個人事業の会計や経理、帳簿について(ひとり法人含む)

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長年個人事業主や会社をやってきて「数字は嘘をつかない。非常に大事。」ということは、いつも痛感します。

ただ、だからといって会計の専門家のような必要以上の知識をつけても、経営にはプラスになりません。(個人的には、余計な知識を持って税理士と話をするのが好きですが!「よく知ってますね~」なんて言われて喜ぶw)

個人事業主であろうが法人の社長であろうが、最低限の会計の知識を得た上で本業(事業経営)にエネルギーを注ぐのがベストです。

いくら簿記の知識が増えても、売り上げは増えませんからね。

必要な簿記の知識

とは言え「最低限」は知らないとお話になりません。

大半の人が青色申告でやっていると思いますが、最低限「複式簿記」という仕組みは理解する必要があります。

家計簿やお小遣い帳とはちょっと違う形式なので、最初は戸惑うかもしれませんが、すごく優れた仕組みなので、ぜひ理解してください。

■小遣い帳式
入金 10,000円
飲み代 -5,000円
昼飯代 -5,000円

■複式簿記
現金 10,000円|小遣い 10,000円  ・・・「小遣い」として「現金」をゲット
飲み代 5,000円|現金 5,000円 ・・・「飲み代」として「現金」が出て行った
昼飯代 4,000円|現金 5,000円 ・・・「昼飯代」として「現金」が出て行った

こんな感じです。

お金に関する取引には、必ず「相手」がいますから、2つの意味を持たせることができるわけです。

事務用品店でボールペンを買った場合、「現金が出て行った」だけではなく、その原因「ボールペンを買った」という記録までつけるのが複式簿記です。

ただ、「ボールペン買った」とは書かずに、「消耗品」というふうに大雑把な分け方をします。

消耗品 500円|現金 500円

左側を「借方 」、右側を「貸方」と誰がネーミングしたかわかりませんが、わかりにくい言葉が使われます。

「ひだりとみぎでいいだろう」と思いますけどね。

イメージとしては、左側は「イン(入ってきたモノ)」、右側は「アウト(出処や理由)」という感じです。

仕入高 50,000円|銀行口座 50,000円

この場合、「仕入れ」が「イン」して、お金が銀行から「出て行った(アウト)」というイメージです。

クレジットカードの仕訳

クレジットカードでの支払いは、払った瞬間は現金は動いていないので借金みたいなものです。

お金はまだ払っていませんから「未払い」です。

1月10日 パソコン(事務用品) 15万円|未払金 15万円  ※カード払い

こんな感じで記帳します。

1月にカードで10回払って50万円の未払金が発生した場合、カード会社からの請求は50万円です。

その請求額はどこで払うかというと「銀行引き落とし」です。「銀行から出ていきます。」

2月10日 未払金 50万円|銀行口座 50万円 (1月分の未払金残高50万円が0円になる)

代金引換で商品を発送した

代金引換で商品を発送したとき、現金の動きはないので、「現金」という科目は使えません。

売掛金 30000円|売上高 30000円

現金は動いていないけど、企業活動のとりひきの1つなので、一行で記帳します。 「売掛金」とは、「とりあえず商品渡すから現金は後でね。現金もらってないから別の言葉で記録しておこう」という感じです。

家計簿には出てこない簿記独特の言葉なので、最初は戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえばなんてことありません。

知っておくとよい経理のポイント

運営で使う仕訳を一部紹介しましたが、後少々、仕訳や勘違いしやすいポイントなどがありますので紹介しておきます。

勘違い多発!仕入れは経費にならない

こちらのページで詳しく解説しています。

減価償却(げんかしょうきゃく)は経費の分割すること

決算間近になって、「500万円の利益がでた!税金が大変だ!よし、500万円の車を買って利益を消しちゃえ!」

会計を知らない人はこのようなことをやらかしてしまいますが、残念ながら自動車は一括で経費にできないんです。

例えば、買った年から毎年100万円ずつ分割(正確な数字ではない)で経費にしなければいけない「減価償却【げんかしょうきゃく】」という方法を取らなければいけないのです。

結果、その年の経費は100万円のみで400万円の利益に税金が「ガッツリ」かかってくるというわけです。

賃貸マンションの家賃は一部経費にする

住んでいるのが賃貸マンションで、かつ、その一分を仕事部屋などとして使っている場合は、家賃の一部も経費にすることができます。

按分【あんぶん】と言います。

私も家賃10万円の賃貸マンションに住んで事業をしていたころは4万円(ちょっと多め)をけいひにしていました。

持ち家の場合も、そういったことができる場合がありますが、それは別の機会に。

返品があった場合の仕訳方法

返品が合った場合は「売上戻り」という科目を使います。

銀行口座10,000|売上戻り10,000円

これで売り上げ10,000円はなかったことにすることができます。

銀行入金後に商品を発送しても売掛金

入金があったので「売り上げ」とする方法もありますが、例えば、当社のように通販をやっている場合は、クレジットや代引きなど代金回収前に商品を発送するので、入金後の発送でも「売掛金」と統一してやっています。

これは会計処理を楽にするためです。

分けても問題はありませんが、ややこしくなるので、あまりオススメしません。

商品を販売しクレジットカードで支払ってもらった

クレジットカードで払った段階でお金は動いていないので「未払い」として処理します。

そして、銀行口座から引き落としが合ったときに「未払い」を消すことができます。

銀行50,000|未払金50,000

ちなみに、引き落としがされるまでは、会計の一覧表(貸借対照表)の未払いの欄に「50,000円」が記載されます。

でも、入金の際、未払金を消し込めば貸借対照表の未払金も自動で消えます。

悪いことは言わないからクラウド会計を

多くの個人事業主は確定申告直前になってバタバタします。

でも、個人的にはそのバタバタも嫌なので、会計はほぼ自動化しています。

具体的には、クラウド会計フリー(freee)

銀行口座からクレジット会計から何から何まで連携させて自動で会計をしてくれる優れものです。

ただ、現金だけは手動になっちゃいます。

それでも、このクラウド会計のお陰で経理担当者がいらなくなりクビに、、いや、タイミングよく退職してくれたので月間20万円くらいの経費が浮いた計算になります。

悪いことは言わないんで、らくできるクラウド会計は導入しておくことをオススメします。