一言に「注文キャンセル」と言ってもタイミングによって3パターンに分かれます。
(1)注文直後「発送前」のキャンセル
(2)商品「発送後」のキャンセル
(3)客が注文を受け取った後のキャンセル
図で示すとこんな感じ↓
この3つのタイミングの「どこでキャンセルとなったか?」によって、お金の動きもメールテンプレートの内容も違ってきます。
それでは、ひとつひとつ見ていきましょう。
発送前のキャンセル
注文を受けた段階、あるいは、梱包済みの場合もあるかもしれない。
いずれにせよ、運送会社に荷物が渡る前のタイミングでのキャンセル。
このタイミングでは「送料が発生していない。」というのが特徴です。
つまり、お店にとって、少なくとも送料コストはかかっていません。
なので、このタイミングでのキャンセルは、ポチっとやって「定型文」を送信して済みます。
カード決済やその他の電子決済の場合は決済の取り消しを行います。
メールテンプレート文例
キャンセルのご連絡ありがとうございます。
キャンセルの手続きが完了しましたのでお知らせいたします。
またの機会がありましたらよろしくお願いいたします。
ポイント
すでに梱包が完了している場合、お店によっては梱包材を破棄せねばいけないケースもあるでしょう。
無責任にキャンセルする客に対して無駄になった梱包材費用を請求したいところですが、そういった費用の請求は、受け入れられないケースが多いと思いますし一般的でありません。
よって、あまり細かいことまで請求してしまうとかえって印象が悪くなり、次回の購入の可能性をつぶしてしまうことになりかねません。
無駄は痛いですが「避けられないコスト」として考えるのが効率的です。
発送後のキャンセル
商品を発送した後のキャンセルの特徴は、運送会社から「送料の支払い請求」が発生するということ。
一度運送会社に商品を渡した段階で送料が発生します。
客は「キャンセルは全部タダ」だと思っていることが多いのですが、発送後のキャンセルほど損害の大きなケースはありません。
可能な限り客から送料は請求しましょう。
メールテンプレート文例
キャンセルのご連絡ありがとうございます。
今回、すでに商品は「発送済み」のため、
規約にもとづき「送料」のご請求が発生いたします。
お手数おかけしますが下記口座までお振込みお願いいたします。
ご請求額:1,200円
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Paypay銀行 フジサン支店
普)1234567
カ)ツルカメハンバイ
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※振込手数料はご負担ください。
文例では「お振込み」としましたが、これは客の支払いがまだの場合に限ります。
具体的には代金引換やコンビニ後払いが相当します。
ポイント
実は、この発送後のキャンセルは厄介です。
もちろん、送料をこちらで負担する方針の場合はサクッとキャンセル手続きは完了しますが、客から送料を請求する場合は、払わない客が必ず発生するのです。
意図的に支払わない場合と、「キャンセル連絡」をもってキャンセルできたと思い込んでメールも見ていない客など。
もし、メールで請求したにも関わらず支払いがない場合は、文書で郵送すると支払い率はぐんと上がります。
受け取り後のキャンセル
商品受け取り後のキャンセルは、キャンセルと言うより返品に相当します。
送料が発生しているのは、発送後のキャンセルと同等ですが、それ以外に確認しなければいけない点が2つあります。
1つ目は、返品(キャンセル)の申し出のタイミングは規約に定める期間内か外か。
2つ目は、商品は未開封なのか開封後なのか。
返品可期間内の場合
返品期間内かつ、商品が未開封の場合は、快くキャンセル(返品)のメッセージを承って、手続きをすすめます。
すでに受け取っているわけでお店は代金を回収しています。
なので、「必要経費を差し引いた金額をお客様に返金する」という流れになります。
メールテンプレート文例
この度はキャンセル(返品)のご連絡ありがとうございます。
お手続き方法についてご連絡差し上げます。
お手元の商品を元箱に梱包して抱き弊社までご返送ください。
送料はお客様にてご負担くださいませ。
なお、発送時の送料が発生しておりますので、
送料、振込手数料を差し引いた金額の返金となりますこと、
あらかじめご了承ください。
こちらも発送時の送料をお店持ちとする場合は、支払額まるまる返金しますが、個人的には甘い対応だと思いますね・・・
全額返金してしまうと、発送時の送料はもちろん、振込手数料、カード決済手数料をお店側で負担することになりますから。
そんなことがまかり通るのは、消費者の教育上よろしくない、と考えています。
常識があってマナーの良い消費者が増えて欲しいですからね。
返品期間外の場合
当店の場合、規約では返品は7日以内としていますが、1か月後や半年後などに「結局使わず開けてもないのですが返品できますか?」といった連絡があります。
実は、けっこうな頻度で発生します。
賞味期限のある食品でもないので、お客さんも、買ったものの使っていないので「返品できるかしら?」と思うこともありますよね。
本来なら、返品期限を過ぎているのでお断りなのですが、やはりお客さんの気持ちを考えると、未使用なら返品を受けてあげたほうが親切ですし、お店に対する印象も良くなります。
だから当店では、規約では返品は7日以内(未開封に限る)とはしていますが、このようなイレギュラーなキャンセルは通常業務として受けています。
メールテンプレート文例
返品のご連絡ありがとうございます。
規約により、お受け取りから7日を過ぎた商品についての返品は
お受けできないルールとなっております。
できれば、お客様側にて処分して頂きたいのですが、
「どうしても返品されたい」という場合は、
【必要経費を差し引いたうえでの返金】という条件にて
お受けすることも可能です。
こんな感じで一度送ります。
すると、だいたいのお客さんは、「必要経費を差し引いても良いのでお願いします。」と返事が来ることがほとんどです。
送料はもちろん、返金時の手数料や、すでに引かれたカード決済手数料、さらには、梱包材の費用も引いてもお客さんは文句は言いません。
まとめ
当店では、いろいろなジャンルで複数店舗のネット通販サイトを運営しています。
商材なども異なることがありますが、全店舗で、キャンセル時は今回のような対応を取っています。
中には、知能レベルの低い客が「なんでそんなもの請求されなきゃいけねーんだよ!キャンセルはキャンセルなんだよ!バーカ!」なんてこともあります。
そういった底辺系の消費者は、対応するだけ時間の無駄なので深追いはしません。