アンダードッグ効果で個人作家を応援中

アンダードッグ効果

Shopifyで自社のネット販売を行っていますが、別で個人作家(フリーランスなど)を応援するような事業も行っています。

そういった人たちの作品を「売る」ために使えそうなのがアンダードッグ効果。

アンダードッグ効果とは、「負けそうなチームを応援したくなる。」心理が働き、劣勢にある人や団体、あるいは不利な状況にある人や団体に支持が集まって形勢を逆転すること。

今の世の中、経済面では、大きな企業が強いですよね。

個人なんて、見方によると、ほんと微々たる存在で、むしろ気の毒な立場と言えます。

なので、その立場を逆手にとって、アンダードッグ効果や仮想的なども合わせて売出し中です。

アンダードッグ効果の利用例(1)

うろ覚えですが、アメリカのレンタカー会社B社の話があります。

レンター業界でA社はトップ。

2番手のB社はA社に大きく水を開けられています。

B社としては、A社に追いつけ追い越せと頑張っていたわけですが、あえて2番手を認めて、「弊社は頑張る2番手です」ということをアピールして売り上げを上げていったという事例です。(正確なところは各自文献などをお探しください)。

要するに、劣勢であるとか、立場が弱い、負けているということを言語化してアピールすることで、消費者の同情を買うテクニックと言えます。

アンダードッグ効果の利用例(2)

どこかの大学の生協が大量のポッキーかプリンかを誤発注してしまって「助けてください」と同情を集めて在庫を売りさばけた。

あるいは、「コロナ騒ぎで魚の在庫が余っている(育ちすぎると食えなくなる)買って。」といったニュース。

マスコミも喜んでくいつくネタです。

もちろん、当事者は本当に困ったから、そういったメッセージを発しているだろうとは思います。

でも、やっていることは結果的にアンダードッグ効果の売り上げへの利用です。(批判しているのではない。)

だからと言って、意図的に、いつも以上の仕入れをして「間違って発注してしまい困ってます。買ってくださいm(_ _)m」と、やっても、どこか白々しいですし、やってる本人も気持ちよくないでしょう。

アンダードッグ効果を狙うためのキーワード:同情、頑張っている、2番手、追いつけ追い越せ、手を差し伸べる、劣勢、かわいそう、不利、敗北、失敗、間違い、誤り、貧乏くじ、大損

いささか不謹慎だが

アンダードッグ効果を使い、戦略的に同情を買ってモノを売るという方法を使うのは、いささか不謹慎で、若干、良心の呵責がないでもないです。

でも、個人作家やフリーランスの人たちは個人で本当に頑張っているんですよね。

だから、そこをなんとかしてあげたい想いがあります。

ただ単に、販売心理学をテクニックとして使って「消費者にものを買わせる。」といううだけではなく、会社で言うところの理念、コンセプトのようなものがあっての施策と考えれば、そんなに不謹慎でもないかな、って思います。

むしろ、個人作家さんやフリーランスの人たちには喜ばれているので、自分で言うのもなんですが、良いことやってると思います。

仮想的をプラスする

じゃ、アンダードッグ効果を使って彼らの売り上げを作るにはどうすればよいか。

「個人で頑張ってるんです。」だけでは弱いですよね。

そこで、アンダードッグ効果に仮想的をプラスすることで、より消費者に訴求できます。

例えば、「個人で家具を作家がいるとします。ホームセンターに行けば1万円で売っているような椅子一脚でも5万円します。」

そこで、「小さいころからものづくりが得意で、得意が転じて家具作家になりました。一時は、大手家具メーカーに勤めていましたが、家具を安く作るため人体に有害な危険な薬剤を使っていました。Aさんは、そういった大手メーカーのやり方に納得できず、身体に良い材料だけを使った家具を手作りすることにしたのです。(架空)」という感じ。

この中で出てきている大手メーカーが「仮想的」です。

大手メーカーが悪で、Aさんが善に思えてきますよね。

仮想的は、誹謗中傷に近い概念ですが、「誹謗中傷は根も葉もないことで他人を批判」することですが、上記例の場合は、「事実に基づいて」仮想的を設定しているところがポイントでしょう。

このように、仮想的を作ると消費者心理はわりと大きく揺れます。

人類の長年の歴史の中で、「Aは悪い。Bは良い。」など、善悪をつけたがる人間心理が根底にあると言えます。

助けてランキングを作る

夜の街で若い女性が小さめのホワイトボードに「助けてくだい。」と書いて胸の前でもっているのを見かけたことはないでしょうか。(ないか。)

初めて見たときは「何?」って一瞬思ったんですが、要はガールズバーなどへ呼び込むためのキャッチです。

当然、助けるような親切心はもっていないのでスルーしましたが、この「助けて」という言葉は、なかなか強いです。

なので、ECサイトではおなじみの「売れ筋ランキング」と併設して「助けてランキング」も作ってしまっても面白いのではないかと思います。

助けてランキングは、在庫がだぶついているものやデッドストックになってしまったものなどを中心にまとめます。

「訳あり」は商品に瑕疵などがある場合なので、単なる余剰在庫やデッドストックの場合は「助けて商品」でも良いのではないかと思います。

幸い、当社(Shopifyで運用中)の場合は、基本受注発注(注文が入ってから在庫仕入れ)なので、余剰在庫もデッドストックもありません。

でも、過去に大量のデッドストックを抱えていたことがあって、無料放出したことがありました。

その時に「助けてランキング」を作っていれば、安くても売れたかもしれません。

後悔先に立たず。

ちなみに「不人気ランキング」なんてのもオモシロそうですが、「不人気な商品を誰が買うねん。」って話なので、ちょっとウケそうにないですね。

負け犬ではなかった!

アンダードッグ=負け犬だと思っていましたが、実は間違い。

日本語では「噛ませ犬」。

『闘犬で、訓練のために、自身をつけさせるために若い犬がかみつく相手となる犬。』のことで、負け犬は負けてしまった犬なので、若干意味合いが違いますね。

まあ、闘犬(プロレスのように屋外の会場で犬が戦う見世物)なんて、子供の頃に1度か2度見たくらい記憶があるだけで、今も存在するのかわかりません。

また、「かませ犬」と言う言葉事態も、あまり日常的に使わないですね。