ネット販売を始めたい人はたくさんいるんですが、そのほとんどが副業の人です。
そういった人の理想は「できるだけ短時間で楽に儲けたい。」というものです。
確かに、トップセラー(副業向けネット仕入れ法)を使えば、「ネットで仕入れてネットで販売。在庫を持たなくて良い。仕入れ代は後から。」という金銭的リスクなしで楽にネットショップが始められます。
でも、商品1点あたりの利益率はリアル仕入れには到底かないません。
リアル仕入れとは、簡単に言うと「メーカーから直接仕入れを行う」というものです。通常の企業間取引です。基本的に在庫を持ちますし、仕入れ代金も先に払います。
売れ残りのリスクはありますが、売れた時の利益率は全く違ったものになります。トップセラーが多くても5%前後のところ、リアルだと40%~50%は普通で、70%や80%というのも特に驚くような数字ではありません。
ハイリスク・ハイリターンと言うと言い過ぎですが、大多数がやらないことをやれば、それだけリターンがある典型的な例と言えます。
どちらが良いという話ではありません。どちらを選びたいかという話です。好みの問題です。
楽にできるネットビジネスではなく、「多少の労力は厭(いと)わない。従来型のビジネスに興味がある」という方は、リアル仕入れをしてみてはいかがでしょうか。
リアル仕入れがネットで見つけにくい理由
みなさん「(売れる商品を)仕入れをしたい」気持ちで一生懸命ネット検索をしていることと思います。
でも、残念ながら、今のネットは消費者中心の市場なので、メーカーや問屋はなかなか見つけることができません。
なぜ、メーカーや問屋が見つけにくいか?
理由は3つあります。
1つ目は、ネット情報は一般消費者向け情報が大半をしめるから。
メーカーや問屋のお客さんになるのは小売店です。
いわゆるBtoB。
だから、ネットにホームページを出しても、消費者はやってきても、小売店はやってこないと考えています。
だから、ホームページさえもたないメーカーもあります。
2つ目は、すでに顧客(こきゃく)がついているので新たにお客を探す必要がないから。
逆に、ネットで一生懸命取引先を探しているメーカーは、積極的に売り上げを伸ばそうとしている企業や、業績不振のためになんとか顧客を増やしたい企業です。
3つ目は、 ホームページです。
ネットからお客を獲得するつもりのないメーカーのホームページは、しょぼいです。
やる気のない状態に見えます。
もちろん、きれいに見せる必要がないから、そんな状態で放置しているのです。
ですから、「まさかこのメーカーがめちゃくちゃ売れる商材を持っている。」なんて想像もできないのです。
また、メーカーはホームページを制作業者に依頼して作ってもらうことが多く、超固いイメージのデザインに仕上がっていることがあります。
それを見た個人は「とても個人は相手にしてくれそうにない。」という思い込みをしてしまいます。
ちなみに、当社と付き合いのあるメーカーさんの中にも、しょぼいホームページ(2000年式?)や連絡先も見つからない会社もいくつかあります。
そういった会社は、落ち目ではなく、むしろコロナ渦でもアホほど業績を伸ばしていました。
「利益が出すぎてボーナス3回出した。」っていうレベルです。
リアルから攻めると入りやすい
足を使わず、ネット検索ばかりしている人には、3番目の理由は思い当たるふしがあると思います。企業ホームページを見ただけで「うわぁ~こりゃ大企業だ。無理っぽいわ。」なんて勝手に思い込むわけです。コンタクトを取る前にあきらめるんです。
企業ホームページは見せかけです。実際の現場で働いている人は、私達と同じ人間です。ホームページのイメージが堅苦しいからといって、社員全員が堅い人間ばかりということは、まずありません。それで損をしているメーカーも多いとは思いますが、余計な先入観は捨てる努力をしたほうが良いです。
先入観を持ってしまうのは仕方ないことですが、「なんだ。こんなおばちゃんが担当だったのか。」「すっげー人懐っこいにーちゃんだわ。」「こんなに親切に対応してくれるとは想像もしなかっわ。」「心配して損した・・・」という結果になることのほうが圧倒的に多いのです。
とにかく、デジタルデータで独りよがりの空想をしないことです。ちゃんとコンタクトを取って確かめることです。できれば、メールではなく、電話や実際に会いにいくことです。
余談ですが、ネットショップではこれを逆手に取ってイメージ作りをします(信頼感の演出)。在宅で個人でお店を始めると、そんなしょぼい個人感をお客さんに知られるとナメられるので、できるだけ信頼感を演出するようにするのはネットビジネスの常套手段です。
リアル仕入れのために必要な3つのこと
さて、リアル仕入れは、文字通り現実社会での行動が基本です。電車に乗って、飛行機に乗って、足で歩いて移動します。もちろん、交通費や宿泊費等はかかりますが身銭を切ってこそのリアルです。そこで、必要になる3つことがあります。
(1)仕入れや関する知識
(2)事業者である事実
(3)コミュニケーションのスキル
(1)仕入れの流れや基本用語などをマスターしておくとスムーズです。掛け率や口座といった超初級単語もわからず、メーカーの門を叩いても会話が成立しません。英語圏の人と話すなら英語をある程度使えるようになっておく必要があるのと同じです。
(2)「ネット販売をしたいけれど何も準備していない。」でも、かまいませんが、(A)開業届けを出す。(B)ネットショップ(ウェブサイト)を用意しておく。(C)名刺を作っておく。この3点セットを用意しておけば、事業を行っているという前提で自信を持って話をすることができます。
(3)普通の会話のことです。「御社の商品を仕入れたいのですが取引条件はありますか?」「掛け率はいくらですか?」「「ネットで在庫を見れるシステムはありますか?電話で確認ですか?注文はメール?FAX?」など、仕入れに関しての会話は意外に少ないです。
それよりも、色々な話題で話ができるようにしておくと楽に仕入れができます。 「今はどんな商品が売れていますか?」「取引先どういったお店が多いですか?」「製造はやはり中国ですか?」「デザイナーさんは社内にいるのですか?」など。いきなり、芸能人の話などはわけがわからないのでやめましょう。あくまで、ビジネス関係の話題が中心です。
ネット対応も多い
リアル仕入れと聞くと、「現金問屋に足を運んで買い付けてくる。」と言ったイメージを持つかもしれませんが、見つける方法がリアル的であって、実際の取引はメールやウェブを使うことがほとんどです。
「発注はFAXで」というメーカーも未だにありますが、取引がスタートすればIDとパスワードをもらえてネットから発注できる方法に対応しているメーカーも多いです。
ただ、「そういった方法で仕入れができる」というのが、ホームページ上からはわからない、あるいは、メーカーもあえてアピールしていないところが盲点なのです。そんなリアル仕入れに興味がある人は、まずはここへ足を運んでみることをオススメします。