個人事業主(副業含む)の売上が0円で経費だけ計上できるのか?

売り上げゼロで経費だけ計上できるか

売り上げが0円で経費だけを計上できるのは次のようなケース。

「会社を設立。製品開発や研究のために1年間かかった。営業するに至らず取引先もまだ。つまり売上はゼロ。」

事業として活動しているけど、売上ゼロで経費だけかかって結果赤字。

数年前に「サラリーマン副業」が流行りました。

そして、象徴的な事件が起こりました。

税金の還付(払いすぎた税金が戻ってくる)を受けるために「架空の経費を計上する手口」を多くのサラリーマンに指南した税理士が逮捕されるという事件。

副業でも、本業でも、個人事業主として開業届を出したものの事業の実態がない場合は、経費だけあげても、それは税金逃れにすぎません。

キーワードは「実態」です。

逮捕された税理士の姑息なアイデアの元ネタは有名なこの本↓


出典:amazon.co.jp

何もしない個人事業主は事業主でない

何もしない個人事業主は事業主ではない

結論から言うと、個人事業主として少しでも活動した実態があるなら、必ず経費は発生していことになりますので確定申告を出すことをおすすめします。

例え、売上がゼロでも経費はかかっていますよね。

その経費だけを帳簿につけて確定申告。

もちろん、赤字決算で全然オッケーです。

一見、悪いことのように思えるかもしれませんが、バッチリ合法で、むしろ「何か文句ありますか??(゚Д゚)ゴルァ!!」って話です。

堂々と確定申告してやりましょう。

逆に、開業届けを出していても事業の実態がなく、何にも活動しなかった場合は、売上もゼロですし経費もゼロです。

確定申告は不要です。

それを、ヨコシマな考えで収入なしなのに確定申告で「経費だけを入力して赤字にする。源泉徴収で引かれた税金を取り戻す。」

これは、パーフェクトなNG行為です。

まじめに開業で売上0円なら確定申告はマスト

開業初年度からボロ儲け。

そんなラッキーなことは、なかなかありません。

税理士という難関試験を突破した人でさえ、「独立初年度の売上は数万円。」なんてこともザラです。

3年後5年後を見据えて開業している場合は、初年度や2年目は売上0円が続いたり、赤字になるかもしれません。

そんな場合、確定申告をしておくと大きなメリットがあります。

それは赤字の繰越です。

1年目2年目で100万円の赤字が出た。

しかし、3年目にようやく100万円の利益が出た。

このような場合、1年目2年目に確定申告をしていなければ、3年目の100万円にガッツリ税金がかかってきます。

でも、確定申告をしていれば、過去のマイナスは相殺することで、税金は0円になるのです。

なかなか親切なしくみですよね。

私の経営する法人のうち1社は開始から3~4年は赤字続きでした。

苦しい経営が続いていたのですが、ある時期から追い風がやってきて利益がでるようになりました。

利益が出始めると「節税」を心配することが多いのですが、過去の赤字がたっぷりあったので、いくら利益が出ようとも、過去のマイナスで相殺されて、3、4年は所得税は0円でした。

ただし、法人の場合は、赤字でも、倒産寸前でも、均等割という意味不明な税金(年間7万円)と消費税は強制的に徴収されます。

ある程度の規模なので仕方ないのですが、「赤字なのに税金なんて嫌だ。」「消費税も払いたくない!」そんな場合は、「個人事業主」として活動するのが一番です。

税務署は普通のアイデアは想定済み

サラリーマンが副業で個人事業を開始したなら「本来ならプライベートの出費」を経費として計上できる。

例えば、家賃の一部を経費にするとかスマホ代を経費にするとか。

経費をあげて確定申告すれば源泉徴収で取られた税金が帰ってくる。(還付)

考えることは皆同じ、です。

バレバレです。

隠れたつもりでも見えてるのと同じですね。

頭隠して尻隠さず

副業の職種をアフィリエイトやブロガーとしたなら、理屈上、プライベートで出費するあらゆる費用を経費にすることも可能です

本を買ってレビュー記事を書けば書籍代は経費ですし、電化製品を買ってレビュー記事を書けばそれも経費です。

レストランで食事をしても、そのレビューを売り上げに変えるための記事として書くなら飲食代も理論上100%経費にすることができます。

記事を書くためにキャバクラに遊びに行っても取材費とすることもできます。

実際、風俗関係のライターは風俗代金もしっかり経費です。

ただし、それもこれも、事業活動の実態(売上を作っている)があれば、の話です。

年間100万円の経費をかけて10万円の売り上げしかない場合は、「ビジネスとしておかしいでしょ?」ということです。

利益を出すつもりのない「単なる税金逃れ」と解釈されても文句は言えません。

結論を言ってしまえば、税金還付を狙ったフェイクな個人事業の開業などは税務署では有名です。

だから、すぐバレます。

そういう浅はかな行為はやめておくのが無難です。

かしこく逃税するブロガーGUさん

副業ブロガーのGUさんは、あらゆる出費を経費として計上しています。

雑誌や書籍もちろんのこと、タクシー代や飲食代、宿泊費などすべて経費として計上しています。

もちろん、目的はブログを書くためです。

つまり事業のため。

ブログからの収益は年間で1,000万円ほどです。

これだけの売り上げや報酬があれば、様々な活動の経費も説得力があります。

ただ、売り上げが1,000万円あっても、結果1,200万円を経費として計上するのは、さすがに不自然ですよね。

「何のために経費を使っているのか」「何のために事業を行っているのか?」ということです。

ですから、経費のはごく自然な割合(\_(`・д・)ここ重要)になっています。

「自然な割合」に決まった数字はないです。

だいたい「70%くらい。」と言われています。

つまり、「売り上げ1000万の場合、経費はふつは700万くらいかかるよね~。」ということです。

あくまで目安ですよ。

卸販売などの場合は利益率が低いので、場合によっては9割ということもあります。

さて、1000-700=300

300が「所得」ということです。

結果、所得税や住民税もそれなりに支払うことになります。

利益が1000万(アフィリの場合は、たいていの場合、売り上げ=利益になる)もあれば、「なんとか税金0円にしてほしい」は、まともな税理士に相談したところで、なかなか難しいのではないでしょう。

税務署もアフィリエイトやFX、仮想通貨による収入については目を光らせていますので、月間で100万以上の利益を上げているような個人事業主はマークされる可能性が高いかもしれません。

それなりに豊かな収入を得ていたら税金は払ってもいいと思いますけどね。

逆に、「年収600万以下人は税金なんて払ってはいけない。 」と思う次第です。

「売上より経費が多い」は普通

ECサイトを運営していますが、単月で見た場合、過去に売上よりも経費のほうが多くなった月もあります。

例えば、大々的な販促をするため商品に同梱する印刷物を作ったり、広告の出稿量を増やしたりなどです。

販促物や広告などは、発生したときに全額経費になります。

なので、6月に夏向けのキャンペーンを開始。

印刷代:200万円
広告費:300万円
==============
合計経費:500万円

結果、6月の売上400万円。

このようなパターンが年間で起きても、ありえる話です。

でも、年間で100万円のアフィリ収入があったけど、レシートや領収書をかき集めて200万円の経費。

結果、赤字100万。

これはどう見ても利益操作ですよね。

ようするに売上と経費の関係については、「実態」も重要ですが、「まじめに事業をやっているかどうか」ということも重要になってきます。

確定申告はうまみたっぷり

話はちょっとそれますが、サラリーマンは給料から税金や保険が強制的に天引きされます。

パートやアルバイトは税金が引かれます。

そして、その各種税金の金額を自分でコントロールすることは100%不可能。

でも、個人事業主として確定申告をする権利があるなら、税金だろうが保険だろうが、思いのままにコントロールできるようになるのです(おおげさに言うと)。

サラリーマンから見ると、「ズルイ」と思われるかもしれませんが、国の制度がそうなっているのですから仕方がない。

個人事業主のように、おいしい思いをしたければ開業届けを出して事業主になれば良いのです。(困っている事業主も多いけど)

今回の新型コロナのバカ騒ぎでも、まじめに帳簿をつけていた個人事業主が給付金100万円を楽々ゲットしました。

でも、棚ぼたで100万円得した人も多いですね。

コロナでアルバイトがお休みになり収入がなくなった人で補償してくれたのは一部。

ほとんどの人は、純粋に収入減やゼロになりましたよね。

正社員だって安心してられません。

内定取り消しに早期退職、会社の廃業や倒産。

世の中安定した職業は1つもありませんが、個人事業主は、なにか1つに頼っているわけではなく、すべてを自分でコントロールできるので臨機応変に動けるのです。

例えば、「ネット通販で化粧品を売っていた。女性がマスクをするので化粧をしなくなり売上が急減した。ならば、巣ごもり向けの商品を売ろう。」など。

個人事業主は、法に触れない限り何をやっても良いのです。

ずっと赤字なんだが・・・

個人でやれる範囲は知れています。

個人で何億何十億なんてのは一部の人だけです。

実態は、大半の個人事業主は赤字です。

だから、赤字が3年続こうが5年続こうが、普通に確定申告をしていれば、それでオッケーです。

実態が赤字なら、正直に申告すればいいだけです。

ただ、赤字続きで「どうしたもんか。」という場合は、売上を上げる方法や経費を削減する方法など、いろいろ頑張らないといけないですね。

ちなみに、私も法人を何社か持っっていますが赤字で廃業寸前の会社もあります。

自然淘汰というか時代の流れというか。

一応立て直すため頑張っていますが当分赤字の予定です(^^;)

こんな場合は確定申告いらない

個人事業主として開業届けを出した。
1年間活動して30万円の収入があった。

副業を始めた個人の「あるある」パターンだと思います。

一応、サラリーマンでも、「本業以外の収入(雑収入)が20万円より多ければ確定申告しなければいけない。」というルールはありますよ。

でもね、、、

年間30万円とか100万円とか、その程度の副収入があったからって面倒くさい確定申告なんてしなくてもいいよ。

って個人的には思います。

その程度の額が無申告でも、税務署は気づかないか見てもスルーです。

税務署の獲物は儲けている人たちです。

年間売上で言えば5,000万くらいからでしょうかね。

というのも、個人事業主歴はかれこれ20年以上になりますが、起業したてのころネット販売で1,000万くらいの売上がありました。

利益は600万円くらいだったと思います。

「難しそう」って思ったので確定申告はしませんでした。

つまり、無申告です。

でも、普通に考えて、一個人がネット販売をして1000万売上げて利益が600万あったところで税務署は把握しようがないです。

100%わからないんです。

個人口座を監視されているわけじゃないですから。

だから、ぶっちゃけ、不特定多数の一般人から売上がある場合は、売上が1億あろうが10億あろうが税務署は知るすべがないんです。

ただし、そのビジネス活動が目立ってると速攻目を付けられます。

ネットに名前すら載っていなくて紹介制やっている占い師。年収は1億はあろうかというくらい人気だけど無申告。

そんな話も聞いたことあります。

あら。こんなぶっちゃけ話を書いてしまうと税務署の怒られそう・・・

アタシは面倒事がいやなので、ちゃんと納税してますんで!

個人事業主で自由にはばたく

とりあえず、個人事業主の売り上げゼロ申告や赤字などについてイロイロに書いてみました

繰り返しておきますが、 税金を逃れるため、あるいは、払った税金を取り戻すためだけの目的で、個人事業の届け出を出し、売り上げをゼロで経費だけをあげて赤字申告をする。

誰しもが思いつくことで稚拙なチョンバレの脱税であることをお忘れなく。

そうではなく、個人事業主として開業するなら、できるだけ多くの売り上げを得るよう努力する。その結果、さまざまな経費が発生し赤字になる。

それなら、まったく問題なし。

マネーリテラシー(お金に関する知識やスキル)は高ければ高いほど、手取り収入が増えるのはもちろん、人生でかかるコストも究極まで安くすることができます。

個人事業主を始めると、いやでもお金に関する知識やノウハウが身につきます。

入ってくるお金を最大化しながら、出ていくお金はギュッと絞る。

税金を払う奴はバカ(書籍)などを片手に、個人事業主を始めて、自分や家族に関するお金についてかしこくなってみてはいかがでしょうか。