「みだぐなす」という方言から「ラ・フランス」と商品名を変えてブレークした例があるように商品名は売上を左右するのは周知の事実。
個人的にはずいぶんと昔から使っている売り上げアップのテクニックです。
おもしろいんですよね。
というのも、型番商品(既製品)の商品名って必ずしも「ベスト」なネーミングがされているとは限らない。
小林製薬のように、ネーミングにとことんこだわる大手企業もありますが、中小メーカーなんてテキトーです。
だから、販売者目線で「このネーミングじゃ売れねぇわ。変えちゃおう。」と勝手に変えて売るワケです。
「商品名を変えたとたんに売れ出した。」なんてこともあるので楽しいんです。
商品名を勝手に変えられる条件
ただ、商品名を勝手に変えてOKの場合とNGな場合があります。
厳密に規定している法律になさそうなので各業界、各取引関係での話になるかと思います。
勝手に変えても良い場合は、メーカーと良好な関係を保っていて「品名を変更したこと」を知られてもトラブルにならないということです。
逆にNGの場合は、「商品名がすでに認知されている。」「メーカーが変更不可としている。」など。
いろいろな業界があっていろいろな商品があります。
その中で、メーカーが作る商品で特に商品名がなく「型番だけ」という商品もたくさんあります。
例えば、段ボールにしましょうか。
厚さ、強度、形状、大きさ、組み合わせによっては無限の商品数になってしまいますよね。
ひとつひとつに丁寧にに名前なんか付けられません。
でも、中には、ネーミングすればピッタリの商品などもあるわけです。
「ワイン2本ジャストBOX」「メルカリ便60サイズ専用箱」「スーツ型崩れしない箱ちゃん」「プチプチ不要ダンボール君」などなど。
メーカーは一生懸命製品を企画して作りますが、いちいちネーミングしていないような商品に、需要に合わせてネーミングすることで売れるようになることも多々あります。
「勝手にネーミング」を長くやっていると、面白いことに、いつの間にかメーカー側が、今まで型番しかなかった商品に、こちらが付けたネーミングを逆輸入して付けていた、なんてことも起きています。
商品名を変える理由は3つ
商品名を勝手に変える理由は2つです。
1つ目は、「売れやすいネーミングにしたいため。」という、マーケティング上の理由です。
上にも書いたように、売れる製品を作るメーカーが、必ずしもネーミングがうまいとは限りません。
大手企業のように、一流のネーミング力があれば良いのですが、大半のメーカーは、残念なネーミングをしてしまっているのです。
それどころか、せっかくの良さを台無しにするようなネーミングをしてしまうことがあります。困ったもんです。
2つ目は、「価格の比較をされないようにするため。」という販売戦略上の狙いがあります。
メーカ型番商品を販売しているとお客さんは、「もっと安い店を」と「商品名」や「品番」でネット検索を繰り返しますよね。
そこで、唯一無二の商品名に変更していれば、いくら検索しても自社製品しか出てこないわけです。
それ以上、検索スキルのないユーザーは自社で買う方法以外ないのです。
ネーミング以外、品番を公表してしまうと簡単に同一商品を販売するライバル店が出てきてしまいます。
品番も「ネット上で」変えることで、このような比較を阻止することができます。
3つ目は集客のため。
この場合、「商品名」というより商品ページの「タイトル」ということです。
楽天ショップのように商品名が何なのかわからないくらいタイトルにキーワードを詰め込んでいる場合もあります。
とにかく集客できて売れりゃいいわけですから、商品のビッグキーワードからスモールキーワードまで、商品タイトルは集客できる言葉を入れるのは、もはや鉄則です。
リ・ネーミングは商品力を高める
売上の公式はいろいろありますが、もっとも基本的な公式はこれでしょう。
元々の商品力が型番だけだと商品力は限りなく0(ゼロ)。
でも、そこにネーミングしてやることで商品力が10から15にレベルアップしたり、もしかすると100倍の効果が得られる可能性もあります。
集客や宣伝などマーケティングやセールスの力を上げるのと並行して、商品力を高める工夫もやってみてはいかがでしょうか。
「売れない理由」=「商品名が悪い」ってこと、よくあります。
あの卸サイトも宝の山になるかも
一見、ろくな商品がなさそうに見える卸サイトNETSEA(ネッシー)。
メーカーが何も考えずネーミングしていたり、そもそも名前がない商品もかなりあります。
それを考えると、勝手にネーミングしてやるだけで売れる商品も見つかるかしれません。
パッケージにでかでかと商品名が入っている場合は、大きく変えてしまうのは難しいので、そのような場合は「商品名的なキャッチコピー」をメインにして、本来の商品名をサブタイトルにしてしまいます。
ネット通販の商品名でよくやるやつです。
お客さんに「良さそう」と思ってもらえない限り商品は売れません
商品名を見た瞬間「あ、自分に合うかも!?」「良さそうだ。」と思わせたら勝ちです。
※関連ページ
仕入サイト・ネット問屋一覧
商品名を変えてみよう!(練習)
最近ちょっとしたトップセラーマイブームです。
(トップセラーはドロップシッピング型のネット仕入れ)
マニアックな商品を探して商品名変更をするのを、こっそり楽しんでいます。
例えば、これ。適当に選んでみました。
メーカーの付けている商品名は「ユーザーZEROSクーラーバッグ25L U-816」。
中国企業が付けたのだとは思いますが、このなかで意味のある言葉は「クーラーバッグ」と「25L」だけなのは簡単にわかります。
だから、それ以外の言葉は消費者が見ても読んでも意味のない言葉なのでカットします。
「クーラーバッグ25L」
この文字だけでどんな商品かわかりますが、それだけでは芸がないですよね。
そこで「クーラーバッグ・コンパクトな折りたたみ式 (25リットル/500ペットボトル15本収納可能) ABC-U-816」
というふうに変えてしまいます。
ここまで変更してしまえば、同じ品名の商品はネット上に1点しか存在しなくなるので、ライバル店とは集客面でも差別化をはかることができます。
また、容量が25リットルと聞いてもほとんどの消費者は直感的に容量を把握できません。
なので、別の言葉で直感的にイメージできるような表現に言い換えます。
例ではペットボトル15本としましたが、そもそもメーカー側の商品写真がやる気なさすぎですよね。
普通なら、開けた状態の写真、たたんだ商品の状態、最低3点は用意します。
このメーカーは完全に怠慢ですな。
このような商品素材では手間だけかかって売りにくい商品なので、単価も安すぎるので個人的にはチョイスしませんけどね。
これが単価が高い(1万円を超える)ような場合で、売れそうな予感のする商品なら1点取り寄せて写真も撮り直して商品名も変えて販売します。
合法・違法など注意したい点
最後に注意点です。今回の内容は、私の業界で20年近くやってきて一切問題のない方法です。
「トラブル的なことがあった。」と言えば、他のライバル店が、うちでネーミングした商品名をパクって販売し始めたことくらいです。
もちろん、クレームしました(著作権はないすが)。
食品関係の場合は、JIS法やら食品衛生法などの法律でいろいろな規制をされていることがあるので、勝手に変えまくってしまうと違法性を問われるかもしれません。
また、「商品名を変えるだけでなく、あたかも自社で作った」かのような表現があると、ウソの表現」として違法性を指摘されるかもしれません。
みなさんそれぞれ、業界の状況を冷静に分析したり情報を集めたりしながら進めてください。