個人事業も含め企業活動においては売上を最大化するのと同時にムダなコストを削減するのが基本。
コストとは会計上の販売管理費にカテゴライズされる項目。
そして、販管費ではないけど「仕入れ」もコスト削減の対象になります。
さらに、「言ってはいけない。」けど、企業経営にとっては人件費もコスト。
社員は、会計上は「ティッシュペーパー」や「コピー用紙」と同じコストであることを知ったならショックを受けるかも知れません。
会社にとっては、ときには社員もお荷物になることがあります。
今回はオズボーンのチェックリストにならって「転用できないか?」「応用できないか?」といった疑問文でフレームワークを作ってみました。
デジタル化できないか?
当社(ネット販売業)の取引先も、まだまだFAXやコピーを利用しているアナログな企業が多いです。
しかし、当社ではコピー機はおろか、ほとんど紙を使っていません。
お尻を拭くときの紙は神であることに異論はないと思いますが、納品書や請求書が紙である必要は「もはやない」時代です。
納品書などは、過去の名残としてA5サイズで納品書を入れるにとどまっています。
これも無駄コストなので今後は削減の方向です。
また、FAX機なども人力車レベルに時代遅れの過去の産物です。
今は、ネット上でFAXを送受信できるサービスがあるのでFAX機を廃止しデジタル化することでコストを削減することが可能です。
また、出張が当たり前だったコロナ騒ぎ前。
コロナ騒ぎでWEB会議などが普及したところ、営業さんは楽ができるし旅費やホテル代も削減できる。
さらには先方のウケも良いということが判明したケースもありました。
出張もデジタル化することで大幅なコスト削減が可能になります。
自動化できないか?
自動化のことをRPA(Robotic Process Automation)と言います。
ロボット・プロセス・オートメーション。
「いやいや、うちはロボットなんて導入する予算ないよ。」
アホか!
ここで言うロボットとは、ITを駆使するという意味。
誰もアシモやペッパー君(本体20万+月額約15,000円)などの「ガチロボットを買え。」と言っているわけではありません。
あんなもの企業経営には役に立たない産物です。
そうではなく、様々な業務を効率化するためコンピュータープログラムを使ったり外部のクラウドサービスなどを使うという意味です。
表計算ソフトのエクセルにもマクロと言う機能があります。
エクセル上でのお決まりの作業を自動化してくれる機能です。
また、http://www.uwsc.info/なども無料ソフトで、パソコン上の決まった作業を自動化してくれます。
そういった便利なIT系のツールを使って「業務を効率化できないか?」と考えます。
もっと安く仕入れられないか?
仕入れは物販業はもちろん製造業にもつきもの。
「もっと安い仕入先はないか?」
「原材料をもっと安く仕入れる方法はないか?」など。
原価を下げるための活動もコスト削減の一環となります。
同じ商品を卸しているメーカーがあれば相見積を取ってみる。
もっと安い代替材料を探してみる。
細々したボールペンやらインクやらのコスト削減をするよりも、原価を下げたほうが、はるかに利益率は高くなります。
原価を下げるための活動は、コスト削減においてはプライオリティー(優先順位)の高い項目であると言えます。
格安simに乗り換えているか?
プライベートでもそうですが、もはやdocomoやsoftbank、auの高額プランを使う意味は見当たりません。
企業現場では格安simはマストでしょう。
IIJmio(みお)などの月額1000円くらいから十分使えるスマホプランに乗り換えているでしょうか。
リテラシーの低い企業や個人は未だに3大キャリアに無駄金を垂れ流していることでしょう。
通信代はかつてのように高額ではなく安くなっています。
地方の情弱老人などを中心3大キャリアを使う傾向が高いですが、人口ピラミッドの先が尽きるころには、オール格安simになるでしょう。(わかりませんが!)
社員をクビにできないか?
一度雇用すると解雇は非常に難しい。
冷静に社内の人材リソースを見渡してみると、かなりの無駄があることに気づくこともあります。
でも、理由なき解雇は難しい。
そこで、大手企業などでは「社員を個人事業主化して契約する」といったスタイルを取っていることがあります。
一旦退職してもらって個人事業主として契約して業務を委託して報酬を払う形式です。
でも、「お勤め」が習慣になっていた社員がいきなり個人事業主になったところで、まともに仕事ができるわけもありません。
社員の個人事業化は「実質人員削減のため」とささやかれています。
もちろん、体重計のタニタのように、社員の自由な働き方を優先して個人事業主化の制度を取り入れて上手にやっているところもあります。
また、無能なアルバイトやパートがいる場合は徐々にシフトを減らして退職へと追いやる手法も昔から見られます。
酷い話だとは思いますが企業も背に腹は代えられないですからね。
つまり、無駄人材を抱えて業績を悪くするわけに行かず生き残るために、「やむを得ずクビを切る。」という感じです。
利用サービスの見直しはできないか?
格安simに乗り換えるのは当然として、それ以外。
例えば、ネットバンキングにお金を払っていないか?
都市銀行のネットバンキングは月額3,000円などの費用がかかりますが、Paypay銀行のようなネット銀行は個人でも法人でも固定費0で使えます。
メインバンクをネット銀行に乗り換えて都市銀や地方銀行、信金などはサブ銀行にできないか?など考えてみてはいかがでしょう。
また、電話対応の人材なども無駄でしかない場合があります。
電話代行サービスを使えば月額3万円くらいで、ほぼほぼ電話対応してくれます(エラーも多いですが!)。
人材を一人雇えば10万20万。
人件費削減にもなります。
その他、オフィス代の見直し、ゴミ回収業者の見直し、保険の見直し、ネット回線の見直しなど今利用中のサービスを見直すことでコスト削減に繋がります。
無駄なサービスをつけていないか?
「商品Aを買ってくれたならBとCとDをプレゼント!」
さて、それで顧客は喜んでいるのか?
顧客が喜ぶサービス、つまり、顧客満足度アップにつながる各施策は意味があります。
しかし、顧客に望まれてもいないサービスをカットするのはコスト削減に繋がります。
サービスを付加する業務を洗い出し「それは果たして顧客満足度につながっているか?」を検討し無駄と判断したなら即カットします。
当社でもかつて、通販で商品を買ってくれたお客さんに、上質な紙を使ったクーポンを同梱していました。
たかが500とか1000円のもの。
お値打ち感を出したかった施策のひとつでしたが、利用率もたいしたことなく無駄ということでペラペラ紙に変更したこともありました。
今考えるとバカな失敗だったと思います。
社会保険料にムダはないか?
社員の社会保険料は毎年4月5月6月の給料の平均を元に算出されます。
そこで算出された社会保険料を1年間払い続けます。(いわゆる算定基礎届け)
社会保険は企業経営において「何の利益も産まない無駄でしかないコストの代表」と思っている経営者も多いと思います。
そこで、4~6月はノー残業にして算定基礎届けに記入する数字を極力減らします。
そうすることで、その後企業が負担する社会保険料という無駄コストを削減することが可能になります。
どこの企業も普通にやっているコスト削減のテクニックですが、まだ知らない人もいるかもしれませんね。
採用コストに無駄はないか?
どこの企業やお店にとっては、採用コストはデカい。
しかも、新人研修など育成コストもセットでついてくるので採用時のコストはできるだけ避けたい。
適切な求人媒体を選んだり希望する人材が集まってくるよう募集要項を調整したり。
そして、採用コスト削減に大きく貢献するのがリファラル採用。
今どきの大学生でも知っている採用関係の基礎知識です。
雇用中の社員や、元社員などに声をかけて自社に合いそうな人をリクルートする手法です。
縁故(コネ)と違うのは不採用になることがあるという点。
でも、会社の業務内容や社風を知っている社員や元社員は、最適な人材を紹介してくれることが多いと言われています。
求人広告の無駄や面接などの無駄をショートカットしてスピーディーに最適な人材の獲得がしやすいのがリファラル採用です。
御社はリファラル採用を取り入れていますでしょうか?
まだなら、相当無駄な採用コストを抱えたまま経営を続けていることになると、個人的には思います。