食品を本格的に販売したことはなかったのですが、いろいろな環境の変化から食品を割りとがっつり販売する流れになりそうなので、食品系の商品名の決め方についてあれこれ考察してみたい。
本業がネット通販(Shopify利用)なので、通販で販売する場合の商品名の決め方についてです。
商品パッケージを作って実店舗で販売するのとは、微妙に勝手が変わる部分もあるかとは思いますが、リアルでの販売でも、応用が効くのではないかと思います。
そんなルールでは売れたら苦労しない!?
「商品名ってどうやって決めるんだろう?」って検索する人が多いと思います。
その結果、出てくる情報ページはどうでしょうか。
満足いくものでしょうか?
検索結果に出てくるページの大半は、実は、どこかの(誰かもわからない)素人物書きライターが、それこそネット情報をかき集めて、それっぽい記事を書いているパターンが多いんですね。
実際に企業のビジネス現場で商品名を考えている人が書いている記事なんて、殆どないんじゃないでしょうか。
あったら教えて欲しいくらいです。
で、そういったありふれた記事には、商品名は「特徴をわかりやすく」だの「覚えやすくしろ」だの「発音しやすくしろ」、はたまた「インパクトをつけろ」などと書かれています。
まあ、せっかく、そういった記事もあるので参考にさせてもらいながら、商品名を決めていきたいですね。
キーは感情ではないか?
食品に限らず、商品名って「人の感情にどう作用するか?」という視点が大事じゃないかなって思うんですよ。
ネットに転がっている記事の指南にそって商品名を決めても消費者に振り向いてもらえなければ売れないわけですからね。
その時に、ヒントになるのが「そう」じゃないかなかって思います。
尊敬する経営コンサルタントに教えてもらったんですが、人がものを買う理由は、彼ら彼女らが『「よさそう。」「おいしそう。」と思う(感情)から。』と。
なるほど!って思いましたね。
ある意味衝撃でしたが、答えは意外にシンプルなのかもしれません。
ターゲットの心理のリサーチが肝
じゃ、「よさそう」と思ってもらうには、どういった商品名に決めればよいか。
それがわかれば苦労しないんですよね・・・
販売者には荒っぽく分けると2パターンあります。
1つは「販売しているモノが好きでその道の専門家」と、もう1つは「売れるから売っているだけで販売商品に思い入れはない。」
個人的には、どちらかというと後者なので、何が良かったのか、「実際に買う人の声を聞かないとわからない。」というのがあります。
つまり、それを選んだ人の心理を起点に商品名は決めて行くのが良いのでは?というふうに思うようになりました。
やはり、そのためには、「聞く」ことが大事ですね。
自分の考えは、「自分だけの固有の考え」で、100人いれば100人の考えがあるので、できるだけ多く意見や反応を聞く、に限ると思います。
商品名はターゲット心理起点
日本の食は世界的にみてもバラエティーに富んでいます。
イギリスの飯はまずい。
でも、イギリス人は自慢します。
「イギリスには世界的に有名なレストランがある。」と。
「何の店だ?」と聞くと、「フレンチレストラン・・・」(場内爆笑)
そんな動画を見た感想文は置いておいて、食に関しては、ほんと多種多様になりました。
普通の人、ベジタリアン、ビーガン、不食(これは関係ないか・・)などなど。
自社の販売する商品が、どこをターゲットにしているかというのは、まず最初に考えるべきポイントでしょう。
商品名を決めるケーススタディー
ケーススタディというより、どちらかというとブレスト(ブレイン・ストーミング)に近いかもしれません。
当社で販売を予定している食品のテーマは「無添加」「グルテンフリー」です。
いわゆる健康志向です。(無添加は誰でもわかると思いますが、「グルテンフリー」については、わからない人は検索してね。
ベジタリアンとかビーガンといった究極までいかなくても「そこそこ健康を意識している人」をターゲットにしています。
だから、『「そこそこ健康を意識している人」がどう考えているか?どう行動しているか?』ってのが重要なテーマとなってきます。
「無添加でグルテンフリーだから欲しい!」と大手を振って買いに来てくれる人もいるにはいるのですが、「無添加」「グルテンフリー」には反応しつつも、普段の食生活が100%無添加やグルテンフリーかというとそうじゃないんですよね。
コンビニで添加物だらけのお弁当を買ったり、ピザを食べたりファーストフードを食べたり。
「心がけている」だけです。
かと言って「心がけている人へ」なんてキーワードを使ったところで、そういった人に突き刺さるかといいうと、そうでもない。
そこが難しいところなんですよね。
そういった「心がけている系」ユーザーの声をできるだけたくさん集めながら、最終的には1つや2つの商品名へと落とし込んで行く作業です。
これが地味な作業で、意外に楽しいんですけどね。
商品名はセオリー通りにはいかない
商品名を考える立場になると、あれこれ情報を収集して考えるわけですよ。
あれがいいかも、いや、こっちのほうがいいかも・・・と。
どちらかというと左脳的な作業ですね。
でも、世の中には、そんなネーミングのセオリーは一切無視して売れているような商品もあるんです。
例えば、お菓子の「呼吸チョコ。」
初めて聞いたときは「何それ?」って言ったのを思い出します。
「チョコが呼吸するわけでもなく、その「呼吸」のネーミングの根拠を教えろ!」なんて思うくらい意味不明なネーミングです。
いまだその商品名については詳しく調べていませんが、なぜか売れている(らしい)。
食べたこともありますが、別にチョコレートが好きなわけでもないので「普通・・・」という感じ。
でも、ブランドを確立している。
そういった規格外なケースもあるので、それも頭の片隅においておいて、煮詰まってしまったら、あえて振り切ったようなネーミングを(半分破れかぶれで?)つけてしまうってのもアリだとは思いますよ。
一周回ってストレートな商品名
料理レシピを見ていると「豚肉のれんこんの炒め煮」であったり、「なすと鶏肉のドライカレー」など、「まんま」のネーミングになっていることが多いですね。
あれこれネーミングについて思案したけど、一周して、すなおにストレートに商品名を決める。」のも選択肢のひとつになります。
ただ、それでは、それこそインパクトは出ないし固有性(ユニーク)がなくなるので、ちょっとなにか小細工したい。
そんなときは、擬態語やキャッチコピー的な言葉を入れると良いですね。
「インパクトを持たせろ。」と言われても「具体的にどうすれば?」の回答ですね。
例えば、鶏肉を使った料理でも「蒸し鶏のパリパリ焼き」というふうに擬態語を入れた商品名にします。
これで「焼き蒸し鶏」だけのときより、ぐっとインパクトが出ると思います。