確かに、個人情報をさらけ出すのは怖い気持ちはよくわかります。
そして、極力、不用心に情報を流すのは避けたいところです。
でも、販売者は特定商取引法に基づいて、住所や実名、電話番号を公開する必要があります。
仕方なくそれらを公開することで、実際のところ、何が不都合なのか、また、トラブルの対処法などについて紹介します。
公開することで起きる5つのトラブルと対処法
個人的な経験も含め、ショップ運営者の個人情報を公開することで、起きること、あるいは、起きたことを5つ紹介します。
電話番号が利用される
電話番号を公開することで、お客さん以外に、 新聞広告、ネット広告、SEO業者、ホームページ制作、梱包材、印刷会社などから営業電話がかかってきます。
開店当初の電話はほとんどがゴミのような売込み電話ばかりです。
でも、一度かかってきた迷惑電話は迷惑登録してしまえば次から拒否できるので問題有りません。
1年もすればほぼ根絶できます。
住所を利用される(お客様)
住所を公開するとお客さんが突然やってくることがあります。
例えば、「通販専門」と書いているにもかかわらず「ピンポーン」と自宅やってきて、玄関で商品と現金を交換してご帰宅なさるお客様。
過去に何度かありましたが、2010年を区切りに10年くらいは、ないので、もはやそのようなお客さんは珍しいと思います。
住所の近くにできるだけ「店舗販売は行っておりません。」と目立つように書くことでかなり防げます。
また、最近流行りのシェアオフィスやバーチャルオフィスなどを利用すれば、自宅情報は完全に隠すことができます。「隠す」というと聞こえは悪いですが、心配な場合は、バーチャルオフィスに頼るのもひとつの手です。
住所を利用される(飛び込み営業)
梱包材料会社の営業さんを始めメーカーの飛び込み営業なども来ることがありました。
人間がやっててくる場合もありますし、ダイレクトメールや直接商品サンプルが送られてくることがあります。
知らないところから送られてくる、「何か入った茶封筒」にはやや恐怖を覚えましたが、だいたい、「この商品仕入れませんか?」という売り込みDMです。
国内からも海外からも届くことがありました。
DMなどの郵便物は避けられませんが、営業がひどい場合は「営業お断り」のプレートでもかけておくのが良いでしょう。
住所を利用される(詐欺サイト)
現れては消え現れては消える詐欺サイト。
外国発信のものが大半ですが、その詐欺サイトの販売者情報に住所や名前が使われることがあります。
これは、もう、不運としか言いようがないです。
「使うな。」と連絡しても無駄なので、あきらめるほかないです。
ただ、詐欺サイトが人の目に触れることは多くないのでそんなに心配することでもないかなって思います。
実名が利用される
実名を公開することで、あなたを知る人があなたの本名をネット検索したときに 簡単に発見されてしまいます。
長年会っていない友人から突然メールが入って、「これ売ってんの?安くなんない?」など、良い面もあるかもしれませんが、「ばれたくない副業」の場合は、本名を出さずにやる方法を取ります。
例えば、旧漢字を使ったり漢字をひらがなにしたり、ちょっと変形を加えてやれば、一気に検索結果から消えてしまいます。
裏ワザとしては「山田太郎」と書かずに「山 田 太 郎」とも時間にスペースを入れます。
すると前者は名前ですが、後者はパット見は名前に見えますが、実は、1個1個漢字を並べただけの意味のない文字列になります。
非公開でネットショップが運営できる
ご存知、無料ネットショップ日本一のbase(ベイス)。
base(ベイス)でお店を出せば、個人情報や住所は非公開にすることができます。
これ、最近始まったみたいですが、おそらく、特定商取引法の法解釈は「すべてのお店の運営者はbase」ということではないでしょうか。
かなり強引な気もしますが、非公開にすると、あなたの住所の代わりにBASEの住所が表示されます。
本名なんて出さなくていい?
一応、特定商取引法という法律にもとづいて事業者の住所などを公開しなければいけません。
情報が非公開の場合、お客さんに怪しまれる可能性は高いですが、責任者名のところに芸名を書いたところで怪しまれることはないでしょう。
本名は山田太郎だけど、ビジネスをするときのペンネームは「高橋一郎」でも、お客さんにとって何ら問題ないはずです。(おそらく法的にも問題ないと思う。)
芸能人が使う芸名と同じです。
「芸名ですが何か?」で良いんじゃないでしょうか。
営業をやっている友人は名刺をたくさん配ります。
どこの誰に名前を使われるかわからないので、名字はそのままで名前を変えた名刺を何十年も使っています。
このように本名を公開するリスクをおかしたくない人は芸名をおすすめします。
そもそも特商法ページは見られない
ほとんどのネットショップはアクセス解析をしています。
たまに統計を見てみてください。
特定商取引法のページなんてほとんど見られていませんから。
これは通販サイト(当店)の特定商取引法ページが1ヶ月間に見られた回数です。
訪問者数約2000人のうち3人だけです。
0.0015%です。
もちろん、ブランド品など、ジャンルによっては事業者情報が確認されることが多いと思いますが、そうでない場合は、かなり少ない閲覧数になるはずです。
気にしない気にしない。