「商材が決まらない!」
「何を売ればいいかわからない!」
という状況にに比べると、仕入れたいモノが決まっている場合は、仕入れ先を調べるだけなので楽チンです。
でも、場合によっては、調べても調べても、仕入先にたどり着くのに苦労することもあります。
今回は、仕入れ先を調べるシンプルな方法を紹介します。
ネット情報が充実していない時代は苦労しましたが、今の時代、仕入先を見つけるは、ほんとうに簡単になりました。
なお、商品が決まってない方は、第7回 売れる商品の見つけ方をご参照ください。
仕入先が見つけられない理由(裏事情)
その前に、ちょっと余談です。
当店(ネット販売店)では、過去にヒット商品がいくつか出ました。
すると、「仕入れ先はどこか?」「メーカーはどこか?」という問い合わせがたくさん入りました。
教えてしまうとライバルが増えるので絶対に教えませんでしたが、それ以外にも、仕入先をわからなくする工夫をしていました。
簡単な話なのですが、販売ページに仕入先を書かないこと。
これは、どこのネットショップもやっているので、商品ページをよく見ると気づく人もいるかも知れませんね。
売れている商品は、できるだけライバルに仕入れてほしくないですから。
ただ、製品を購入すると、どうしてもパッケージにはメーカー名が記載されているので仕入れ先にもたどりやすくなります。
仕入れ先を見つける一番簡単な方法
「売りたいものはある。でも、仕入れ先はどこだ?」初めての仕入れのときは、このような素朴な疑問を持つかもしれません。基
本的に仕入先がわからないモノというのは少ないと思います。ネットの情報も充実してきていますし、いくらでも手がかりはあります。
まず、仕入れ先を見つける基本的な方法は、「その商品を手にとって見る」に限ります。
世の中に流通する商品には製造元や販売代理店名などが記載されていることが多く、その連絡先にコンタクトを取って、どこから仕入れるか教えてもらえば、一瞬でわかります。
※参考
仕入れをお願いするビジネスメールの書き方
また、市場に出回る多くの商品にはバーコードがつけられています。
バーコードから製造元を突き止めることも簡単です。製造元がわかれば、仕入れ先もわかったも同然です。試しに、上の画像のバーコードで検索してみてください。
ウーロン茶のバーコードを検索すると、ちゃんとお馴染みの大企業名が出てきます。
ネット検索
ネッシーやスーパーデリバリーで見つからなかった場合、普通のネット検索をすると思います。
そして、おそらく「○○ 仕入れ先」などと検索します。
実は、これではあまり出てきません。
なぜなら、問屋やメーカーは「仕入先」という言葉を、あまり使っていないからです。ですから、いくら検索しても出てこないことが多いのです。(「仕入れ先募集」と書かれているケースもあるけど少な目)
じゃ、どういった言葉で検索すれば良いのでしょうか。
例えば、新規取引先募集、お取引ご希望のお客様、代理店募集、販売店募集、卸販売、業務販売などです。
一般的に、仕入れ契約のことを「取引」と言います。新しく仕入れる場合は「新規取引」ということになります。
メーカー名がわかっていれば、メーカーのサイトに「新規お取引をご希望のお客様へ」などというページがあれば、そこからメールで問い合わせることもできます。(仕入れをお願いするビジネスメールの書き方)
ただ、ネットから取引の申し込みができる企業は少なめです。
なぜなら、これだけネットが普及しても、問屋やメーカーは、未だにFAXや電話に頼っているところが多いからです。
2020年になっても、いまだに「FAXでのやりとりが基本」といった企業があります。メールで取引申し込みができる企業はごく一部です。
展示会や見本市(ギフトショー)に出向く
東京や大阪、福岡などで、定期的にギフトショーが開催されています。
ギフトショーは、言ってみればメーカーや問屋が一堂に会する場です。開催が2日間に渡るような場合でも、すべて見て回るのは困難なほど多数の出店があります。
目当てのジャンルのエリアに行けば、探していた仕入れ先に出会うかもしれません。
担当者に話を聞いたり、カタログを持ち帰ることもできます(名刺を用意しておきましょう)。個人的には、このように実際に「足」を使う情報収集をおすすめします。
ネット検索はみんながやってることですから、みんなやりたがらない「足」を活用することで、思わぬ仕入れルートを獲得できるかもしれません。
ギフトショーにメーカーとして出店する場合は、少なくとも50万円くらいかかります。
その他、交通費、宿泊費なども必要になるので、なかなか大変ですが、商材を探しに行く人は無料です。ギフトショーのサイトから招待状を取り寄せて行くだけです。
3日間あるので、日帰りで行くなりホテルを取ってじっくり見るなり、自由に楽しむことができます。
問屋街をあたる
全国各地に、問屋街と呼ばれる地域があるのをご存知でしょうか。
文字通り、問屋さんばかりが集まった街です。大阪なら、おもちゃの松屋町筋や千日前道具屋筋や家具屋筋、船場などが有名です。
東京なら、かっぱ橋問屋街、横山町馬喰町問屋街、もちろん東海、九州地方でも問屋街的なところがあるでしょう。
このような問屋街を、散歩がてら歩いてみるのも良いと思います。
管理人も、ふらふらありそうな問屋街で目当ての商品を見つけて仕入れたことがあります。
ただ、最近は、問屋街も廃れてきているのであまり効果的ではないでしょう。
業界専門誌や業界団体をあたる
ここで言う専門誌とは仕入れの専門誌ではなくて「業界の専門誌」です。
例えば、「月刊 ザ・輸入雑貨販売(架空)」、「月刊 紳士服業界(架空)」など。日経新聞や日経流通新聞(日経MJ)なんかを購読していると、業界専門誌もいろいろあることに気づきます。
きっと手がかりが見つかるかも。
同じように、業界団体というのもあります。「全日本羊革輸入協会(架空)」とか「日本スイス雑貨輸入協会」など、あれば聞いてみるのもひとつの方法でしょう。
また、「○○は□□県で作られているようだ。」という情報を入手しているなら、該当する県の役所に問い合わせてみる方法もあります。
販売店や店員に直接聞く
ある意味タブーですが、「それ」を販売しているお店に聞くと、あっさり教えてくれることもあります。
ただ、仕入れルートは社外秘といった場合、あれこれ詮索していると危険人物としてお店への出入りを断られるかもしれません。
もっとも、アルバイトや正社員として潜り込めば、簡単に情報が入手できるでしょう。
販売店に何度も通って、店員と仲良くなって、業界話をする中で仕入先情報を引き出すこともできます。相手の警戒心を取ってしまえば、秘密の情報も、わりと簡単に教えてくれることがあります。
「焼肉屋を始めたくて、よく通う焼肉屋の裏口に捨ててあるゴミをあさって卸会社を突き止めた。」という焼肉屋創業者の話を聞いたこともあります。
仕入先をさほど極秘扱いにしていない場合は、店内に仕入先企業名の入ったダンボールを無造作に置いていたりするので、意外に仕入先は見つかりやすいかもしれません。
仕入れ情報誌
ちょっとこの情報は古いので参考まで、です。写真にあるように2012年くらいまでは、良い仕入れ先がたくさん見つかりましたが、現在は廃刊になっています。
仕入れ情報誌「ザ・バイヤー」は卸売り専門の企業ばかりが掲載されているので、もしかするとその中に、目的の商品を卸してくれる企業があるかもしれません。
ここで、この雑誌を紹介したところ、「仕入先が見つかりました!」と言ったメールが入ったこともあります。
パラパラめくってると、有名企業から、ニッチな企業まで、いろいろな業種を見られるのは興味深いです。後半の読み物も楽しいです。
雑誌版はアマゾンやDai 大出版オンラインストアーなどで購入できました。ネット版もありますが、やはり読みやすさの点では紙媒体に軍配が上がっていました。
これがあるから止められない!
2020年の2月のギフトショーで良い商材を見つけました。
担当者と話をして仕入れることになったのですが、帰って同社のウェブサイトを見たところ、どこにも「新規お取引」や「卸」と言う言葉も見つからず単なる小売サイトに見えました。
でも、ギフトショーでもらった紙のチラシには、ウェブサイトには書いていない卸の条件や連絡先があったのです。
意図的にそのようにやっているのかどうかはわかりませんが、これだと、ネット検索を100万回くりかえしてもたどりつかなかったでしょう。
年々、ギフトショーで商材を見つけるのが大変にはなってきていますが、毎回必ず、そこそこ儲かる商材が見つかります。
リアルに足を運ぶことも大切ですね。
第5回 仕入れ専門用語を学ぼう>>