じものを作っても二番煎じでたいしてうれません。
いや、二番煎じでもライバルが少ない場合は「ライバルより値段を安くする。」などの戦略で売れる可能性はおおいにあります。
例えば、珪藻土【けいそうど】をつかったバスマット。
お風呂からあがったと、一般的なマットではなく、土で作られたマットに乗ることで水分を吸収してくれて足の裏がさらっとするやつです。
確か、金沢の企業が開発したんです。(間違ってたらすんません。)
これが大ヒット。
その後、ヒットしているのを知った企業がこぞって類似品を作りました。
アマゾンもオリジナルで作ったほどです。
価格75%オフです。
オリジナルは8,000円くらいで、アマゾンオリジナルは2,000。
このように二番煎じでも売れることはあります。
ただ、二番煎じが増えてくると、売上も反比例してどんどん減ってきます。
特許や意匠などを取っていれば他社はコピー商品を作れないのですが、同社はとっていなかったのでしょうか。
売れてる商品は、国内はもちろん、お隣の企業もどんどん真似をしてきます。
そういった事情を織り込んでオリジナル商品を作ると良いと思います。
まあ、お隣の国のメーカーなどは特許とか意匠、実用新案とか関係なくコピーしてきますが。
他人のアイデアからヒントを得る方法
普段人間活動をする中で特に困ったことがない場合は、ソリューションしようとも思わないのでオリジナル商品のアイデアは出てきにくいです。
なので、自分が困っていない場合は「他人のお困りごと」をリサーチすると良いです。
知恵袋には悩み相談などが多く掲載されていますから、その中から「へぇ~そんなことで悩んでいる人いるんだ。」と知ったなら、「じゃ、彼や彼女の悩みを解決できる商品は作れるだろうか。」と発想します。
また、特許情報もアイデアを作るヒントになります。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/
特許情報は公開されていて誰でも見ることができます。
例えば、次のような特許。
犬の散歩のときに、うんちが落ちる前にキャッチできるという商品。
このアイデアの発案者は、犬の飼い主が「落ちたうんちを拾いたくない。」という悩みに対するソリューションになると考えたのでしょう。
おそらく犬の飼い主であれば、誰でも思いつくことですが、犬を飼っていない人にとっては発想すらないわけです。
このように特許情報を「悩み」や「課題」という視点で見ていくと、非常に参考になり、アイデアを作るヒントになります。
ちなみに、うんちをキャッチするような商品はすでに販売されています。
特許申請されましたが、画期的というほどではないので、おそらく商品化もされないのではないでしょうか。わかりませんが。
個人でオリジナル商品を作るには
オリジナル商品を作りたいって思っているのは個人が多いのかな?って思います。
ある程度の企業であれば、オリジナル商品を作るような手順はわかっているはずなので。
個人の場合はね、、、コネもなければ資金もないし。
となると、「小規模な工場」というのがキーワードになるかと思います。
大きな工場などに「これをオリジナルで作って欲しい。」などと言うと、「わかりました。ロット5000点で承ります。」といった取引になっています。
なので、できるだけ小規模な家内制手工業的な企業に話を持っていくのが定番です。
お父ちゃんとお母ちゃんでやっているような工場【こうば】ですね。
そういった小規模なところなら、小ロットでオリジナル商品の製作を請け負ってくれる場合があります。
もちろん、大手でも「ロット1から」と謳っているようなところもあるので、そういう文言を見つけたなら問い合わせてみるのも良いと思います。
オリジナル製作可能な個人企業の問題点
当店でも「木工商品」に関して個人企業にときどきオリジナル商品の製作を依頼します。
が、、、何をするにも「紙」「FAX」など、アナログなんです。
「WEBのオーダーシステムが完備されていてクリック&クリックでオーダーできる。」とは、かけ離れた時代にいます。
もう、これはあきらめるしかないかもしれません。
相手に合わせましょう。
先日も、オリジナル商品を依頼するのに、わざわざ車で工場まで行って「社長に設計図を見せて見積もってもらう。」というアナログなことをしました。
70手前の耳が聞こえない社長に仕様を伝えるのはなかなか大変です。
「は?」「え?」「なに?」の連続で草。
その商品に気になる点があればオリジナル商品で!
最後に、もう1つオリジナル商品のアイデアの作り方を。
市場には商品が溢れているのは周知の事実。
でも、1つ1つを使ってみて「完璧」な商品は少ないと思います。
「ここがもっとこうだったら良いのに。」とか「実用的だけどダサい。もっと、かわいければいいのに。」とか。
その不満がオリジナル商品に繋がります。
特に日本メーカーは実用性を重視しデザイン性を軽視する傾向があります。
ださい商品におしゃれさをプラスするだけで、一瞬にして「売れる」オリジナル商品になることもあります。
オリジナル商品を作りたい方は、出会ったり使ったりする商品に対して、常に「不満アンテナ」をはっておくと良いと思います。