EC(通販)企業で働いてノウハウをコネを作るという考えの誤り

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「将来ネット販売を始めたいから通販ショップで働いてノウハウとコネを作りたい。」と。

結論から言うと、多少のノウハウや経験は身につくし、多少のコネもできるかもしれないけど、そうは問屋がおろさない。

という感じ。

通販のノウハウはネットで十分

ネット販売をするためのノウハウって書籍もありますが、ネット情報で事足ります。

ネット見ながらやれば誰でもできる。

もちろん、その企業だけの秘密のノウハウってのはありますから、すべての答えがネットにあるわけじゃないです。

ネット情報は基本的なことは網羅されています。

お店作りから始まって、お客さんの集め方(集客)、広告の作り方や運用方法、そして、会社を運営するための会計の情報まで。

プログラマーを本職にしている人なんかもネットで学ぶ人が非常に多いですね。(最近は、テック・アカデミーみたいなスクールで学ぶ人も多い。)

ノウハウよりも経験

就職するんだったら、ノウハウを身につけることも大事ですが、いろんな実務経験を積むほうが大事かなって個人的に思います。

知り合いがネット販売の中小企業に「ウェブデザイナー兼受注処理」係として入社しました。

基本パソコンの操作だけ。

と思っていたところ、「中小企業あるある」ですが、梱包もやらされ、買い出しなどもやらされるわけです。

ワコールかどこかで「通販部門担当です。」と言う人がいたので、仕事の内容を聞いたら「問い合わせメール担当です。」とのこと。

大手企業の場合は、きれいに分業になってることが多いけど、企業規模が小さければ小さいほど、1人の仕事数は増えてしまいます。

当社もShopifyで通販をやっていますが、スタッフは、ページ作りやメール処理などはもちろん、電話対応から受注処理、梱包、買い出し(備品類)、会計処理、税理士などとの打ち合わせ、総務(役所に行ったりハローワークに行ったり)など。

もはやスーパーマルチプレーヤーです。

そういった実務経験は、必ず活きてきますから、若いうちはなんでも経験したほうが良いでしょう。(←オッサンになるとこういうことを言い出すw)

コネはできるもの

個人的には、「コネは(無理やり)作る」ものではなくて、「自然とできるも」のだと思っていますし、実際そうなってきました。

というのも、人それぞれ、人生のステージが違いますし価値観も違います。

例えば、駆け出しの起業家が経験豊富な実業家と「コネを作りたい。」と考える。

実業家がセミナーなどをやっていれば会って話したり、名刺交換などもできたりします。

でも、その後、電話したりご飯に行ったり、そんなことはまず無理です。

ステージというか経験値が違いすぎると、そもそも話も合わないし思考レベルも違うので、同じ時間を一緒に過ごすことができません。

「知り合いになる」ということさえ無理。

私自身も有名な社長と会って名刺交換をして、その場で喋ったことはあります。

次元(知識や経験値)が違いすぎて、まともな話ができず、ただ、ひとこと「アドバイスを頂いただけ。」でした。

そして、そのアドバイスは、その後の自分の事業に大きな良いインパクトを与えるほどの衝撃的な一言になりました。

ひどい異業種交流会

異業種交流会に行けば、いろいろな事業主などと会って話をすることができます。

素人の集まりではない点で、「経営のノウハウを得たりコネができる可能性」はあります。

ということをあてにして「人が集まっている異業種交流会は、ひどいことになります。

なぜなら、みんな「おしえて君」兼「コネほしい君」になっているから。

つまり、「仕事欲しい人」の集まりになってしまうわけです。

セミナーに参加した後の懇親会などはよくあるパターンで、居酒屋などで打ち解けた「風」の場になって名刺交換。

交換だけで済むなら良いものの、勝手にメルマガを送ってきたやつなどもいました。

「一度会話しただけで自分のメルマガを送りつける。」という感覚の持ち主は、自分がいまお付き合いしている事業主などにはいません。

「類は友を呼ぶ」と言う言葉があるように、事業をしていると「同じ感覚や価値観」の人が自然と集まってきます。

だから、コネは成り行きに任せて自然にできるものだと考えている方が良いと思います。

会社の看板事件あるある

通販会社(A社)に勤めていた津田さん(仮名)が独立して通販を始めました。

そして、A社のときの仕入れ先の社長に「独立したんです。商品を卸してくれませんか。」と、わざわざ会いに行って頼みました。

仕入先の社長は「お断りします。」と。

理由は簡単です。

仕入先の社長はA社の社長と長年のお友達であり事業仲間です。

だから、取引をしている。

津田さんはA社の看板を背負って仕入れ業務などをしていたけど、それは、ただA社の歯車として動いていただけであって、仕入先との「関係(コネ)」を作っていたわけではないんですね。

そこを(コネができた。)と勘違いしてしまったわけです。

全部が全部じゃないですけどね。

個人的な例では、(自動車の)ホンダ関連の企業が注文をよくくれていました。

担当者はいつも同じ(名前忘れた)で、メールや電話でのやり取りがメインです。

「独立を考えている。」といったことも教えてくれました。

いざ独立して、当社に仕入れの依頼が来ましたが、快く承諾しました。

ホンダだろうがトヨタだろうが、別にその看板を背負ってるから「お客様」と崇めていたわけではないですからね。

当社も断る理由もないですし、独立当初は大変ですから、お手伝いできることがあれば何でも言ってください。」くらいのノリです。