国内定番の仕入れ先は3種類

日本国内で商品を仕入れる場合、一般的は3タイプの企業があります。

1つ目はメーカー
2つ目は問屋【とんや】
3つ目は貿易商社(通常「商社」)

メーカーとは

メーカーとは英語のmake(メイク)=「作る」。

つまり、モノを作る人や企業のことです。

一番わかりやすいのは農家さん。

農家さんは種から大根を作ります。

形のないところ、つまり、ゼロから商品を作る人や企業のことをメーカーといいます。

メジャーなところでは、ソニーやパナソニックなどもメーカーです。

もし、あなたがハンドメイド商品を作る人ならメーカーですし、作家でありアーティストであり、あるいは経営者とも言えます。

いずれにせよ、クリエイト(創造)するのがメーカーの本業と言えます。

貿易商社とは

貿易商社とは海外から農産物や機械部品、その他の商品を輸入する日本の窓口的な企業です。

有名なところでは伊藤忠商事【いとうちゅうしょうじ】や丸紅【まるべに】、住友商事などがありますが、それ以外にたくさんの中小の貿易商社があります。

貿易商社にもいろいろあって、おむつからIT部品を輸入する総合商社から、お花だけを専門に輸入する専門商社まで多種多様です。

私の仕入先にも小さな輸入商社がありますが、特定のジャンルに特化して輸入している企業もありますし、いろいろ手掛けている総合商社もあります。

ちなみに、普段の会話のなかではこれらの商社のことも「メーカー」ということがあります。

厳密には使い方は間違っていますが、会話のなかで「商社」というのはあまりでてきません。

用語は業界によって、いろいろ違ってくるので業界のなわらしに従うと話はスムーズに進みます。

問屋とは

メーカーと貿易商社について学びました。

問屋【とんや】とは、さまざまなメーカーや貿易商社の商品を取り扱う企業のことです。

業界によっては「代理店」や「特約店」といった言葉が使われる場合があります。

問屋がメーカーや商社と決定的に違うのは「自分でモノを作ったり輸入していない。」という点です。

今も少しは残っていますが、大きな倉庫のなかにたくさんの商品を積み上げて、ネット販売や実店舗のお店さんなどに卸すのが問屋の仕事です。

問屋も玩具専門の問屋から家電専門の問屋まで多種多様です。

韓国アパレルを仕入れたいときは韓国アパレルの問屋へ、家電が仕入れたいときは家電専門の問屋をあたるのがキホンです。

流通とは

さて、ここで流通について学びましょう。

なぜ流通について知る必要があるかというと、商売は儲けてナンボです。

自分の業界の流通について無知だと損する可能性があるからです。

例えば、メーカーで作られた製品が問屋にストック(在庫)され、それを小売ネットショップが仕入れて、一般のお客様に販売します。

製品の流れは「メーカー」→「問屋」→「小売」→「消費者」

ちなみに、お金の流れは「消費者」→「小売」→「問屋」→「メーカー」と逆になる。

このようなモノの流れを流通と言います。

ここで重要なのは、矢印がひとつ進むごとに値段が上がっていくという点です。

メーカーが2000円で作ったモノを問屋が3000円で買い、それを小売店が5000円で買う。

そして、小売店が一般消費者に1万円で販売する。

メーカーは1000円をゲットし、問屋は2000円をゲットし、小売店は5000円を仕入れる。

算数は大丈夫でしょうか?

小売店は商品を問屋から5000円で仕入れたわけですが、もしメーカーから3000円で仕入れていれば、利益は2000円増えるのがわかりますか?

算数の問題ですよ。

メーカー仕入れ:3000円
問屋仕入れ  :5000円
売価     :10000円

メーカーから仕入れたほうが儲かるのがわかるでしょうか。

このように、自分の業界の流通を理解すれば、場合によってはもっとも利益率の高い取引が可能になる場合があります。

ちなみに、私も起業当初は何もわからず、ひたすら問屋と取引していました。

あるとき、メーカーと直接取り引きができることを知り、ほぼ全部直接取り引きに切り替えました。

その結果、同じ売上でも利益率はぐんと上がりました。

旧式問屋は瀕死の産業

上記のように、昔は、いろいろなメーカーの在庫を持って卸売していた問屋もネットの普及で存在意義がなくなってきています。

つまり、ネットを通じて直接メーカーから仕入れるのが簡単になったからです。

ネット世代の人には、イメージがつかみにくいかもしれませんが、昔はメーカー品を仕入れるのは問屋の倉庫に行くしかなかったのです。

実物を見るのも新商品を知るのも問屋頼みだったのです。

でも、今はメーカーのホームページを見れば商品情報もわかるし直接コンタクトも取れます。

つまり、問屋はいらないのが今のネット社会です。

それでも問屋が残っているのは、やっている人が古い人達ばかりで、「これまでの付き合いがあるから。」「ネットが使えない老人店主が直接仕入れにくるから。」とかその程度の理由です。

私の業界で言えば、昔ながらの問屋は2030年までにはほぼ消滅してしまいます。

新型問屋が現る

モノを仕入れる場合、メーカーから直接仕入れるのが一番利益率が高く(儲かる)なります。

でも、メーカーさんの本業はモノを作ること。

売ることが苦手な場合があります。

そんな場合に頼るのがネット問屋です。

つまり、ネットの仕入れサイトです。

ネットの仕入れサイトは、ネットが始まってからできた業態です。

全国津々浦々のメーカーや商社のデータを一同にまとめ、販売したいお店さんを集めて卸すのが彼らの仕事です。

ネットを駆使しているので、メーカーや商社側も売りやすく、商品を消費者に直接販売する販売店側も簡単にモノが仕入れるようになったのです。

その代表的なのが、みなさん一度は目にしたこがあるネッシーNETSEA(ネッシー)スーパーデリバリーです。

4時間目 仕入れ先を見つける方法>>