ECとは無縁のメーカー営業マンと話していたとき、「SEOって、あれですよね。検索エンジンで上位でるようにするやつ。」と。
今どき、ECに関係のない人でも知っているSEO。
すでにたくさんの情報があるので、ことさら触れる必要もなかろうとは思いましたが、一応EC情報を発信するウェブサイトなので、経験を踏まえ基本から応用まで触れてみたいと思います。
SEOは継続するもの
2005年に開店した自社のネットショップの1つ。
SEOを意識しながら作って以来10年以上、検索結果ではトップを維持していました。
当時のSEOは今よりもっと単純だったので、その技術を使って常に上位をキープしていました。
ところが、スマホが普及したり言語がHTML4からHTML5などへ変更され、その対応に遅れたため、10年を過ぎたあたりから、ライバルが多数現れたのもあり、順位はどんどん下がり、今では完全圏外です。
なぜ、対応しなかったかというと、上位表示されているもののあまり売れていなかったというのもあり、また、「あまり力を入れていないECサイトだったから。」という理由が大きいです。
商品数も数千点とあり、「全部SEO?」と考えるだけでやる気がなくなったから。
このように状況の変化に対応するようコーディングや構成をチューニングしていかないといけないのがSEOと言えます。
つまり、つねに最新の情報をキャッチしながらコツコツPDCAを回していくのがSEOと言えます。
「ネットショップ作りました。後はおまかせで!」と放ったらかしにしていては、今のEC業界では雀の涙の売上も取れません。(例外あり)
SEOの基本中の基本
SEOをする上で目指すべきポイントはGoogleのガイドラインが最大のヒントになります。
ちょっと難しいので、初心者でも理解できる文章を紹介します。
- 情報が豊富で便利なサイトを作成し、コンテンツをわかりやすく正確にページに記述します。
- コンセプトに基づいたわかりやすいページ階層となるようにサイトをデザインします。
コンテンツとは内容のことです。
お客さんに、「このお店は、情報がたくさんあって、わかりやすくて便利だな。」と思ってもらえるページを目指すということです。
ページ階層とは、例えば、「果物」のカテゴリーに「シャンプー」が入っていると、お客さんも困ります。
「わかりやすいサイトの構成しましょう。」ということです。
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja#1
初心者はこの5点を押さえよう
SEOには内部施策や外部施策など、それぞれ細かくやるべきことがあります。
一気にやろうと思うと混乱するので、今回は3点だけしっかり押さえておきましょうというのを挙げておきます。
ページタイトル
通常、ネットショップをやる場合ShopifyやショップサーブなどのASP(開業サービス)を使います。
となると、商品個別ページは1商品=1ページとなります。
ページタイトル=商品名です。
ただ、楽天ショップにみるような長ったらしい商品名の付け方に見るように、重要キーワードの詰め込みがなされるのが今のネットショップのSEOの事情と言えます。
商品名の例(架空の商品名)
Abcd Pro エービーシーデー・プロ・UMP-2X・初心者向け・ソプラノウクレレ・マホガニー材 (国内保証書・チューナー・教則本・コードチャート・ピック・ストラップ・ポリシングクロース・ソフトケース付)
ASPでは、何も設定しなければ「商品名=ページタイトル」になります。
ただ、ページタイトルがこのように長くなるのは検索エンジンに嫌われるので、検索結果に表示される29文字が推奨されています。
なので商品ページで見える商品名のショート版がページタイトルになるわけです。
ページキーワード
ページのキーワードを「,(コンマ)」で区切って入力します。
ウクレレ,初心者,マホガニー材,教則本
という感じです。
商品とは関係のないキーワードを入れてしまうと逆効果になるので注意してください。
ディスクリプション
ディスクリプションは、検索結果に表示される(「スニペット」と言う)そのページの要約です。
70文字程度でまとめるのが良いとされています。
ただし、検索結果に出てくるのは、ディスクリプションで書いた要約が、実際にページの要約担っている場合です。
コンテンツ(ページ内容)とずれたディスクリプションを書いてしまうと、検索エンジンは独自にページ内の一部の文章を拾って、スニペットとして表示します。
URL
以前は日本語のURLだと不利と言われていましたが、今はブラウザでも表示してくれるので問題はなさそうです。
《日本語URL例》
https://my-netshop7.co.jp/product/ダチョウさんを使ったバッグSサイズ
ただ、長年SEOをやってきたせいもあり、URLは必ずページ内容を表した半角英数時で表記するようにしています。
《半角英数字URL例》
https://my-netshop7.co.jp/product/dachou-bagu-s
日本語の場合と英数字の場合で、結果がどの程度違うか?」については調査したことがないのでわかりませんが、「なんとなく、半角英数時のほうが良さそう。」という印象です。
これはお好みで良いと思います。
画像には代替文字情報
男性、女性それぞれの写真がある場合、検索エンジンは女性か男性かは判別できます。
でも、男性が山田太郎であって女性が山田花子。
そこまではわかりません。
だから、画像には、その画像の内容がわかる文字を「alt」というHTMLのタグを使って入れておきます。
HTMLと言っても、今のASPなら専用の入力欄があるのでそこに入力するだけです。
左を「女子高生のスマイル」とするなら、例えば、ショップサーブでは画像登録時に「代替テキスト」という欄があるのでそこに記入します。
次のステップは説明文
中身の少ないページは検索エンジンはもちろん、検索ユーザーにも好かれません。
結果、ランキングで、あまり良い成績をとることができません。
信頼性の高くオリジナルの情報を、ユーザーにわかりやすく記述することが推奨されます。
とは言うものの、ネットショップの場合、商品説明くらい書くことがないので、説明文の中にキーワードを入れながら、ユーザーに読みやすく伝わりやすく、かつ、買ってもらいやすい文章を作ることが必要となってきます。
これは、なかなかむずかしいですね。
ECコンサルの出している本などを片手に文章を作っていくと良いでしょう。
つまらない説明文例
この初心者向けウクレレはマホガニー材でできています。保証書もチューナーにくわえ教則本もつきます。
感情に訴える説明文例
鳴らした瞬間に涙が出るほど感動するクリアな音!毎日触りたくなる質感。オマケ多数!
基本を入力しただけで月商1000万!
これはショップサーブに出店しているアーミー系ホビーショップの話。
店主さんはSEOがそれほど重要とはしらなかったので、ほとんど項目を埋めていなかったそうです。
ところが、集客にはSEO」ということを知って商品ページ全部きっちり埋めていったそうです。
その結果、一気にアクセス数が増え月商1,000万円を突破したといいます。
割と、有名な話なんですが、「やっぱコツコツが大事だな。」と思える事例です。
当店も、ショップサーブでは3000点ほどを出品していますが、まともにSEOをやっているのは重点的に販売している50点ほどです。
他はちょっと埋めているか空欄かです。
「だって面倒だもん・・・」と、つい言い訳をしてしまいますが、まじめにコツコツ埋めていくお店から売れていく、という感じですね。
当店も頑張らなきゃ。(と言いつつも腰は重いが)
最強集客のコンテンツ・マーケティング
ネットショップの商品ページの容量は相当あります。
だからといって、楽天ページのように「いつ終わるの?」と思えるほど長いページを作ってしまうと、ユーザーは「だるい」と感じたり、「サイズ情報どこ?」と迷子になりかねません。
「商品ページの情報は必要最低限が良い。」という意見もある程度当たっていると思います。
そこでおすすめなのは、コンテンツ・マーケティング。
簡単に言えば、ショップページとは別に、商品に直接関係のある情報から間接的な情報までを発信するという方法です。
例えば、健康食を販売するネットショップなら、食に関わらず睡眠や運動など、健康全般の情報を発信することができます。
また、梅干し専門店なら梅の情報はもちろんのこと、梅を使った料理レシピや農家の話などもできます。
コンテンツ・マーケティングでは、メインの商材にからめて広く浅く情報を発信して見込み客を呼び込みます。
コンテンツ・マーケティングが有効な理由は、ネット検索ユーザーが、必ずしも「ショッピング目的ではない。」という理由があります。
検索した結果が「買え」だとすぐに離脱する一方、調べている情報を丁寧に教えてくれるページだと滞在時間も長くなり、結果、購入に至りやすいというわけです。
SEOなしで楽する方法
SEOは骨の折れる作業なので、できるなら避けたいと思うのは皆同じでしょう。
そこで、短期的にSEOをしなくて済む方法。
つまり、いろいろやらなくても検索結果の1位を独占する方法がアイデアがあります。
それは、「オリジナルの言葉」。
例えば、「ネバネバおくら入浴剤」
検索しても、この情報を書いているページは1ページもありませんから、当然、ページ上にこの言葉を書いているだけで、検索されると1位に自然にでてきます。
さて、このようなことが可能か?
実際にやったお店さんがあるので、簡単に紹介しましょう。
このようなベッドを見たことあるでしょうか?↓
商品名を見てもらうと「跳ね上げ式」とあります。
実は、このタイプのベッドは以前からあったものの「跳ね上げ」という言葉が使われていなかったそうです。
そこで、トップセラーから仕入れたベッドを専門に販売する九州のお店さんがこの言葉を初めて使って、相当売ったと聞きます。(お店をコンサルした人から)
現在は月商4,000万くらいの人気ショップになっているそうです。
ただ、この言葉に特許も商標もないので、今では、どこのお店もこの言葉使っている状態です。
このように、どこの店も使っていない言葉を創造して検索してもらえるようになったら、しめたものです。
ただし、すぐに真似られるので、常にクリエイトしていく必要もあります。